かい‐りゅう〔‐リウ〕【海流】
かいりゅう〔カイリウ〕【海流】
海流
海流
海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:00 UTC 版)
大西洋の表層に存在する主な海流は、北から、東グリーンランド海流(北部、寒流)、北大西洋海流(北部、暖流)、ラブラドル海流(北西部、寒流)、メキシコ湾流(西部、暖流)、カナリア海流(東部、寒流)、アンティル海流(西部、暖流)、北赤道海流(東部、暖流)、赤道を超えて、南赤道海流(西部、暖流)、ベンゲラ海流(東部、寒流)、ブラジル海流(西部、暖流)、フォークランド海流(南部、寒流)である。このうち、北大西洋においてはメキシコ湾から北アメリカ大陸東岸を通って西ヨーロッパへと流れるメキシコ湾流の西部、そこからアフリカ大陸西岸を南下するカナリア海流、アフリカ西岸から赤道の北を西へ流れカリブ海やメキシコ湾にまで流れる北赤道海流は、北大西洋亜熱帯循環と呼ばれる時計回りの環流をなしている。同じく南大西洋においても、アフリカ西岸からブラジル北東部にまで東に流れる南赤道海流、南アメリカ大陸東岸を南流するブラジル海流、南アメリカ大陸南部から南極環流の北縁を東に流れる南大西洋海流、そしてアフリカ大陸南端から北上するベンゲラ海流は、南大西洋亜熱帯循環と呼ばれる反時計回りの環流をなしており、大西洋には南北二つの環流が存在していることとなる。 大西洋の海流の中で最も強く流量があり、また重要な役割を果たしているのはメキシコ湾流である。メキシコ湾流は北アメリカ大陸東岸から西ヨーロッパ沿岸を通り北海から北極海方面へと抜けるが、この海流がもたらす熱量は膨大なものであり、この海流の影響によってイギリスやヨーロッパ大陸西岸は緯度に比べて温暖な気候となっている。この地域の、夏季はそれほど気温が上がらないものの冬季も気温がさほど下がらず温暖な気候は西岸海洋性気候としてケッペンの気候区分のひとつとされている。逆にメキシコ湾流はアフリカ北岸で南流して寒流となるカナリア海流は寒流であるため付近で上昇気流を発生させないため、沿岸はサハラ砂漠の一部となっている。また、ベンゲラ海流も同様であり、沿岸のナミビアの海岸は典型的な西岸砂漠となり、ナミブ砂漠を形成している。 また、現在の地球の海には地球全体を巡る海水大循環があるが、この大循環の起点は北大西洋にある。北大西洋の極海で冷やされた海水は北大西洋深層水として沈み込み、大西洋深層流として南下し、太平洋やインド洋で暖められて表層水となり、インド洋から流入して北上して戻ってくる。これらの海流(循環)は、地球全体の気候に影響を与えるくらいに、多くの熱を輸送している。 ところで、北大西洋の中央部にあるサルガッソ海には、目立った海流が無い。これは、南赤道海流・メキシコ湾流・北大西洋海流・カナリア海流によって構成される大循環の中心に位置し、これらの循環から取り残された位置に、このサルガッソ海が存在するからである。また、ちょうどこの場所は亜熱帯の無風帯に属するため風もほとんど吹かない。このため上記4海流から吹き寄せられた海藻類(いわゆる流れ藻)が多く、風がない上に海藻が船に絡みつくことから、航海に帆船を使用していた時代には難所として知られていた。なお、このサルガッソ海付近は、大西洋の中でも海水面が少し高くなっている場所であることでも知られている。
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海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/21 19:40 UTC 版)
暖流の北大西洋海流(およびその続流であるノルウェー海流)が海域の南西から北東方向へ流入しているため、高緯度地帯に位置しているにもかかわらず、冬季でも流氷などは無い。
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海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 01:34 UTC 版)
大気だけでなく、海流の運動もコリオリの力の影響を受けている(エクマン輸送)。
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海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 22:45 UTC 版)
