木曽川用水
| 疏水の概要 | ||||||||||||
■疏水の所在 愛知県稲沢市〜愛知県海部郡飛島村(疏水延長約38km、計画最大通水量41.83m3/s) ■所在地域の概要 愛知県稲沢市から木曽川左岸の濃尾平野一帯と一部三重県の両県4市3町2村にまたがる受益面積約8,000haの優良農業地域です。 ■疏水の概要・特徴 木曽川用水は、木曽川の不安定な取水に長年苦しんできた地域の農民の熱心な働きかけにより、既得の農業用水、新規の工業用水及び水道用水の確保と供給を目的として、昭和39年から昭和58年にかけて大規模総合開発事業として建設されたものです。 その施設は、主たる新規取水の水源である岩屋ダム(利水容量61,900千m3)を始め、安定取水のための木曽川大堰と大堰から取水し長大な水路(幹線水路38km、支線水路150km)から構成されています。 | |||||||||||||
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木曽川用水
木曽川用水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:21 UTC 版)
飛騨川は水量が豊富であり、水力発電の開発には好適地であった。しかしかんがいについては峡谷が深すぎて取水ができずほぼ手付かずとなっていた。だが戦後の食糧不足を解消するためのかんがい事業が飛騨川においてもようやく行われ、川辺用水・森山用水・米田用水が建設されて600ヘクタールが潤されたが、急激な農地拡大には対応できなかった。また中京圏の工業・商業発展は上水道・工業用水道需要の増大を招き、こうした水資源開発の必要性が論じられていた。 木曽特定地域総合開発計画によって愛知用水が建設され知多半島に水が供給されるようになった後、農林省は木曽川用水の建設を1964年(昭和39年)に計画。木曽川上流部と下流部の二区域に分けて広域の農地にかんがい用水を供給する構想としたが1965年(昭和40年)、水資源開発促進法による水資源開発水系に木曽川水系が指定されたことで事業は水資源開発公団が継承。以後公団が事業を施工した。 公団は木曽川用水上流部の水源として益田郡金山町に岩屋ダム(馬瀬川)を建設、そこから放流された水を下流受益地に送水するための調整池として上麻生ダムの貯水池を選定、中部電力との協議により発電に影響を及ぼさない範囲での利用許可を取り付け、貯水池右岸(JR高山本線側)に2門のゲートを持つ取水口(白川取水口)を1974年(昭和49年)3月に完成させた。ここから最大で毎秒9.54立方メートルの水を取水し、延長9.9キロメートルの白川導水路を経て美濃加茂市の蜂屋調整池と加茂郡八百津町にある上飯田調整池で再度貯水されたあと用水路によって各所に送られる。 この木曽川用水によって美濃加茂市、関市、加茂郡(七宗町・川辺町・八百津町・坂祝町・富加町)の農地3,533ヘクタールにかんがい用水と上水道を補給。また電気機器や精密機器工場などが進出した美濃加茂市などの工業団地に工業用水を供給する。上麻生ダムはこうした木曽川水系の水資源供給にも一役買っているが、こうした発電専用ダムを利用して用水路の取水を行う例は比較的多く、木曽川水系でも愛知用水と関西電力の兼山ダム(木曽川。可児市)、東濃用水と関西電力の落合ダム(木曽川。中津川市)が同じ方法を採っている。
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