有部とは? わかりやすく解説

う‐ぶ【有部】

読み方:うぶ

説一切有部(せついっさいうぶ)」の略。


説一切有部

(有部 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 14:57 UTC 版)

説一切有部(せついっさいうぶ、: Sarvāstivādin[1], : Sabbatthivāda[1], Sabbatthavāda[1])は、部派仏教時代の部派の一つ[2]。略称は有部[3]説因部[1](せついんぶ、: Hetuvādin[1])ともよばれる[1][2]紀元前1世紀の半ば頃に上座部から分派したとされ、部派仏教の中で最も優勢な部派であったという[2]。同じく上座部系とされる南伝の上座部大寺派と並んで、多くのアビダルマ文献が現存している[4]


注釈

  1. ^ 『長阿含経』はもともと法蔵部所伝のものを漢訳しているが、伝持の過程で説一切有部系写本によって改訳されている[15]

出典

  1. ^ a b c d e f 三友 1996, p. 1.
  2. ^ a b c d e 中村元ほか(編)『岩波仏教辞典』(第二版)岩波書店、2002年10月、603頁。 
  3. ^ 中村元 『広説佛教語大辞典』上巻 東京書籍、2001年6月、112頁。
  4. ^ 加藤純章「論」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)、小学館。
  5. ^ Toshihiro, Wada (2010). Indian Philosophy and Text Science. pp. 9-22. ISBN 9788120834057 
  6. ^ Vasubandhu; de La Vallée-Poussin, Louis (1 June 1990). Abhidharmakośabhāṣyam. Asian Humanities Press. p. 807. ISBN 978-0-89581-913-0. https://books.google.com/books?id=FWpiNAEACAAJ 
  7. ^ Anālayo, B (2020). Attention and mindfulness. 11. pp. 1131-1138. doi:10.1007/s12671-019-01286-5. 
  8. ^ 阿毘達磨倶舎論」『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』第29巻、東京大学大学院人文社会系研究科、No.1558、2018年https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2015/T1558_.29.0000000:0000000.cit 
  9. ^ 阿毘達磨大毘婆沙論」『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』第27巻、東京大学大学院人文社会系研究科、No.1545、2018年https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2015/T1545_.27.0000000:0000000.cit 
  10. ^ 田端 1975, p. 170.
  11. ^ Westerhoff, The Golden Age of Indian Buddhist Philosophy in the First Millennium CE, 2018, p. 60.
  12. ^ a b 上杉 宣明「パーリ仏教にみられる有為相をめぐる論争について」『印度學佛教學研究』第31巻第1号、1982年、NAID 130004024560 
  13. ^ a b 那須 良彦「四随相と無限遡及の過失」『印度學佛教學研究』第54巻第2,号、2006年、1067-1063,1345,、NAID 130004027960 
  14. ^ a b c d e 馬場 2018, p. 83.
  15. ^ 辛嶋 2015, pp. 166–167.


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