欠陥是正法案(けっかんぜせいほうあん)
自民党、自由党、公明党、民主党の共同提案(議員立法)により、公職選挙法と国会法の改正案という形で提出された。衆議院比例区の復活当選の制限のほか、▽比例代表選出議員の政党間移動の禁止、▽選挙期間中にパンフレット類の宣伝名目による街宣車や拡声器の使用規制、▽選挙期間中の手話通訳者に対する報酬の支払い、▽補欠選挙期日の統一(4月と10月の年2回)の6項目である。
1994年に導入された小選挙区比例代表並立制では、小選挙区と比例区の両方に立候補する「重複立候補」ができる。重複立候補した候補者は、たとえ小選挙区で落選しても、自分が所属する政党の比例代表名簿の当選圏内に入っていると当選が認められること(復活当選)になっていた。
実際、1996年10月に実施された総選挙では、84人の候補者が復活当選によって代議士となった。しかし、そのうち8人は小選挙区での得票数が法定得票数に達しておらず、さらにその中の2人は、供託金を没収されるほどの得票数でしかないだった。
法定得票数とは、衆議院小選挙区では有効投票数の6分の1である。また、供託金は、衆議院小選挙区で1人あたり300万円で、立候補するときに一旦預ける。けれども、有効投票数の10分の1を下回る得票数しか得られなかった場合は、没収されることになっている。これは、明らかに当選する見込みのない立候補者(泡沫候補)が乱立することを防ぐための制度である。
小選挙区で十分な票を得られない候補者が比例区で当選できるという欠陥を直すべく、欠陥是正法案では、小選挙区での得票が有効投票数の10分の1未満となった場合には、比例区での復活当選を認めないということが盛り込まれている。
政党名を記入して投票する比例代表の選挙では、各政党があらかじめ用意する比例名簿の順位にしたがって当選人が決まる。しかし、たとえばA党の比例名簿に登載されて当選した議員が、任期の途中で別のB党に移籍することについては規制がなく、実際にこのような政党間移動が行われたケースがあり、問題となった。
(2000.04.21更新)
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