異安心とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 心情 > 安心 > 異安心の意味・解説 

い‐あんじん【異安心】

読み方:いあんじん

宗祖教えとは異なった教義・信仰。特に浄土真宗用いる語。


異安心

読み方:イアンジン(ianjin)

仏教各宗派において、祖師伝承に基づく正統説と異なった見解領解をいう。

別名 異流、異義、異計、邪義


異安心

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 01:14 UTC 版)

異安心(いあんじん)とは、仏教各派において、正統とは異なった教義を指す語[1][2][3][4]。とくに浄土真宗において用いられる[1][2][3][4]

浄土真宗においては、宗祖・親鸞が説いた「安心(あんじん)」とは異なると見なされた[5][4]異端的な[3][4]信仰、または信仰者が「異安心」として排斥の対象となった。同様の語に、異流[2]異義[2]、異計[2]邪義[2]などがある。

浄土真宗における異安心

歴史

浄土真宗においては、親鸞在世中からすでに門下にさまざまな論争・異義が生じていた[2][4]。本願寺を開創した覚如は、佛光寺系(真宗佛光寺派)が説いた「知識帰命」や、唯善の「無宿善往生」の教義を異安心として批判した[2]

蓮如が生きた15世紀頃には、異安心と見なされる集団が多く現れた[4][5]。たとえば、秘事法門[4]、一益法門[4]、施物頼み[4]などである。

1763年から発生した西本願寺(浄土真宗本願寺派)の三業惑乱は、異安心の事件として知られている[4]

近代においては、親鸞の思想の新しい解釈の試み(近代教学)に対して、伝統的教団の立場から、しばしば異安心という批判と排斥が加えられた[6]

異安心と見做された人々・団体

  • 秘事法門
  • 清沢満之
  • 金子大栄 - 1928年に著書『浄土の観念』が異安心とされて大谷大学教授を追われ、さらに真宗大谷派の僧籍を剥奪される[6](しかし、その後も自説を堅持する)。
  • 曽我量深 - 1930年3月、『如来表現の範疇としての三心観』における主張が、異安心とされ問題となり、事実上追放の形で、大谷大学教授を辞任する(しかし、その後も自説を堅持する)。その後、金子とともに名誉回復された。
  • 暁烏敏 - 1911年(明治44年)、その熱い情熱から異安心(浄土真宗における異端)扱いを受ける。

異安心の研究者

関連項目

脚注

  1. ^ a b 異安心”. デジタル大辞泉(コトバンク所収). 2016年9月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 異安心”. 世界大百科事典 第2版(コトバンク所収). 2016年9月30日閲覧。
  3. ^ a b c 異安心”. 大辞林 第三版(コトバンク所収). 2016年9月30日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j 松野純孝. “異安心”. 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク所収). 2016年9月30日閲覧。
  5. ^ a b 異安心”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典(コトバンク所収). 2016年9月30日閲覧。
  6. ^ a b 龍渓章雄 (PDF). 金子大栄著「浄土の観念」の一考察. doi:10.4259/ibk.32.152. https://doi.org/10.4259/ibk.32.152 2016年9月30日閲覧。. 



異安心と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「異安心」の関連用語

異安心のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



異安心のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの異安心 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS