横浜事件とは? わかりやすく解説

よこはま‐じけん【横浜事件】


横浜事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 14:25 UTC 版)

横浜事件(よこはまじけん)は、第二次世界大戦中の1942年から1945年にかけて、治安維持法違反の容疑で編集者新聞記者ら約60人から未確認者を含めれば90人ともいわれる容疑者が逮捕され、拷問等により4人が獄死、保釈直後に1人が死亡、負傷者30人を出した、日本の一連の刑事事件[1]。約30人が起訴され、既に終戦後となる1945年8月から9月にかけて有罪とされたが、有罪判決後の同年10月15日には治安維持法が廃止、同月17日には終戦による大赦で、起訴された者はいずれも大赦を受けるか免訴されることとなった[2]。戦後、取調にあたった元特高警察官らは被害者らから告訴され有罪判決を受けたが、こちらは判決直後の1952年4月のサンフランシスコ講和条約発効による大赦で刑に服することはなかった[2]


注釈

  1. ^ 9月2日に日本の降伏文書に調印、同時に昭和天皇が降伏を宣言しGHQの命令には無条件で服すべきこと、公有財産の毀棄を禁止する詔書を発布。10月5日に「政治的民事的及宗教的自由ニ対スル制限ノ撤廃ニ関スル覚書」が発されている
  2. ^ 降伏文書にも「軍用・非軍用を問わず公用財産の毀棄を禁止する。日本政府はこの措置を徹底させる」と明記されている。昭和天皇が詔書を以てこれを命じたのは記録が処分された後だった

出典

  1. ^ Japan Playwrights Association - ─── (1)「横浜事件」という事件はない”. 一般社団法人 日本劇作家協会. 2024年2月3日閲覧。
  2. ^ a b Japan Playwrights Association - ─── (2) 戦後の「冤罪究明・無罪獲得」のための再審裁判”. 一般社団法人 日本劇作家協会. 2024年2月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 165–169.
  4. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, p. 7.
  5. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, p. 156.
  6. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 143–145.
  7. ^ a b 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 163–165.
  8. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 165–168.
  9. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 170–172.
  10. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, p. 175.
  11. ^ 横浜事件第4次再審裁判、免訴判決に抗議する 日本国民救援会会長声明 2009年4月1日
  12. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, pp. 183–184.
  13. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, p. 185.
  14. ^ 金澤・向井・瀨谷・西村 2019, p. 163.
  15. ^ 読売新聞2009年3月30日付
  16. ^ 共同通信 2010年2月4日
  17. ^ a b “横浜事件 「記録廃棄は違法」国家賠償は認めず 東京地裁”. 毎日新聞. (2016年6月30日). オリジナルの2016年7月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160701134538/http://mainichi.jp/articles/20160630/k00/00e/040/212000c 2016年7月13日閲覧。 
  18. ^ a b “横浜事件、国の賠償責任認めず 元被告遺族の請求棄却”. 朝日新聞. (2016年6月30日). https://www.asahi.com/articles/ASJ6X6JY8J6XUTIL065.html 2016年7月13日閲覧。 
  19. ^ 「横浜事件で遺族控訴」北日本新聞2016年7月12日朝刊31頁
  20. ^ 横浜事件 二審も遺族側敗訴 国賠法施行前の責任否定”. 東京新聞 (2018年10月24日). 2019年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月25日閲覧。
  21. ^ “横浜事件の国賠訴訟、「弁護団のミス」で上告却下”. 日本経済新聞. (2019年1月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40322350S9A120C1CC1000/ 2019年1月27日閲覧。 


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