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東武200系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/04 23:05 UTC 版)

東武200系・250系電車
「りょうもう」
東武200系(新越谷・2006年12月)
東武200系
新越谷・2006年12月)
編成 6両
起動加速度 2.23 km/h/s
営業最高速度 110 km/h
減速度 3.7 km/h/s(常用最大)
5.0 km/h/s(非常)
編成定員 398人[1]
車両定員 下記参照
全長 先頭車 21,300 mm
中間車 20,000 mm
全幅 2,878 mm
全高 200系 4,200 mm
250系 4,160 mm
車両質量 下記参照
軌間 1,067(狭軌) mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
主電動機 200系 直流直巻電動機 TDK-824A
250系 三相かご形誘導電動機 TM-95
主電動機出力 200系 75kW
250系 190kW
搭載数 4基 / 両
歯車比 200系 3.75 (75:20)
250系 5.28 (95:18)
駆動装置 200系 可撓継手式中空軸平行カルダン
250系 TD継手式平行カルダン
制御装置 200系 バーニヤ式電動カム軸抵抗制御界磁添加励磁制御 VMC-HTR-10H
250系 IGBT-VVVFインバータ制御 VFI-HR1420
台車 200系 SUミンデン式FS-370A
250系 モノリンク式SS-151・051
制動方式 200系 回生制動併用電磁直通空気ブレーキ HSC-R
250系 回生制動優先電気指令空気ブレーキ HRDA-2
保安装置 東武形ATS
製造メーカー 東急車輛製造アルナ工機
備考 データは2007年11月現在[2]

東武200系電車(とうぶ200けいでんしゃ)は、1991年平成3年)2月1日より運用を開始した[3]東武鉄道特急形車両

本項では、本系列と車体構造・外観は同一ながら、主要機器の仕様が異なる250系電車についても記述する。

目次

概要

従来1800系によって運行された急行りょうもう」は、運行開始以来赤城・伊勢崎方面と都心部を直結する通勤・観光列車として年々需要が増大し、東武においてもそれら需要に応えるべく運行本数増など輸送力増強が図られた[4]。また、1984年(昭和59年)8月のダイヤ改正以降は速達需要への高まりからスピードアップも行われ、1800系の設計最高速度である最高運転速度105km/hでダイヤが設定されるようになった[4]

「りょうもう」を1800系で継続運用した場合、これ以上のスピードアップは同系列の性能上困難であり[4]、また将来的に検討されていた「りょうもう」の特急列車格上げに関連して、接客設備面ならびに性能面において1800系を上回る新型車両が必要とされたことから[4]、設計・製造されたものが本系列である。1990年(平成2年)11月[5]から1998年(平成10年)1月[5]にかけて6両編成9本、計54両が東急車輛製造アルナ工機において製造された。

なお、本系列の製造に際しては構体は台枠より新製したものの、台車主電動機など一部の主要機器については当時100系「スペーシア」の増備に伴って代替が進行していた1700系・1720系「DRC」の解体発生品を流用しており[3]、本系列は全車とも1700系・1720系の車体更新名義で竣功している[5]

さらに1998年(平成10年)2月[5]には6両編成1本が増備された。主要機器の流用元であった1700系・1720系は9編成54両が在籍し、同編成の製造に際しては既に機器流用元が払底していたことから主要機器を含めて完全新製され[6]250系と別形式に区分された。搭載する主要機器については当時増備が進められていた30000系通勤形電車と同一の機器、すなわちVVVFインバータ制御ボルスタレス台車といった当時の最新技術が採用され[6][7]、200系とは仕様が全く異なる。

同編成の落成に伴って1800系は「りょうもう」運用より完全撤退し[6]、「りょうもう」は全て200系・250系によって統一され、翌1999年(平成11年)3月のダイヤ改正において「りょうもう」は急行列車から特急列車に格上げされた[3]

