泉貨紙/とは? わかりやすく解説

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せんか‐し〔センクワ‐〕【仙貨紙/仙花紙/泉貨紙】

読み方:せんかし

(こうぞ)を原料にして漉(す)いた厚手の強い和紙包み紙カッパなどに用いた天正年間(1573〜1592)伊予の人、兵頭仙貨(ひょうどうせんか)が作り出したという。

くず紙漉き返し作った粗悪な洋紙第二次大戦後の物資欠乏時代作られた。


泉貨紙

読み方:センカシ(senkashi)

愛媛県東宇和郡野村町伝承されている、二枚生紙合わせた厚手強靱楮紙


泉貨紙

名称: 泉貨紙
ふりがな せんかし
芸能工芸区分 工芸技術
種別 手漉和紙(てすきわし)
選択年月日 1980.04.04(昭和55.04.04)
選択要件
備考
解説文:  泉貨紙は、戦国時代南予の宇和地方支配した西園寺公広仕え数々功績のあった兵頭太郎右衛門が、西園寺公広死後入道して泉貨号し産業奨励従事する中で、【こうぞ】の厚紙発明したことに始まると伝えられる
 十七世紀後半になると、宇和島の泉貨紙(仙花・仙過等と記す。)は、大阪などに大量に進出するようになったが、有名になるとともに吉野など他産地でも類似のものが漉かれるようになった宇和島藩紙漉き所管する役所設置し主要な々に支局配して奨励を図るとともに統制強化したその結果、泉貨紙をはじめ各種各様の紙を漉き出すようになり、量産ばかりでなく、技術的に発展した
 泉貨紙は、原料地元用いた楮紙であり、その製法特色は、細かい竹簀【ず】と粗い【かや】簀(しの簀)の二枚の簀を用いて交互に漉き一枚合わせるもので、この結果、細かい簀には微細な繊維がのって薄紙となり、粗い簀には長い繊維そろって厚紙となり、この両者補いあって一枚になると、漉き終わり繊維立った面どうしが接するため、密着して容易に剥がれない強靱な紙になる。なお、近年一つ向こう側に細かい竹ひご編んだ簀を置き、手前には粗い竹ひご編んだ簀を置き、同時に紙を漉きその後直ち向こう側の簀を手前の簀の上折り重ねて一枚合わせる方法が行われる。
 江戸時代用途は、保存要する帳簿経紙であったが、現在は出版用紙写真貼り等の台帳)や柿渋や漆を塗る紙貼りの籠の材料となる。
 泉貨紙の紙漉きは、終戦時で約三〇であったが、昭和四十年頃には四戸減少し、更に同四十三年にはついに菊地重氏一戸となったその後菊地氏は困難な状況の中で伝統的な泉貨紙の保存尽力している。
工芸技術のほかの用語一覧
手漉和紙(てすきわし):  土佐典具帖紙  小国紙  手漉和紙用具製作  泉貨紙  清帳紙  程村紙  西の内紙

泉貨紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/18 06:20 UTC 版)

泉貨紙(せんかし)とは、(こうぞ)を原料として作られる、特殊な和紙である。原料は全て天然素材であることと、二枚の紙を一枚にする製法が特徴であり、至って丈夫な紙ができる。現在日本では、三ヶ所でのみ製造されており、呼び名も同じ「せんかし」でも、用いる漢字が異なる場合があるが、現在のところは野村の本場を指す場合を泉貨紙とされている。


  1. ^ 泉貨紙 せんかし”. 2016年1月31日閲覧。


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