確認・糾弾とは? わかりやすく解説

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確認・糾弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 04:42 UTC 版)

確認・糾弾(かくにん・きゅうだん)とは、主として部落解放同盟関係者が、「差別された」と判断した事案において、差別事象の実行者とみなした者や、その者に関係する上位の立場にある者も同様に差別事象の責任者であるとして呼び出し、差別行為の事実確認という名目で吊し上げ、その責任を問う中で部落問題に対する認識姿勢を糾して総括と称する自己批判をさせて、差別とみなした行為の謝罪と補償を強要することである。あまりにも長期間かつ苛烈なことで、吊るし上げられた者達は要求を呑み、精神的疾患やトラウマを負うことで知られた。このような活動は、部落と部落解放同盟への忌避に繋がって、結果的には組織外からの支持を激減させて組織の退潮を招いた。日本共産党系組織のみが全面対抗したために、部落解放同盟の影響力があった地域では、党員であれば守ってもらえることから、日本共産党の支持率・得票率がとりわけ高いことが統計から推測されている[1]


  1. ^ 「人権団体」で糾弾活動、孫は検事 関電“京大閥”が利用した“原発のドン”の正体『週刊文春』2019年10月10日号、29-31頁。
  2. ^ 『脱常識の部落問題』p.221 朝治武「徹底的糺弾の再検討」
  3. ^ a b 福田雅子『証言・全国水平社』(日本放送出版協会、1985年)
  4. ^ 『部落問題・水平運動資料集成』第1巻、300-301頁。
  5. ^ a b c d e f 中西義雄『部落解放への新しい流れ』p.84-85(部落問題研究所、1977年)
  6. ^ 部落解放同盟「差別糾弾」とは何か
  7. ^ 「毎日新聞」1975年2月15日付における朝田善之助の発言。
  8. ^ 「毎日新聞」1975年3月1日付における朝田善之助の発言。
  9. ^ 「八鹿・朝来暴力事件と裁判闘争 1974-1996」(公正・民主的な同和行政と地方自治・教育・人権を守る兵庫県共闘会議, 1996)p.237
  10. ^ 『村越末男著作集: 部落問題の教育』第2巻、149ページ
  11. ^ 三谷秀治『火の鎖 和島為太郎伝』p.176(草土文化、1985年)
  12. ^ 「(われわれは)差別者に対しては徹底的に糾弾する、糾弾を受けた差別者で逃げおおせた者はない。差別者であることをすなおに認めて自己批判せよ、差別者は日本国中どこへ逃げても草の根をわけても探しだしてみせる。糾弾を受けてノイローゼになったり、社会的に廃人になることもあるぞ、そう覚悟しとけ」 「お前らいつまでたったら白状するのや、お前らは骨のある差別者や、ともかく徹底的にあしたでもあさってでも続いて糾弾する」(大阪地裁1975年6月3日判決、判例時報782号23頁より)
  13. ^ a b c 丹波正史『人間と部落』145頁
  14. ^ 丹波正史『人間と部落』150頁
  15. ^ a b c d e 丹波正史『人間と部落』145-146頁
  16. ^ 2006年03月05日 - 部落解放同盟全国連合会
  17. ^ 『八鹿・朝来暴力事件と裁判闘争 1974-1996』(公正・民主的な同和行政と地方自治・教育・人権を守る兵庫県共闘会議, 1996)p.277
  18. ^ 瀬川負太郎『部落問題の状況 糾弾、土地転がしの総決算』p.245(小倉タイムス、1985年)
  19. ^ 山中央『新・差別用語』あとがき
  20. ^ a b 北海道アイヌ探訪記(9)阿寒アイヌコタン
  21. ^ 丹波正史『人間と部落』147頁
  22. ^ 連載差別表現 第156回 日の丸・君が代問題をめぐるひとつのエピソード
  23. ^ 全日本同和会のあゆみ
  24. ^ 『日本・権力構造の謎』下巻p27-28、早川書房
  25. ^ 崩れ出した「解同」タブー/不正事件・利権あさり/日本共産党 一貫して追及/同和予算賛成の「オール与党」”. www.jcp.or.jp. 2020年10月22日閲覧。
  26. ^ 『松本治一郎対談集 不可侵 不可被侵』解放出版社、1977年、p20。
