片切彫

デジタル大辞泉

かたきり‐ぼり【片切（り）彫（り）】

読み方：かたきりぼり

彫金技法の一。片切り鏨(たがね)で片方を斜めに彫って線を描くもの。江戸時代の横谷宗珉(よこやそうみん)の創意によると伝えられる。

刀剣用語解説集

片切彫（かたきりぼり）

線のみで描き出す日本画の墨絵に似て、金工作品における表現の簡素化と迫力ある画面構成を求めた線刻の一種。片切鏨を用いて広狭に彫幅を変えて彫り、それによって生み出される力感は金工の優れた技量によるもので、一般に色絵を施さないところからごまかしのきかない技法と言われている。図柄の内側に鏨の刃を向けて彫るものを内片切彫、逆に外に刃を向けて施彫したものを外片切彫として区別する。また図柄の他に銘文などの陰刻もこの方法による。宗・宗與・夏雄・長常などが著名である。