浸透圧調節
浸透圧調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/07 22:32 UTC 版)
浸透圧調節(しんとうあつちょうせつ、osmoregulation)とは、生物の体液の浸透圧の能動的な調節のことであり、生物の水分量の恒常性を維持するために行われる調節である。浸透圧は、水がある溶液から他の溶液へ浸透によって移動しようとする傾向の尺度であり、溶液間の浸透圧差が大きくなればなるほど、より多くの水が周囲からその溶液中へ移動しようとする。浸透圧調節によって、体液のバランスや電解質(溶液中の塩)の濃度が保たれ、体液が希釈されすぎたり濃縮されすぎたりすることが防がれている。
- ^ Wood, Janet M. (2011). “Bacterial Osmoregulation: A Paradigm for the Study of Cellular Homeostasis”. Annual Review of Microbiology 65 (1): 215–238. doi:10.1146/annurev-micro-090110-102815. ISSN 0066-4227. PMID 21663439.
- ^ Cai, SJ; Inouye, M (5 July 2002). “EnvZ-OmpR interaction and osmoregulation in Escherichia coli.”. The Journal of Biological Chemistry 277 (27): 24155–61. doi:10.1074/jbc.m110715200. PMID 11973328.
- 1 浸透圧調節とは
- 2 浸透圧調節の概要
- 3 原生生物における浸透圧調節
- 4 関連文献
浸透圧調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 07:56 UTC 版)
軟骨魚類は浸透圧調節のため、体内に尿素やトリメチルアミンオキサイドを蓄積している。これにより体内の浸透圧は、海水とほぼ等しくなっている。硬骨魚類やその他の脊椎動物の体内の浸透圧は海水の3分の1前後であり、それよりもかなり高い値になっている。 尿素は体内に多量に保持しておくとタンパク質の構造を変性させ、その働きを阻害するので、一般に生物にとってよくない物質である。しかしトリメチルアミンオキサイドと共存することでその効果が弱められ、尿素とトリメチルアミンオキサイドの存在比が2:1になるのが望ましいとされている。 死後時間が経過したサメやエイの体からは、強烈なアンモニア臭がする。これは空気中にいる、尿素をアンモニアに分解する微生物の働きによるものである。 海産種では体内の過剰な塩類を排泄するため、直腸腺という器官を直腸の近くに備えている。直腸腺を構成する細胞は、多くの魚類の鰓に存在する塩類細胞と形態的に類似している。
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