眼窩上隆起
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/19 22:40 UTC 版)
眼窩上隆起(がんかじょうりゅうき)は、類人猿や古人類の眼窩(眼球が収まる部分)上方に見られる、庇(ひさし)のように張り出した部分。現生人類(ホモ・サピエンス)にはない。
- ^ 中新世に繁栄したプロコンスルでは見られない。
- ^ 猿人・原人・旧人という区別は厳密なものではなく、専門用語でもないので古人類学では用いられないが、人類の進化段階を大雑把に示すのに都合が良いので、一般向けにはしばしば使用される。
- ^ 鈴木尚『化石サルから日本人まで』 岩波新書 1971年初版 93頁。本書では、ネアンデルタール人、それより進化したとみられるイスラエルから発掘されたアムッド人、オーストラリア原住民、現代日本人の眼窩部分の図示による比較を用いて、眼窩上隆起が内側と外側に2分割されて消失する過程を明らかにしている。
- ^ 例えば佐貫亦男(さぬきまたお)は、『科学朝日』に「進化の設計」と題する古生物学を扱った連載をしていたが、1981年12月号でクロマニョン人の眼窩上隆起の消失について論じ、そのような内容の意見を述べている。ただし、佐貫は宇宙航空工学者で、古生物学や人類学の専門家ではない。
- ^ 専門的には、顔面角が小さい、と表現する。類人猿や古人類は上下の顎が大きく、前に突き出している(突顎)ので顔面角は小さい。現生人類は顎が弱小化して引っ込み、一方脳の発達によって前頭部が大きく膨らんだので、顔面角が増大して90度に近くなった。
- ^ 彼らはすでに火を使って食物を調理してはいたが、現代人に比べると自然界から得たままの固く粗雑な食物を摂取しており、また歯を使って獣の皮をなめすなどの作業を行なっていたと考えられるので、歯と顎は現代人より頑丈な構造となっていた。
- ^ クリストファー=ストリンガー・クライヴ=ギャンブル共著『ネアンデルタール人とは誰か』 河合信和訳 朝日新聞社 1997年 124頁
- 1 眼窩上隆起とは
- 2 眼窩上隆起の概要
- 3 参考文献
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