太平洋の海水の動きは一般的に、北半球では時計回り、南半球では反時計回りの環流である。北赤道海流は、北緯15度付近では貿易風により西に流れ、フィリピン沖で向きを北に変え黒潮になる。その後北緯45度付近で東に向きを変え、黒潮と一部の海水は北へ向かいアリューシャン海流になる。そうでない海水は南へ向かい、北赤道海流に戻る。アリューシャン海流は北米に近づくと、一部はベーリング海を反時計回りに回る基礎となる。南側の部分は南へ向かう遅い寒流、カリフォルニア海流になる.。 赤道に沿って西に流れる南赤道海流は、ニューギニアの東で南へ、南緯50度付近で東へと向きを変え、南極海を西から東へ流れ地球を一周する南極環流に合流する。チリの海岸に近づくと、南赤道海流は2つに分かれる。片方はホーン岬をまわり、片方は北へ向かうフンボルト海流になる。
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海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 11:50 UTC 版)
オホーツク海表層には反時計回りに流れる海流があり(オホーツク環流)、カムチャツカ半島から千島列島北部の海峡を通って、カムチャツカ海流(広義の親潮)の一部が流入する。これらの一部が千島列島の海峡から流出し、千島列島の太平洋側を南下する東カムチャツカ海流と交じり合って道東沖から三陸沖に分布する狭義の親潮水を形成している。日本海とは、間宮海峡にアムール川河口が存在するために海水の交換はほとんど起こらないが、宗谷海峡から対馬暖流の続流である宗谷暖流が流入し、北海道沿岸を流れている。樺太の東部には東樺太海流が流れている。
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海流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 09:19 UTC 版)
南極海では南極周極流(南極環流)と呼ばれる大きな海流が流れており、南極海とはこの海流によって結ばれた海域を指すと言ってよい。南極周極流は寒流であり、上空の偏西風帯の影響を受けるために西から東へと流れる。流速は速くはないが、横幅も上下幅も広いため、流量は莫大なものになる。一方で、南極大陸沿岸には東から西へと風の吹く緯度帯があるため、海流もそれにつれて東から西へと流れる。これは東風皮流と呼ばれ、南極周回流とは逆方向に流れるため、この2つの海流の接点には潮目ができ、ここに深層から温かい水が上昇してくる。この水は栄養に富み、多くの植物プランクトンを繁殖させる。 南極海の水は、冷たい表層水、暖かい深層水、非常に冷たい底層水の3つに大きく分かれる。表層の水は海氷や空気によって冷やされ、マイナスの温度となっている。一方、深層の水はプラスの温度であり、暖かい。この2つの水とは別に、南極大陸の沿岸やロス棚氷、ウェッデル海などでは海水が氷によって激しく冷やされ、大陸のふちに沿って海底にまで沈んでゆく。とくにウェッデル海においてこのプロセスは最も盛んである。これは南極底層水とよばれ、グリーンランド沖で作られる北大西洋深層水とともに深海に沈み込む水塊として、熱塩循環(海洋大循環)の重要な要素となっている。南極海においては、あと二つ重要な水塊が存在する。周極深層水は北大西洋深層水を起源とする暖かく高塩分な水塊であり、大陸棚に流入することで南極氷床が融解させる原因となっている。このほか、さらに北側において形成される南極中層水がある。この水塊は上記の2つの水塊よりさらに温かいため、深層まで流れ下らずに中層でとどまり、そこで広がる。南極底層水と南極中層水は、大西洋・インド洋・太平洋の三大洋すべてに流入する。 南極周極流のさらに南側には、ウェッデル循環 (Weddell Gyre)とロス循環(Ross Gyre)の2つの亜寒帯循環(環流)が存在する。いずれもウェッデル海とロス海の周辺のみを、時計回りに回る環流である。他の南極海沿岸域では、南極環流が大陸に接近しており、沖合の暖水が大陸棚に流入しやすい状況になっている。
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「海流」の例文・使い方・用例・文例
- カタマランは、安定性が高いのでこの辺りの海流にもってこいだ。
- 日本近海の海流
- 海流に変化が起きたのだろうか。
- 海流瓶
- 海流
- 大西洋海流
- スウェーデンの海洋学者で、海流へのコリオリ効果の役割を認識した(1874年−1954年)
- 赤道で西方に流れる海流
- 赤道のすぐ北の太平洋を西に向かって流れる赤道海流
- 赤道のちょうど南の太平洋を西に向かって超えて流れる赤道海流
- 海流図という海図
- 海流板という,海流観測のための浮標
- 海流の状態を推定する為に漂流させる瓶
- 高緯度の海域に源を発する寒冷な海流
- 赤道海流が南北に二分し東に流れる海流
- 極流という海流
- 赤道反流という赤道に沿って南北赤道海流の間を逆方向に流れる海流
- 暖流という高温の海流
- 南極大陸の周囲を流れる海流
- 黒潮という海流
海流と同じ種類の言葉
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