眞似とは? わかりやすく解説

ま・ぬ【真似】

読み方:まぬ

[動ナ下二「まねる」の文語形


まね【真似】

読み方:まね

[名](スル)

まねること。また、形だけ似た動作をすること。模倣。「ボール投げる—をする」「アメリカ映画の—をする」

行動ふるまい。「ばかな—はよせ」


真似

読み方:まね

【文語】ナ行下二段活用動詞「真似」の連用形、あるいは連用形名詞化したもの

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真似

読み方:マネ(mane), マヌmanu

まねること


真似

関連項目→〔隣の爺

1.幸運得た人の隣人が、真似をして失敗する

イソップ寓話集岩波文庫版173木樵ヘルメス正直な木こりが、ヘルメス神から金の斧銀の斧をもらう。それを聞いた欲深い男が、わざとの斧を川に投げ入れるヘルメス神が金の斧見せると、男は「なくしたのはその斧だ」と嘘を言う。しかしヘルメス神はそれを与えずの斧も返してやらなかった〔*パンタグリュエル物語第四之書(ラブレー)「新序詞」の類話では、近隣男たち正直な木こり真似して、皆「金の斧なくした」と嘘を言うので、メルクリウス(=ヘルメス)が彼らの首を刎ねる〕。

『小クラウスと大クラウスアンデルセン) 小クラウスは、大クラウスによって、ただ1頭の持ち馬を殺され老母殺され、川に投げこまれそうになるそのたびに彼は奇策用いて金儲けをする。大クラウスは小クラウスの真似をして、4頭の持ち馬を殺し老母殺し、川に放りこまれて沈んでいく。

『宝手拭い昔話女中乞食坊主に餅を施す。女主人怒って取り戻して来い」と命ずる。乞食坊主は餅を返し手拭い1枚女中与える。女中毎日手拭いで顔をふくと、だんだん美しくなる女主人羨み女中留守その手拭いで顔をふく。たちまち女主人馬面になる。

時そば落語) 男が九つ時午前0時頃)に、屋台でそばを食う。代金16文を1文銭で「1、23、45、67、8」と数えて払い、「今何時だ?」「へい九つで」「101112・・・・」とやって、1文ごまかす。これを真似する男が、翌晩四つ時午後10時頃)に出かけ、「1、23、45、67、8今何時だ?」「へい四つで」「5、6、7・・・・」と、余分に支払う。

醜女美女の真似をして、眉をひそめる→〔眉毛睫毛3bの『荘子』「天運篇」第14

童子和尚の真似をして、指を立てる→〔指〕6cの『無門関』(慧開)3「倶胝竪指」。

★2.幸運得た人の兄弟姉妹が、真似をして失敗する

『かぶら』グリム)KHM146 金持ちの兄と貧乏な弟がいた。弟は百姓をして、荷車いっぱいになるほどの巨大なかぶらを収穫し王様献上する王様は「たいへん貴重なものだ」と喜び金貨・畑・牧場・牛・羊などを百姓(=弟)に与える。兄がうらやみ金貨と馬を王様献上して多く返礼期待する王様は、「このお礼には、あの大かぶらがいちばん珍しくて立派だと言い、兄は荷車にかぶらを積んで帰って来た。

千一夜物語アリババと四十人の盗賊物語」マルドリュス版第854夜 カシムは弟アリババの真似をして、盗賊洞窟入りこむが、呪文忘れてしまう。

ペンタメローネバジーレ第1日第10話老婆妖精魔法若返り王様結婚する(*→〔若返り〕2)。妹老婆うらやみ、「どうやって変身したか」と問う。姉老婆は「一皮むいてもらった」と答える。妹老婆床屋に「剃刀全身の皮をむいてくれ」と頼む。だが、途中で老婆息絶える