車体

設計・外観

構体は耐久性に考慮して耐候性鋼板を用いた全鋼製車体である[3]。前頭部形状は100系同様に流線形ながら、三次元曲線を多用しソフトな感覚を演出した100系[8]とは異なり、シャープさとスピード感を演出した直線基調のデザインとなった[9]。前面窓は1枚の大型曲面ガラスによって構成され、直下には前照灯と発光ダイオード (LED) 式の後部標識灯を1つのケースに収めたライトユニットが左右2箇所に埋め込み配置されている。前面腰部にはLED式の通過標識灯が同じく左右2箇所に配置された。なお、1800系で設置された電照式列車愛称表示器は本系列においては省略されている。前照灯については200系201 - 206編成は通常のシールドビームが採用されたが、1997年(平成9年)2月[5]に竣功した207編成以降においてはHID式高輝度放電灯(HIDランプ)に改良され、250系においても踏襲された[10]。なお、207編成のみは落成当初ライトユニット内部が白く塗装されていたが、営業運転開始までに他編成同様に黒く塗装された[7]

車体長は中間車が19,310mm(全長20,000mm)であるのに対し、先頭車は20,510mm(全長21,300mm)と異なる[9]。これは先頭車においては前頭部を流線形状とした都合上、中間車と比較して先頭部側の台車中心部から車端部側に1,200mm構体を延長したことによるもので、台車中心間隔(ボギーセンター間隔)については先頭車・中間車とも13,600mmで統一されている[9]

車体塗装はジャスミンホワイトを基調に、車体幕板部・腰板部・裾部に「りょうもう」のシンボルカラーである[11]ローズレッドの帯が入る。また、腰板部のローズレッド帯については上部が黒の細線で縁取られ、アクセントとしている[11]。窓周りについては黒塗りとして100系のイメージを踏襲するとともに、引き締まった印象を与えるものとした[11]。さらに編成両端の先頭車2両については連結面寄り側面中央部に「Ryomo」「TOBU LIMITED EXPRESS」と赤文字で描かれたロゴが貼付されている。

側面窓は幅1,570mm(一部785mm)・高さ800mmの複層型一枚窓で[9]、客用扉は900mm幅の片開扉を各車片側1箇所有するが[9]、編成4号車に相当する中間車モハ200-3形ならびにモハ250-3形のみは、1800系と同等の編成定員を確保する目的から客用扉が省略された[3]。業務用扉も含めて側面に扉が全くない旅客用電車の誕生は、日本国内においては初の事例であった[12]。なお、207編成以降においては内装にバリアフリー対策が盛り込まれたことに伴い、編成3号車に相当する中間車モハ200-4形ならびにモハ250-4形の客用扉幅が1,000mmに拡幅されるとともに車体中央寄りに移設され、隣接する側面窓が785mm幅に縮小された。これら仕様変更は201 - 206編成についても1998年(平成10年)までに追加改造が実施され、全編成とも仕様が統一された[10]

行先・種別表示器は前述モハ200-3形ならびにモハ250-3形を除く各車の側面幕板部に設置され、200系201 - 206編成は幕式のものを、207編成以降と250系はLED式のものをそれぞれ装備する[10]

また、前述207編成より連結面転落防止幌が落成当初より設置され、後に201 - 206編成にも新設された[10]

200系201編成
(2008年7月)
250系251編成
(新越谷・2008年7月)
車体側面ロゴ
浅草・2008年10月)


内装

200系車内全景
200系車内全景
200系座席(以上206編成・2010年1月)
200系座席
(以上206編成・2010年1月)

客用扉と客室間を仕切るデッキを有し、座席はリクライニング機構を備えた回転式クロスシート仕様である。座席蹴込部に足掛(フットレスト)が設置され、窓側壁部には大型の折り畳み式テーブルが設置された[3]。座席間隔(シートピッチ)は985mmで、1800系と比較して25mm拡大されている[3]。座席間隔拡大に伴って1800系と比較して車両1両当たりの座席数が減少したことから、前述のように編成4号車に相当する中間車モハ200-3形ならびにモハ250-3形については客用扉を設置せず、1編成当たりの定員については1800系と同等とするよう工夫が凝らされた[3][注釈 1]

