準備書面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/09 03:40 UTC 版)
準備書面(じゅんびしょめん)とは、日本の民事訴訟において、口頭弁論での主張の準備のために、自らの攻撃防御方法(自らの申立てを基礎づける主張)並びに相手方の請求及び攻撃防御方法に対する陳述(答弁、認否、反論等)を記載した書面である(民事訴訟法161条)。
注釈
- ^ このように、「準備書面」という用語法はあくまで民事訴訟事件に限られるものである。民事保全、調停などの非訟事件でも当事者の主張を記載した書面が「準備書面」と題されて提出されることがあるが、口頭弁論が予定されていないこれらの手続においては準備すべき口頭弁論が存在しないので、厳密には誤りである(単に「主張書面」と呼ばれる。)。ただし、実務的には裁判所は書面の内容によって取り扱いを決めるので、書面の標題を誤っても実害はないことが多い。
- ^ 「直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当事者は裁判所に対して、相手方への送達または送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる(規則47条4項)。」(竹下 & 上原 2011, p. 964)
- ^ 「準備書面の直送を義務づけるのは、訴訟の早期進行を求める当事者の利益と裁判所の手続簡素化との双方を達成する方法として適当であるが、準備書面を受取った相手方に受領書面の提出を義務づけるという規則の規定は、これを守る当事者に何の利益もなく、これを守らない当事者がかえって有利な立場に立つという規定であり、…訴訟手続きの義務付け規定の基本原則からはみ出しためずらしい規定である。この規定に基づく運用は弁護士仲間ではほぼ定着してきているが、繁雑なことは否めない。また、当事者の一方または双方が本人である場合には運用に困難をきたす。」(園尾 2007, p. 105)
- ^ 稀にあえて準備書面の朗読を行う当事者や代理人もいるが、その手法が裁判官の心証形成にいかなる影響を与えるかについては研究されていない。
出典
- ^ 石原, 石原 & 平井 2015, p. 81
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