  27. ^ a b 『差別用語』(汐文社、1975年)p.59-60
  28. ^ a b c 『差別用語』(汐文社、1975年)p.60-61
  29. ^ 藤田敬一『同和はこわい考』p.49
  30. ^ 田宮武「被差別部落の生活と闘い」(明石書店, 1986)p.252
  31. ^ 藤田敬一『同和はこわい考』p.50
  32. ^ 朝日新聞』1988年6月3日、『解放新聞』1988年7月11日。
  33. ^ 『部落の過去・現在・そして…』p.131(阿吽社、1991年)
  34. ^ 藤田敬一『同和はこわい考』p.37
  35. ^ 藤田敬一『同和はこわい考』p.57
  36. ^ 講演「『世界─民族─国家』空間と沖縄」(『敗北の構造―吉本隆明講演集』弓立社、1989年)
  37. ^ 上原善広「誰も書かなかった「同和教育」 3タブー・八鹿高校事件」(「文藝春秋」2012年2月号)
  38. ^ 部落解放研究所編『戦後 部落問題関係判例[資料編]』p.294-295
  39. ^ a b c d 「八鹿・朝来暴力事件と裁判闘争 1974-1996」(公正・民主的な同和行政と地方自治・教育・人権を守る兵庫県共闘会議, 1996)p.288
  40. ^ 解説 八鹿高校等事件控訴審判決について 法務省人権擁護局人権擁護管理官室
  41. ^ a b 『八鹿高校事件民事訴訟判決集(全文)』 (公正民主な同和行政と地方自治・教育と人権を守る兵庫県共闘会議、1990年)p.5。
  42. ^ 部落解放研究所編『戦後 部落問題関係判例[資料編]』p.202
  43. ^ 部落解放研究所編『戦後 部落問題関係判例[資料編]』
  44. ^ 「八鹿・朝来暴力事件と裁判闘争 1974-1996」(公正・民主的な同和行政と地方自治・教育・人権を守る兵庫県共闘会議, 1996)p.347
  45. ^ 『千葉県・部落解放10年の歩み』p.31
  46. ^ 永井荷風断腸亭日乗』昭和2年12月3日の項。
  47. ^ a b 野町均『永井荷風と部落問題』25頁
  48. ^ a b 岡映『荊冠記 第三部』25頁
  49. ^ 岡映『荊冠記 第三部』81頁
  50. ^ 丹波正史『人間と部落』104頁
  51. ^ a b c 『月刊 同和と在日』2011年3月号(第5号)
  52. ^ 朝日新聞社会部『土地ころがし』p.314(葦書房、1982年)
  53. ^ 『小倉タイムス』1981年6月16日。
  54. ^ 朝日新聞社会部『土地ころがし』p.153, p.246, p.260(葦書房、1982年)
  55. ^ 朝日新聞社会部『土地ころがし』p.316(葦書房、1982年)
  56. ^ 朝日新聞社会部『土地ころがし』p.278, p.280(葦書房、1982年)
  57. ^ 朝日新聞社会部『土地ころがし』p.268(葦書房、1982年)
  58. ^ 八鹿の真実を守る会編「八鹿高校事件の真実: 但馬からのレポート」(部落問題研究所出版部, 1978.3)p.25
  59. ^ 八鹿の真実を守る会編「八鹿高校事件の真実: 但馬からのレポート」(部落問題研究所出版部, 1978.3)p.26
  60. ^ 『創』1995年2月号「匿名座談会 部落解放同盟のマスコミが書けなかった内部事情」p.110
  61. ^ a b えせ同和行為の実態と対処法
  62. ^ 京都部落史研究所編『京都の部落史』第2巻175-177頁(京都部落史研究所、1991年)
  63. ^ 貝塚茂樹『史料京都の歴史』第11巻670-672頁(平凡社、1988年)
  64. ^ a b 『部落問題・水平運動資料集成』第1巻352-355頁。
  65. ^ a b 『解放の道』1970年12月5日付。
  66. ^ a b 八鹿の真実を守る会編「八鹿高校事件の真実: 但馬からのレポート」(部落問題研究所出版部, 1978.3)p.16。
  67. ^ 『八鹿・朝来暴力事件 検察官論告要旨』
  68. ^ 鳥取ループ、三品純『同和と在日6―同和不毛地帯』p.122-123(示現舎ムック、2012年)
  69. ^ 『芸備人権新報』(1999年9月10日号)





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