なお、200系203 - 206編成は座席についても1700系・1720系の廃車発生品を整備の上で流用した[3][11]。流用品の座席は他編成が装備する新品の座席と比較して肘掛部の形状が異なるほか[11]、リクライニング機構についても新品が油圧ダンパーを用いた無段階角度調整式(フリーストップ式)であるのに対し、流用品は調整角度が三段階に限定された座面連動型角度調整式である点が相違する[3]

車内壁部は100系で用いられたものと同一柄のアルミデコラ板が採用されたが、座席モケット表皮ならびにカーテンについては、外装色との調和を考慮してローズレッド系の配色となったことが特徴である[11]。車内窓部はガラス繊維強化プラスチック (GFRP) 製の一体整形カバーで覆われており、窓上のカーテンカバー部にはAMラジオ放送の車内再輻射用アンテナが内蔵された[11]。また、各車のデッキ扉上部には車内設備を表すピクトサインのほか、LED式の車内案内装置が設置された[7]

トイレはいずれも和式で、モハ200-1形(6号車)、モハ200-4形(3号車)およびモハ200-6形(1号車)の3箇所に設置された[3]。100系とは異なり独立した洗面所は設置されておらず、トイレの向かい側には清涼飲料水の自動販売機が設置されている[3]。その他、モハ200-4形(3号車)にはカード式の公衆電話が設置された[3]

なお、200系207編成以降においては前述のように内装にバリアフリー対策が盛り込まれた[7]。モハ200-4形(3号車)の客用扉寄り最前列の座席を従来の4列配置から2列配置に変更して車椅子スペースを新設し、デッキ部引き扉の拡幅ならびにデッキ面積の拡大が実施されたほか、3号車の車内トイレが車椅子対応の洋式トイレに変更された[7]。洋式トイレ内にはベビーベッドが新設され、トイレ引き扉は押ボタン式の電動自動開閉扉となっている[7][10]。その他、客室荷棚部および各トイレ内に空気清浄機が新設されたほか、デッキ部・貫通路部の自動開閉扉の動作方式が空気式から電動式に改良された[10]

これらバリアフリー対策を含む改良点については250系251編成においても踏襲されたほか、201 - 206編成についても改造工事が実施された[7][10]。なお、バリアフリー対応化が実施された後の3号車の定員は従来の64人から6人減少し、58人となった[1]


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注釈

  1. ^ 1800系の編成定員は408人であったのに対し、200系においては4人減の404人を確保した。なお、後述バリアフリー対応化に伴って、2011年(平成23年)12月現在における200系・250系の編成定員は398人となった(『列車編成席番表 2012冬』 交通新聞社 p.324)。
  2. ^ 1700系・1720系に装着されていた当時の同台車の形式はFS-370(社内形式TRS-67M)であったが、下記改良工事施工に伴って形式称号に「A」のサフィックスが追加された。
  3. ^ 一部資料においてはCOV018-A0を「静止形インバータ」と解説したものが存在するが、COV018-A0はGTOコンバータとトランジスタインバータの組み合わせによる「DC-DCコンバータ」装置である。
  4. ^ 「Auxiliary Power Unit」の略語。鉄道業界においては車両に搭載される補助電源装置を指し、本編成表においてはDC-DCコンバータもしくはSIVを示す。

出典

  1. ^ a b c 列車編成席番表 (2011) p.324
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 稲葉 (2008) pp.276 - 277
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 稲葉 (2008) pp.257 - 258
  4. ^ a b c d e 花上 (2006) p.22
  5. ^ a b c d e 稲葉 (2008) p.266
  6. ^ a b c d e f g 稲葉 (2008) p.260
  7. ^ a b c d e f g h i j k 花上 (2006) p.24
  8. ^ 東武鉄道車両課 100系 (1990) p.37
  9. ^ a b c d e f g h 東武鉄道車両課 200系 (1990) pp.80 - 83
  10. ^ a b c d e f g h i j k l 稲葉 (2008) pp.258 - 260
  11. ^ a b c d e f g h i 花上 (2006) pp.22 - 23
  12. ^ 鉄道ダイヤ情報 (1991) p.16
  13. ^ a b c d 稲葉 (2008) p.295


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