煙道ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/30 21:53 UTC 版)
煙道ガス (えんどうガス)は、煙道により大気中へ排出するガスで、煙道はパイプやチャンネルからなり、暖炉、オーブン、火炉やボイラ や スチームジェネレーターからガスを排出するものである。煙道ガスは発電所で発生する燃焼ガスとして使われることが多い。何を燃焼したかにより排ガス組成は変わるが、通常燃焼空気からの窒素 (2/3以上を占める)、二酸化炭素、 水蒸気と燃焼後の余剰の酸素 からなる。更に、粒子状物質 (すす等)、 一酸化窒素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の汚染物質が少量含まれている。[1]
洗浄
発電所において排ガスは、化学プロセスおよび洗浄塔で汚染物質を除去することが多い。電気集じん器や バグフィルターにより粒子状物質を除去し、排煙脱硫装置により硫黄酸化物 を除去する。これらの物質は化石燃料、特に石炭を燃焼する際発生する。窒素酸化物は燃焼プロセスの改良にって生成を抑制したり、アンモニア や 尿素との高温のもしくは触媒反応により処理する。いずれの場合も、窒素酸化物から窒素ガスを生成する。アメリカにおいては排ガスより水銀を除去する技術が急速に開発を進めてられている。吸収液中への吸着もしくは排煙脱硫装置における生成物中の不活性固形物の一部として除去される。このような洗浄による除去においては、硫黄がさらなる利用のため回収される。[2]
アミン再生回収による 二酸化炭素 の排ガスからの除去技術が開発され、食品工業向けの高純度のCO2 ガスや 石油増進回収に使用されている。温室効果ガス削減を行うためにCO2を回収し長期貯蔵する技術は、現在研究中である。商業的に限られてはいるが実施され初めている。(例 北海のスレプニエルガス田 炭素回収貯蔵プロジェクト,1996年商用開始).[3]
発電所からの汚染物質を除去するために、実用化された技術がいくつかある。更に大気汚染物質を除去する多くの技術が開発中である。[4]
関連項目
参考
- ^ Fossil fuel combustion flue gases Milton R. Beychok, Encyclopedia of Earth, 2012.
- ^ Sulfur C. Michael Hogan, Encyclopedia of Earth, 2011.
- ^ Sleipner West
- ^ Conventional coal-fired power plant Scroll down to the section entitled "Control of air pollutant emissions".
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