残留応力とは? わかりやすく解説

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ざんりゅう‐おうりょく〔ザンリウ‐〕【残留応力】

読み方:ざんりゅうおうりょく

引っ張り圧縮曲げ熱処理などの外力に対して物体内部生じ外力除いたあとにも保留され応力材料強化などに利用される


残留応力

英語 residual stress

おもに金属部品材料中に残った応力のこと。力が加わっていない自然状態においても応力が残ることがあるが、これは鋳造鍛造時において均一性を失うために発生する応力である。これにより、部品破壊変形助長される。例えシリンダーヘッド場合鋳造時の凝固には部位により時間差生じるため、引きつられたり圧縮されたりする部分生じ、これが残留応力の発生原因となる。そこで、昇温冷却繰り返して残留応力を減少させる同様に加工によっても残留応力が発生する

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

残留応力

residual stress
外力又は熱こう配がない状態で、金属内部残っている応力
備考熱処理のときに、材料内外部で、冷却速度の差による熱応力又は変態応力生じ、これらが組み合わされて、内部応力残留するまた、冷間加工溶接鋳造などによっても残留応力を生じる。

残留応力

溶接に伴う熱によって、溶接部溶接部周辺に残る(応力ストレスのこと。
溶着金属は、温度が下がることにより固体化しますが、その際収縮により溶接部 周辺金属引っ張ってしまいます構造強固にすることにより歪み(ひずみ)が 生じるのを防ぐことが出来ますが、材料許容応力越えた場合溶接部割れ生じてしまいます

材料局部的に高温加熱する溶接においては歪みや残留応力の発生を完全に 防ぐことは不可能ですから、極力溶接電流低くするなど熱の発生をなるべく 少なくし、ストレス発生少なく抑える工夫が必要です。

溶接後、溶接部品を熱処理焼鈍)することによっても残留応力の除去は可能です。

残留応力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/02 10:19 UTC 版)

残留応力 (ざんりゅうおうりょく、residual stress)とは、 外力を除去した後でも物体内に存在する応力のことである[1]フックの法則により残留応力に対応するひずみを、残留ひずみ(ざんりゅうひずみ、residual strain)と呼ぶ。残留応力の分布は様々だが、物体の平衡状態を満足するため、物体全体では正負の残留応力が釣り合っている[1]


  1. ^ a b 機械工学辞典 p.486
  2. ^ 材料強度 p.49
  3. ^ 小林哲雄. “「ゴリラガラス」スマホを包む化学強化ガラスの秘密”. ASCII.jp. 2014年6月8日閲覧。
  4. ^ 機械工学辞典 p.604
  5. ^ 材料強度 p.68-69
  6. ^ 材料強度 p.103
  7. ^ 強化ガラスとは”. 日本板硝子. 2014年6月8日閲覧。
  8. ^ ガラスの種類辞典:化学強化ガラス”. オーダーガラス板.COM. 2014年6月8日閲覧。
  9. ^ Q-01-04-15 溶接残留応力はどのようにして測れるのですか。”. 日本溶接協会/溶接情報センター. 2014年6月8日閲覧。
  10. ^ Khan, Z. et al. (2005). “Ceramic rolling elements with ring crack defects?A residual stress approach”. Materials Science and Engineering: A 404: 221. doi:10.1016/j.msea.2005.05.087. 
  11. ^ Khan, Z. et al. (2006). “Residual stress variations during rolling contact fatigue of refrigerant lubricated silicon nitride bearing elements”. Ceramics International 32: 751. doi:10.1016/j.ceramint.2005.05.012. 
  12. ^ Khan, Z. et al. (2007). “Manufacturing induced residual stress influence on the rolling contact fatigue life performance of lubricated silicon nitride bearing materials”. Materials & Design 28: 2688. doi:10.1016/j.matdes.2006.10.003. 
  13. ^ Andrew Cullison. “Stress Relief Basics”. American Welding Society. 2014年6月8日閲覧。
  14. ^ 機械工学辞典 p.151
  15. ^ a b 大和久重雄『熱処理技術マニュアル』(増補改訂版)日本規格協会、2008年5月30日、40-41頁。ISBN 978-4-542-30391-1 


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残留応力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:53 UTC 版)

応力」の記事における「残留応力」の解説

残留応力とは、外力作用していない物体内部生じている応力である。残留応力は機械的または熱的な原因物体不均一弾塑性変形生じることにより発生する詳細は「残留応力」を参照

※この「残留応力」の解説は、「応力」の解説の一部です。
「残留応力」を含む「応力」の記事については、「応力」の概要を参照ください。

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