渡辺誠一郎とは? わかりやすく解説

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渡辺誠一郎

渡辺誠一郎の俳句

あわれとは水飲みにくる菊人形
みちのくの春日の痩せて鹹
フクシマの黒旗となりぬ黒牛は
一本の松は幣秋の海
一片の雪消えなんと光なす
万物は低きに生きて七日粥
万緑の奥なり帰還困難区
亡き友が泣くところまで行く春岬
何処へと向かう旅塵や翁の忌
冬に入るいつも正面は衰えて
冬帝の眼窩でありぬみちのくは
千年の沖行く闇の鯨かな
厳冬に生まれて軽き赤子かな
友の死をゆさぶるごとく海胆すする
地の底に行方不明の桜咲く
地球にも拍動のあり犬ふぐり
夏草に沈みて地祗の眠りかな
夏草の被曝に病める父郷あり
夕べには水を立たせる花あやめ
大寒の光塵として糞まりぬ
天麩羅の崩れるごとき大夕焼
奥州一之宮津波の後の水すまし
山眠るそっと裾野に手を入れて
川ばかりみて眉間から夏痩す
影の数人より多し敗戦忌
慟哭の一幹として裸木は
手を振れば千の手が振る桜の夜
断崖に立つごと冬の縁側に
日本の冬木を鴨居として掲ぐ
早池峰の霊気に点る一位の実
春の丘姉は小さな光食べ
東京に子猫のような余震来る
歯石取る予約を忘れ太宰の忌
死んでなお人に影ある薄暑なり
母の日の舌にしほがまくずれたり
泣くために海をみており野萱草
海へ向く細脛ばかり半夏生
海よりも淋しき水着みておりぬ
海をまた忘れるために葱刻む
涼風は馬の睫毛にはじまりぬ
淑気とは紙一枚の立つごとし
滴りは深みに迅き出羽の国
漂泊は鶴の骸を見るためか
父の日の父の仕方で米を研ぐ
生きるとは帰らざること秋の風
盗汗かくメルトダウンの地続きに
祈りとは白き日傘をたたむこと
葦原の風の縺れに百鬼来る
薄氷のたちまち老いのはじまれり
阿弖流為の鼻梁を擦りぬ青山背
 

渡辺誠一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/24 03:04 UTC 版)

渡辺 誠一郎(わたなべ せいいちろう、1950年12月13日 - )は、宮城県塩竈市出身の俳人。1987年、佐藤鬼房に師事。1990年、鬼房主宰の「小熊座」同人。1996年、第1回小熊座賞受賞。1998年、句集『余白の轍』で第3回中新田俳句大賞スウエーデン賞受賞。2005年、宮城県芸術選奨受賞。2014年、句集『地祇』で第14回俳句四季大賞、2015年、同句集で第70回現代俳句協会賞受賞[1]。『地祇』は580句あまりからなる第三句集で、うち100句以上は東日本大震災を詠んだものである[2]。「小熊座」編集長。現代俳句協会日本文藝家協会会員。




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