酉陽雑俎続集巻1-873 貧しい兄が、穀物の穂をくわえて飛ぶ鳥追って、山へ行く。夜、赤衣小児たちが現れ、金錐(きんすい=金の)で岩を打って酒食出し宴会をする。宴会終わり、彼らが金錐を置いたまま去ったので、兄は金錐を家へ持ち帰る欲しい物は金錐で打つと何でも得られ、兄は富豪になった。弟が真似をして穀物植え追って山へ行く。鬼たちが「金錐を盗んだ奴だ」と言って、弟の鼻を1丈ほどの長さ伸ばす。弟は象のようなになって家へ帰り恥ずかしさ憤り死んだ

★3a.人間動物の真似をする。

柿山伏狂言山伏柿の木に登って食べる。柿の木の主が見回り来て山伏を見つける。主は山伏からかってやろうと、「が木の上にいる」と言う山伏は「きゃきゃ」と、鳴き声を真似る。主は「いや、じゃ」と言い山伏は「びょびょ」と鳴き真似をする。最後に主は、「いや、あれはじゃ。なら飛ぶだろう」と言う山伏は「飛ばずなるまい」と思い、木の上から飛んで落ち、腰を抜かす

盆山ぼんさん狂言) 男が、ある家の盆山盗もうと庭へ忍び込むが、家の主人に気づかれて、盆山陰に隠れる。主人盗人からかってやろうと、「盆山陰に隠れたのは、人かと思ったじゃ」と言う盗人は「びょうびょう」と、鳴き声を真似る。主人「いや、烏じゃ」。盗人「こかあこかあ」。主人「いや、じゃ」。盗人「きゃきゃきゃ」。主人鳴き真似できない物を言ってやろう。よく見れば、あれはじゃ」。盗人たいたいたい」。

*亀の真似をする→〔息〕6の『幽明録』6「墓の中の娘」。

都会歩き方を真似ようとして、もとの歩き方まで忘れてしまう→〔歩行3aの『荘子』「秋水篇」第17

★3b.動物相互の真似。

イソップ寓話集岩波文庫版371トカゲ」 あるトカゲと同じ長さになろうとした。トカゲ背中真ん中破裂した

イソップ寓話集岩波文庫版396白鳥」 昔、白鳥のように美しい声だった。ある時、は馬のいななく声に感心して真似をしようとした。しかし馬のいななき覚えられず、本来の声をも失ってしまった。

★4a.共鳴動作。Aの動作を、Bが無意識のうちに真似して同じように動く。

蜘蛛(エーベルス) 医学生「ぼく」借りた部屋から、通り向こう建物の窓が見える。そこには黒服若い女がいて、糸を紡いでいる。「ぼく」挨拶をし、彼女も挨拶返す「ぼく」いろいろな身振り手振りをすると、彼女もまったく同じ身振り手振りをする。何日過ぎて「ぼく」自分が彼女の動作真似していることに気づく。彼女は紐で輪を作り、窓ののかぎにひっかける。「ぼく」も紐で輪を作り、そこに首を入れてぶら下がる〔*女は黒蜘蛛化身だった〕。

目羅博士江戸川乱歩ビル5階にいる男とそっくり同じ服装をさせた蝋人形を、目羅博士準備する月夜に(*→〔月〕4a)、目羅博士蝋人形細引きつるして5階の男に見せる。5階の男は、蝋人形の真似をして自分細引きで首をくくり、ぶら下がる目羅博士この方法で、3人の男を首吊り自殺させた。後に、ある青年が、目羅博士そっくりの蝋人形ビル5階から落とす。これを見た目博士は、同じよう5階から飛び降りて死んだ

★4b.『蜘蛛』や『目羅博士』の原型かもしれぬ物語

子不語巻18-474 私(=『子不語』の著者袁枚)の知人呉秉中は、汪名天先生招いて子供や甥の教育託した。ある月夜、呉は牆壁の上1人老人見た背丈は1尺ほど、白髪で頭が尖っており、坐したまま、こちらの動作を真似る。呉が煙草吸えば老人煙草を吸う。呉が拱手すれば、老人拱手するのだ。呉は汪先生と甥の錫九を呼ぶが、彼らには老人の姿が見えなかった。その年の秋、呉秉中と汪先生死んだ。錫九だけは今も無事である。

