産業組織論とは? わかりやすく解説

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産業組織論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 09:11 UTC 版)

産業組織論(さんぎょうそしきろん、: industrial organization)とは、サービスの供給主体である企業および企業のグループとしての産業を考察対象とするミクロ経済学の応用分野である。経済の中心的主体である企業を扱っていることもあり、経済学の発展と共に大きく変容を遂げている。古典的な産業組織論 (Old I.O.) の他、ゲーム理論や最近の計量経済学の手法を取り入れた新しい産業組織論 (New I.O.) があり、またNew I.O.の中には理論的分析を主とするTheoretical I.O.および実証的研究を主とするEmpirical I.O.という分野に分けることができる。


  1. ^ a b c d e 依田高典「2014年ノーベル経済学賞 ジャン・ティロール―現実へのビジョンに支えられた理論家」『経済セミナー』第682巻、日本評論社、2015年、80-83頁。 


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産業組織論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 17:01 UTC 版)

ゲーム理論」の記事における「産業組織論」の解説

戦後先進諸国独占禁止政策大きな足跡を遺した経済学は「伝統的産業組織論(英: Old Industrial Organization Theory)」と呼ばれその内部では「ハーバード学派(英: Harvard School)」と「シカゴ学派(英: Chicago School)」が互いに拮抗していた。 ハーバード学派1930年代のチェンバリン(英: E.H.Chamberlin)とメイスン(英: E.S.Mason)の先駆的研究によって誕生し60年代から60年代にかけてのベイン(英: J.S.Bain)やケイブス(英: R.E.Caves)らの研究によって体系的に完成されその後ケイセン(英: C.Kaysen)、ターナー(英: D.F.Turner)、シェラー(英: F.M.Scherer)らに受け継がれ一群経済理論政策思想集団を指す。彼らは、「SCPパラダイム」や「集中度・利潤率仮説」と呼ばれる立場から、厳格な独占禁止政策主張した。「SCPパラダイム」とは、産業組織を「市場構造」(市場競争および価格設定影響与え市場組織上の特徴)、「市場行動」(各企業市場需給条件や他の企業戦略考慮して行う行動)、「市場成果」(資源配分効率性経済権力分散化)という三要素類型化して、「市場構造(英: Structure)→市場行動(英: Conduct)→市場成果(英: Performance)」という因果関係があると考えアプローチである。また、集中度・利潤率仮説」とは、「寡占的独占的産業における企業間の共謀協調的行動」や「高い参入障壁守られ競争制限的行為のため、超過利潤発生する」という理由から、競争的市場における市場集中度と利潤率とが相関関係を持つという仮説である。 このように厳し独占規制主張したハーバード学派に対して、「シカゴ学派」とはノーベル賞経済学者スティグラー(英: G.J.Stigler)に道を切り拓かれ、デムゼッツ (英: H.Demsetz)、ブローゼン (英: Y.Brozen)、ディレクター(英: A.Director)、ポズナー(英: R.Pozner)らによって発展され一群経済理論政策思想集団を指す。その特徴は、「強固な事前均衡」と呼ばれる市場メカニズムへの強い信頼から、「価格理論レンズ」を産業組織の分析厳密に適用することである。そこで、彼らは市場の「自然淘汰」をくぐり抜けた企業こそ「適者生存」の具現であり、「ハーバード学派」が主張するような裁量的な政府介入効率性損なうので、原則的に自由市場経済が望ましいと考える。シカゴ学派は、集中度と利潤率の間の正相関一時的不均衡にすぎず、あるにしても大企業優れた効率性反映するのである反論した。 これらに対して1970年代ハーバード学派でもシカゴ学派でもない産業組織論の第三潮流である「新しい産業組織論(英: New Industrial Organization Theory)」が誕生した伝統的産業組織論完全競争モデル独占モデルの域を出ない素朴な理論的枠組み用いていたのに対して新産組織論は「ゲーム理論静かな革命」の中で完成されゲーム理論手法駆使することによって寡占市場ミクロ経済学的に分析することを可能にした。 非協力ゲーム理論取り入れた新産組織論産業分析飛躍的に発展させ、「産業経済学理論的発展黄金時代」とも称された。新産組織論主要な成果としてはコンテスタビリティ理論(英: Contestability Theory)と戦略的参入阻止価格理論(英: Strategic Limit-Pricing Theory)が挙げられる

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(古典的)産業組織論 (Old I.O.)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 22:28 UTC 版)

「産業組織論」の記事における「(古典的)産業組織論 (Old I.O.)」の解説

独占寡占などのモデル用いてSCPパラダイム基礎に、実証的研究理論的なものもあるが主に実証研究中心)を行う分野である。基礎にするモデルは、ゲーム理論契約理論などの最近の発展というよりは、クールノー競争ベルトラン競争などの古典的なものを用いることが多い。その上で実証研究により、市場特徴導き出していく。例えば、市場がどれだけ独占的であるか、弾力性はどの程度であるかなどを導き出し最適な政策はどうあるべきかを検討する

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