濡れ性
【英】: wettability
同義語: ウェッタビリティ
固体表面とそれに接する流体の間の界面現象を表現する用語。 図に見られるように、二種の流体 A 、B が固体表面に接触している場合、両流体の界面は固体表面とある角度θ(接触角)をもつ。θ<90°のときは流体 B が A よりも固体表面に優先的に付着、すなわちぬれ性が強い状態で、θ>90°のときは逆に A の方がぬれ性が強い状態である。油・ガス層の貯留岩表面は多くの場合、水、油、ガスの順にぬれ性が良く、親水性であるといえるが、炭酸塩岩のなかには水より油のぬれ性が強い、すなわち親油性のものも存在する。ぬれ性は相対浸透率に影響を与える要因の一つであるため、炭酸塩岩油層の場合、コア試験の測定項目にぬれ性を加えることもある。 |
ウェッタビリティ
濡れ
(濡れ性 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 01:17 UTC 版)
ぬれ(英語: wetting)は、固体表面に接触している気体が液体に置き換えられる現象である[1]。産業上は接合・接着(ろう接など)や防水加工に利用されるため、ぬれ現象の解明、制御の方法などが研究されている。
- ^ ただし接触角のヒステリシスと転落角は必ずしも相関しない。物理的挙動につながるのは各接触角の余弦の差であり、接触角のヒステリシスは直接的につながるものではない。しかし余弦は接触角90°を境にして符合が変わってしまうため、転落のしやすさを直感的に把握するため、接触角のヒステリシスが便宜的に用いられる。
- ^ 物理学辞典編集委員会『物理学辞典』(三訂)培風館、2005年9月30日、1687頁。ISBN 4-563-02094-X、ISBN-13:978-4-563-02094-1。
- ^ 谷村康行『「非破壊検査」基礎のきそ』(初)日刊工業新聞社〈Mechatronics series〉、2011年4月26日、32頁。ISBN 978-4-526-06675-7。
- ^ 『物理学辞典』(三訂版)、1190頁。
- ^ 『基礎のきそ』、32-33頁。
- ^ 田中一義; 田中庸裕『物理化学』丸善、2010年、451頁。ISBN 978-4-621-08302-4。
- ^ 諸貫信行『微細構造から考える表面機能』工業調査会、2010年、78頁。ISBN 978-4-7693-1292-5。
- ^ a b 中島章『固体表面の濡れ制御』内田老鶴圃、2007年、70-74, 86頁。ISBN 978-4-7536-5631-8。
- ^ 中江秀雄『濡れ、その基礎とものづくりへの応用』産業図書株式会社、2011年7月25日、21頁。ISBN 978-4-7828-4100-6。
- ^ a b 中島章『固体表面の濡れ性』共立出版、2014年、18-22頁。ISBN 978-4-320-04417-3。
- ^ 井本稔『表面張力の理解のために』高分子刊行会、1992年、79頁。ISBN 4-7702-0056-0。
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