環境配慮型都市
最先端の環境配慮型都市とはどんな街でしょうか。
電力は温室効果ガスの排出が少ない大陽光や風力など自然エネルギーでまかなう。鉄道やバスなどの公共交通網が張り巡らされ、自動車の利用が少ない。電気自動車用の充電スタンドが各地にある。街で発生した廃棄物は再資源化し、街で再利用するので廃棄物はゼロ。汚水はきれいに浄化して河川に放流する-こんなイメージでしょうか。
いま、日本の企業と政府がタッグを組み、海外に環境配慮型都市をつくろうとしています。ゴールデンウイーク中の4月29日、経済産業省の直嶋正行大臣と東芝、日立製作所、三菱重工業などの企業関係者は一緒にインドを訪れました。日本企業の環境技術を総動員した環境配慮型都市をインドに売り込むためです。経産大臣はセールスマンの役割で、国が企業を全面的に応援しています。
この計画は「デリームンバイ・スマートコミュニティ構想」と呼ばれています。インド北部のデリー(ニューデリー)から西部のムンバイを結ぶ貨物鉄道を整備する計画があります。デリー、ムンバイともインドを代表する産業都市であることから、鉄道沿線は「デリー・ムンバイ産業大動脈」と言われています。日本で言えば首都圏から関西、九州北部の工業地帯を結ぶ「太平洋ベルト地帯」です。
インドのデリー・ムンバイ間の沿線も大規模な都市開発が予定されています。日本企業はこの都市開発への参加を目指しています。それも単に街をつくるのではなく、環境に配慮した街づくりを提案しています。これがデリームンバイ・スマートコミュニティ構想です。
それではどんな街づくり目指しているか見てみましょう。構想に参加する日本企業は4グループあります。東芝を筆頭としたグループ(NEC、東京ガス)はデリー近郊の工業地帯の街づくりを計画しています。ITを使い、ガスなどのエネルギー供給や交通、物流を最適化するインフラ整備を予定しています。
三菱重工業のグループが狙うのは大動脈の中間、グジャラート州の臨海地帯の街づくりです。天然ガスや太陽光を使った発電システム、渋滞を回避する都市交通網の整備を計画しています。このグループには三菱商事、三菱電機、Jパワー、三菱総合研究所が参加しています。
日立製作所のグループもグジャラート州で都市開発を計画しています。太陽光発電を活用したスマートグリッド(次世代電力網)の整備を予定しています。さらに排水処理などの水インフラや、資源リサイクル設備も整備します。参加するのは伊藤忠商事、京セラ、シンガポール水処理大手・ハイフラックス、北九州市、エックス都市研究所です。
ムンバイ近くの街づくりには日揮グループが参加します。第1ステップとして水処理と資源リサイクルのインフラを構築します。次に太陽光発電や蓄電池を組み合わせたスマートグリッドや周辺都市間を結ぶ交通網の整備を計画しています。参加企業は三菱商事、荏原エンジニアリングサービス、日本IBM、日建設計、横浜市です。
デリー・ムンバイ間沿線の都市開発は総投資額900億ドル(約8兆円)にものぼる巨大プロジェクトです。日本企業としては環境技術をセットで売り込むことでの受注獲得を狙っています。受注は2011年春に決まる予定です。
人口増加と都市化で電力の使用が急激に増えたり、廃棄物や汚水が大量に発生している街は世界各地にあります。こういった街では新しく電力網や汚水・廃棄物処理のインフラをつくる必要があります。つまり、インド以外でも日本企業による環境配慮型都市が生まれる可能性があります。このため、デリームンバイ・スマートコミュニティ構想の成果に注目が集まっています。
(掲載日:2010/05/17)
電力は温室効果ガスの排出が少ない大陽光や風力など自然エネルギーでまかなう。鉄道やバスなどの公共交通網が張り巡らされ、自動車の利用が少ない。電気自動車用の充電スタンドが各地にある。街で発生した廃棄物は再資源化し、街で再利用するので廃棄物はゼロ。汚水はきれいに浄化して河川に放流する-こんなイメージでしょうか。
いま、日本の企業と政府がタッグを組み、海外に環境配慮型都市をつくろうとしています。ゴールデンウイーク中の4月29日、経済産業省の直嶋正行大臣と東芝、日立製作所、三菱重工業などの企業関係者は一緒にインドを訪れました。日本企業の環境技術を総動員した環境配慮型都市をインドに売り込むためです。経産大臣はセールスマンの役割で、国が企業を全面的に応援しています。
この計画は「デリームンバイ・スマートコミュニティ構想」と呼ばれています。インド北部のデリー(ニューデリー)から西部のムンバイを結ぶ貨物鉄道を整備する計画があります。デリー、ムンバイともインドを代表する産業都市であることから、鉄道沿線は「デリー・ムンバイ産業大動脈」と言われています。日本で言えば首都圏から関西、九州北部の工業地帯を結ぶ「太平洋ベルト地帯」です。
インドのデリー・ムンバイ間の沿線も大規模な都市開発が予定されています。日本企業はこの都市開発への参加を目指しています。それも単に街をつくるのではなく、環境に配慮した街づくりを提案しています。これがデリームンバイ・スマートコミュニティ構想です。
それではどんな街づくり目指しているか見てみましょう。構想に参加する日本企業は4グループあります。東芝を筆頭としたグループ(NEC、東京ガス)はデリー近郊の工業地帯の街づくりを計画しています。ITを使い、ガスなどのエネルギー供給や交通、物流を最適化するインフラ整備を予定しています。
三菱重工業のグループが狙うのは大動脈の中間、グジャラート州の臨海地帯の街づくりです。天然ガスや太陽光を使った発電システム、渋滞を回避する都市交通網の整備を計画しています。このグループには三菱商事、三菱電機、Jパワー、三菱総合研究所が参加しています。
日立製作所のグループもグジャラート州で都市開発を計画しています。太陽光発電を活用したスマートグリッド(次世代電力網)の整備を予定しています。さらに排水処理などの水インフラや、資源リサイクル設備も整備します。参加するのは伊藤忠商事、京セラ、シンガポール水処理大手・ハイフラックス、北九州市、エックス都市研究所です。
ムンバイ近くの街づくりには日揮グループが参加します。第1ステップとして水処理と資源リサイクルのインフラを構築します。次に太陽光発電や蓄電池を組み合わせたスマートグリッドや周辺都市間を結ぶ交通網の整備を計画しています。参加企業は三菱商事、荏原エンジニアリングサービス、日本IBM、日建設計、横浜市です。
デリー・ムンバイ間沿線の都市開発は総投資額900億ドル(約8兆円)にものぼる巨大プロジェクトです。日本企業としては環境技術をセットで売り込むことでの受注獲得を狙っています。受注は2011年春に決まる予定です。
人口増加と都市化で電力の使用が急激に増えたり、廃棄物や汚水が大量に発生している街は世界各地にあります。こういった街では新しく電力網や汚水・廃棄物処理のインフラをつくる必要があります。つまり、インド以外でも日本企業による環境配慮型都市が生まれる可能性があります。このため、デリームンバイ・スマートコミュニティ構想の成果に注目が集まっています。
(掲載日:2010/05/17)
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