★4c.共鳴動作。Aが笑い、それにつられてBも笑い出す。

『ダイ・ハード』(マクティアナン) 刑事ジョンは、13人のテロリストたちと闘うが(*→〔人質〕4)、生き残った2人テロリストに銃をつきつけられて、ついに降参するジョン自分負け認めたので、テロリスト1人勝ち誇ってつまらぬ冗談を言う。その冗談聞いてジョン大声で笑う。笑い続けジョンつられてテロリストたちも笑い出す。テロリストたちの気のゆるみに乗じてジョン隠し持った拳銃で彼らを撃つ。

*→〔扉〕1の『古事記』上巻で、神々が口を大きく開けて笑ったに応じてアマテラス岩屋戸を少し開けるのも、共鳴動作一種と見ることができるであろう。

★5.知らず知らず仲間口真似してしまい自分誰だかわからなくなる。

ダス・ゲマイネ太宰治帝大生の「私」友人たちから、「佐野次郎左衛門(*→〔顔〕2の『籠釣瓶花街酔醒』の主人公の名前)」と呼ばれている。「私」は、音楽学校生の馬場美術学校生の佐竹小説家太宰治知り合い、「同人誌作ろう」と話し合う。彼らと議論して別れた後、「私」自分独り言舌打ちが、太宰佐竹馬場口真似になっているのに気づき、「私はいったい誰だろう」と考えて慄然とする。「私」電車はねられ死に翌日馬場佐竹「私」の死を話題にする。

★6.溺れた時の動作真似て演じ服従のしるしとする。

『日本書紀』巻2神代下・第10段一書第4 兄ホノスセリは溺れて、弟ヒコホホデミ(=ホノヲリ)に降参した(*→〔風〕2a)。兄は「私の子々孫々にいたるまで、俳優(わざをき)の民となってお仕えします」と弟に誓い溺れ苦しありさま真似て、足を上げ跳びはね、手を挙げてひらひらさせるなど、さまざまな所作をした。それ以後現在にいたるまで、兄ホノスセリの子孫である隼人(はやと。はやひと)たちは、服従のしるしにこの所作を演じている。

隼人(はいと)→〔10の『大菩薩峠』(中里介山第6巻「間(あい)の山の巻」。

真似しなくてもよいことを真似して失敗する→〔見間違い〕5。

鸚鵡口真似→〔動物音声2b

牡丹餅口真似→〔餅〕9の『夜叉ケ池』(泉鏡花)。

*真似・模倣は、本物を招くための呪術→〔雨乞い〕4・〔〕5bの『金枝篇』(初版第1章第2節


真似

読み方:マネ(mane)

作者 菊池寛

初出 大正13年

ジャンル 戯曲


模倣

(眞似 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 03:25 UTC 版)

模倣(もほう)とは、


  1. ^ a b 大辞泉
  2. ^ 『言語発達研究: その歴史と現代の動向』p.228
  3. ^ 『詩学』第4章
  4. ^ 大藪泰、「赤ちゃんの模倣行動の発達-形態から意図の模倣へ-」 『バイオメカニズム学会誌』 2005年 29巻 1号 p.3-8, doi:10.3951/sobim.29.3
  5. ^ ドラゴンソードキーホルダー事件 東京高裁 H10.2.26 平成8年(ネ)6162号事件
  6. ^ 竹田稔、服部誠「知的財産権訴訟要論(不正競業・商標編)」発明推進協会、 p.109


「模倣」の続きの解説一覧

真似

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:23 UTC 版)

和語の漢字表記

 

  1. まね」を参照

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