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甲州勝沼の戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/02/15 03:48 UTC 版)

甲州勝沼の戦い（こうしゅうかつぬまのたたかい、慶応4年3月6日（グレゴリオ暦 1868年 3月29日））は、戊辰戦争における戦闘の一つである。柏尾の戦い、勝沼・柏尾の戦い、甲州戦争、甲州柏尾戦争とも呼ばれる。板垣退助の軍勢と近藤勇の軍勢との間で行われた戦闘^[4]。

脚注

注釈

^ ^a ^b 土佐藩兵2個小隊：小笠原謙吉（迅衝隊三番隊）、谷重喜（迅衝隊四番隊）、北村重頼（迅衝隊砲兵隊）（7門）
^ ^a ^b 鳥取藩兵6個小隊：佐分利九允銃士隊、天野祐次隊、藤田束隊、宮脇縫殿隊、建部半之丞隊、山国隊（丹波の農民有志による義勇兵）、佐分利鉄次郎砲兵隊（2門）、高島藩半小隊（伍長岩本順吉郎指揮）
^ 衝鋒隊を組織して北関東、越後、仙台、箱館と転戦した古屋佐久左衛門のこと。
^ 江戸の穢多頭・弾左衛門の13代目。慶応2年の征長戦争（いわゆる「第二次長州征伐」）への協力を賞され、1月29日付けで穢多の身分を解かれ、平人に引き上げられていた。この際、名も弾内記と改めた^[15]。この弾左衛門の身分引き上げに尽力したのが元幕府御典医の松本良順で、永倉新八によれば弾内記配下の銃隊が新選組付属となったのも松本良順の斡旋によるものという^[2]。
^ 江戸出発時点での陣容については『島田魁日記』にも「近藤勇隊長、土方歳三副長同士凡百有余人ヲ以テ甲府城ニ向フ」^[16]としか書かれておらず、正確な人数は当事者の日記によっても判然としない。
^ 甲府への行軍をめぐって「あつちでも御祝ひ、此方でも御祝ひと、酒ばかり飲んで居た」とあたかも大名行列であったように書いたのもこの「柏尾の戦」が最初である。『新選組史料大全』の註解では行軍スケジュールの誤りも指摘した上で「「あつちでも御祝ひ、此方でも御祝ひ」という行軍ではなかった」と註解者による意見が付されている。
^ 日野宿の試衛館門人らで編成。参加に当り佐藤彦五郎は春日盛と改名しており、「春日隊」という隊名はそれに因む。なお「佐藤彦五郎日記」には参加者の名前も記されており、総勢は22人。またそれとは別に「司令師」として1人、「才料」として2人の名が挙げられており、それを含めると総勢は25人となる。
^ 残る4門については、甲州街道の道中で足手まといになり残置したとも、江戸出発時点で残置されたとも言われるものの、「島田魁日記」や「浪士文久報国記事」にも記載はなく、確かなことは不明。
^ 本来の役職は地理嚮導役兼大砲差図役だったが、当人が「柏尾の戦」で語ったところによると「役目は地理嚮導役兼大砲差図役と云ふのでした、だが久し振りで国へ帰るのではあり是れでは貫目が足りないと思ひましたから其後近藤に話して、軍監と云ふ名をも貰いました」。これが事実なら、軍監は今で言う「箔付け人事」だったことになる。

出典

^ ^a ^b 山形紘『新編・新撰組流山始末：幕末の下総と近藤勇一件』崙書房、2004年7月、67-68頁。
^ ^a ^b ^c ^d 杉村義太郎編『新撰組永倉新八：故杉村義衛の壮年時代』杉村義太郎、1927年7月、147-148頁。
^ 大石進『新選組：「最後の武士」の実像』中央公論社〈中公新書〉、2004年11月、193頁。
^ 『板垣退助君戊辰戦略』上田仙吉編、明治15年刊（一般社団法人板垣退助先生顕彰会再編復刻）
^ “『板垣精神』”. 一般社団法人板垣退助先生顕彰会 (2019年2月11日). 2019年9月10日閲覧。
^ ^a ^b 『無形板垣退助』平尾道雄著、高知新聞社、昭和49年(1974)7月1日
^ ^a ^b ^c 『維新土佐勤王史』瑞山会編
^ ^a ^b ^c ^d ^e 『板垣会会報資料(第1号)』特定非営利活動法人板垣会編
^ ^a ^b ^c ^d 『迅衝隊出陣展』中岡慎太郎館編、平成15年(2003)
^ ^a ^b ^c “戊辰戦争における東山道総督府総督・板垣退助”. 埼玉県立久喜図書館 (2110009) (2017年6月7日). 2017年9月17日閲覧。
^ 木村幸比古『新選組日記：永倉新八日記・島田魁日記を読む』PHP研究所（Kindle版）、2003年6月、位置No.2004/4056。
^ 勝安芳『海舟全集』 9巻、改造社、1928年11月、362-363頁。
^ 石井孝『維新の内乱』至誠堂、1968年8月、81頁。
^ 木村幸比古『新選組日記：永倉新八日記・島田魁日記を読む』PHP研究所（Kindle版）、2003年6月、位置No.2822/4056。
^ “旧幕府、長吏弾左衛門を編して平人と為す。弾左衛門、乃ち内記と改名す。”. 維新史料綱要データベース. 2023年7月20日閲覧。
^ 木村幸比古『新選組日記：永倉新八日記・島田魁日記を読む』PHP研究所（Kindle版）、2003年6月、位置No.2822/4056。
^ 菊地明、伊東成郎編『新選組史料大全』KADOKAWA、2014年9月、901-905頁。
^ 菊地明、伊東成郎編『新選組史料大全』KADOKAWA、2014年9月、445-454頁。
^ 調布市史編集委員会編『調布の近世史料上』調布市、1987年3月、71-72頁。
^ 子母澤寛『新選組始末記』中央公論社、1967年7月、208頁。
^ 調布市史編集委員会編『調布市史中巻』調布市、1992年3月、591頁。
^ 大石進『新選組：「最後の武士」の実像』中央公論社〈中公新書〉、2004年11月、194頁。
^ 大石進『新選組：「最後の武士」の実像』中央公論社〈中公新書〉、2004年11月、195頁。
^ 杉村義太郎編『新撰組永倉新八：故杉村義衛の壮年時代』杉村義太郎、1927年7月、149頁。
^ 菊地明、伊東成郎編『新選組史料大全』KADOKAWA、2014年9月、922頁。
^ 大石進『新選組：「最後の武士」の実像』中央公論社〈中公新書〉、2004年11月、196-197頁。
^ 菊地明、伊東成郎編『新選組史料大全』KADOKAWA、2014年9月、911-919頁。
^ 小美濃清明編『宮地團四郎日記：土佐藩士が見た戊辰戦争』右文書院、2014年4月。