求菩提山とは? わかりやすく解説

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くぼて‐さん【求菩提山】

読み方:くぼてさん

福岡県東部豊前(ぶぜん)市と築上(ちくじょう)郡築上町の境にある山。標高782メートル古くから山岳信仰の山として知られ山伏修験(しゅげん)道場として栄えた多く遺跡残っており、山頂には国玉(くにたま)神社がある。国の史跡指定され、耶馬日英彦山(やばひたひこさん)国定公園属する。山名の由来仏典中のことば「菩提(ぼだい)を求める」から。五窟(ごくつ)岳。


求菩提山

名称: 求菩提山
ふりがな くぼてさん
種別 史跡
種別2:
都道府県 福岡県
市区町村 豊前市大字求菩提大字篠瀬大字鳥井畑大字岩屋大字山内築上郡築上町
管理団体
指定年月日 2001.08.13(平成13.08.13)
指定基準 史3
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 求菩提山は,福岡県東部瀬戸内海周防灘面し大分県県境接す豊前市所在する標高782mの山であり,平安時代後期以降全国的に展開した修験道の山のひとつである。
 求菩提山の歴史は,『求菩提山縁起』によると,猛覚魔卜仙が継体天皇20年(526)開山したとし,養老4年720)には僧行善が求菩提山護国寺開いたとされているが,遺物等から確認できるのは,平安時代後期の僧頼厳の時からである。頼厳とその弟子勧進し康治元年(1142)の紀年銘のある国宝銅板法華経」と「銅筥」は,当時の求菩提山の活動様子を知る上で貴重である。この時期に堂社の修復多宝塔建立が行なわれたとされるまた,この時期には盛んに埋経が行われ,経塚発掘調査結果保延6年(1140)銘を含め17口に及ぶ陶製経筒出土しており,「豊前求菩提山経塚出土品」として重要文化財指定されている。求菩提山は,中世以降修験道の山として組織確立していったが,15世紀末には天台宗修験統括し聖護院の末となり,中央の修験道本山派修験組織組み込まれていった一時一山500坊といわれた求菩提山であるが,中世末の戦乱期を境に減少し江戸期には一時復興したが,明治元年神仏分離・廃仏毀釈により,寺を廃し国玉神社として出発した
 主な遺跡としては,山の八合目には山門講堂山王社常行堂・浮殿などが所在する護国寺があったとされ,現在は国玉神社中宮建物がある。また,山頂には磐座物語巨石群があり,この周辺発掘調査により多く経塚確認されている。また,修験道遺跡の特徴である修行のための窟が、山内には多数所在し求菩提五窟といわれる大日窟(金剛窟)・普賢窟(胎蔵窟)・多聞窟・吉祥窟・阿弥陀窟や不動窟・弁財天窟・岩洞窟などが確認されている。普賢窟からは,銅板法華経大永年間152128)に出土するなど,窟は求菩提山の修験道を語る上で重要なのである
 山内には,坊中呼ばれる修験者集落が,上谷杉谷南谷西谷中谷北谷下谷の7ケ所あり,山の斜面階段状に切り開き石組み構築しているが,現在は一坊を残すだけである。また,参道東西走っており,山麓入り口大鳥居があった。
 なお,山の北東位置する場所には,銅板法華経執筆僧の一人である厳尊も住していたことが知られ,求菩提山の写経所役割担ったとされる常在如法寺置かれた。
 平安時代後期以降全国展開した修験道遺跡として求菩提山は,山内豊富な遺跡抱え出土遺物文字資料からも当時活動伺い知ることが出来,かつ遺構良好に保存されており,修験道遺跡として貴重であり,窟群や如法寺とともに史跡指定し保護しようとするものである

求菩提山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 02:42 UTC 版)

求菩提山(くぼてさん)は、福岡県豊前市求菩提と築上郡築上町寒田の境界に位置する筑紫山地に属する標高782メートルのである。麓の豊前市のシンボル的な山であり、かつては英彦山犬ヶ岳と共に修験道の山だった。




  1. ^ 由谷裕哉時枝務(編著}『郷土史と近代日本』 角川学芸出版 2010年 ISBN 978-4-04-653602-0 pp.194-213.
  2. ^ "求菩提山" - 文化庁 国指定文化財等データベース 2021年3月13日閲覧。
  3. ^ “文化審答申:国の重要文化的景観に「求菩提の農村風景」 狭い谷間の農耕を継承--県内初選定/福岡”. 毎日新聞(朝刊) (毎日新聞社): p. 21(地方版/福岡). (2012年6月16日) 


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