無痛性甲状腺炎
無痛性甲状腺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:47 UTC 版)
無痛性甲状腺炎は亜急性甲状腺炎と同様に甲状腺濾胞が一過性に破壊されるために生じる甲状腺中毒症である。自己免疫の機序によるものであり基礎に橋本病があると考えられている。この病態は産後婦人の20人から30人に1人の割合で頻発し、出産後甲状腺炎(postpartum thyroiditis)とも言われる。その他の誘引としてはステロイドの変動、GnRHアナログ、インターフェロン治療(IFNα)、IL-2、感染症、下垂体疾患も誘引として知られている。バセドウ病との鑑別が重要である。治療は原則として行わない。 無痛性甲状腺炎(中毒症期)バセドウ病発症年齢 思春期から高齢まで 思春期から高齢まで 性差(男:女) 1:8 - 10 1:3 - 5 出産との関係 誘発されやすい(分娩後1 - 4ヶ月頃) 誘発されやすい(分娩後3 - 7ヶ月頃) 亢進症症状の期間 1 - 3ヶ月と短い 短期から長期まで 甲状腺腫の大きさ 多くは小さめ 小から巨大まで 甲状腺腫の硬さ 軟 - 硬まで様々 軟 - 硬まで様々 甲状腺腫の聴診 所見なし 時に血管雑音 バセドウ病眼症 原則としてなし しばしば存在 FT4 高値(軽度が多い) 高値(軽度 - 著高) FT3 高値(軽度が多い) 高値(軽度 - 著高) TSH 測定感度以下 測定感度以下 抗TPO抗体、抗Tg抗体 約80%で陽性 約80%で陽性 抗TSH受容体抗体 数%の患者で弱陽性 98%の患者で陽性 超音波 乏血流 血流豊富など 123I摂取率 著しく低値 高値
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