未必の故意 (戯曲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/02 02:46 UTC 版)
『未必の故意』(みひつのこい)は、安部公房の書き下ろし戯曲。11景から成る。ある小島の消防団長が、団員や島民たちと計画的に行なったヤクザ者の殺害を「未必の故意」に見せかけようとする物語。団長を中心に島民たちの模擬裁判が行われる過程で、事件の状況や島の人間関係が浮かび上がるという劇中劇の中、被害者同様、島を我がものにしようとする団長の意図が次第に明らかとなると共に、孤独の恐怖が一種の連帯の幻想や狂気を生み、「他者」を紡ぎ出すという共同体の論理の矛盾を描いている[1][2][3]。姫島村リンチ殺人事件を素材とした作品である[4]。
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- ^ a b 安部公房「安部公房が話題作二つ――談話記事」(共同通信 1971年9月14日号に掲載)
- ^ a b c d 安部公房「『未必の故意』の安部公房氏――談話記事」(日本海新聞 1971年9月15日号に掲載)
- ^ a b c d e f 高橋信良「劇中劇――安部公房の演劇論 III」(千葉大学外国語センター言語文化論叢、2002年12月)
- ^ a b c d e 「作品ノート23」(『安部公房全集23 1970.02-1973.03』)(新潮社、1999年)
- ^ a b 安部公房(井川比佐志との対談)「作家と俳優の出会い」(「未必の故意」上演パンフレット 1971年9月10日)
- ^ a b ドナルド・キーン「解説」(文庫版『緑色のストッキング・未必の故意』)(新潮文庫、1989年)
- 1 未必の故意 (戯曲)とは
- 2 未必の故意 (戯曲)の概要
- 3 登場人物
- 4 作品評価・解釈
- 5 おもな公演
- 6 参考文献
「未必の故意 (戯曲)」の例文・使い方・用例・文例
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