日本グランプリ_(ロードレース)とは? わかりやすく解説

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日本グランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 22:51 UTC 版)

日本グランプリ
ロードレース世界選手権
開催地 モビリティリゾートもてぎ
初開催 1962
最多勝利
(ライダー)
ジム・レッドマン (6)
最多勝利
(マニファクチャー)
ホンダ (54)

日本グランプリにっぽんグランプリにほんグランプリGrand Prix of Japan )は、日本で開催されるオートバイレースの名称である。

概要

1963年に第1回の世界選手権日本グランプリが鈴鹿サーキットで開催された。その後富士スピードウェイでの開催も含め1967年までに5回開催された。

1987年に世界選手権が再び開催されるまでは、全日本ロードレース選手権の鈴鹿サーキットで開催される最終戦に「日本グランプリ」の名称が使われた時期がある。

1987年に再び鈴鹿サーキットで日本グランプリが開催されるようになり(同年にはF1日本グランプリも開催されるようになった)、以後鈴鹿サーキットではWGP/MotoGPとF1、両最高峰レースを開催するようになる。

1999年よりツインリンクもてぎと鈴鹿サーキットの隔年開催となる。しかし初開催されたツインリンクもてぎでの開催実績が良かったことから日本で年2回開催になり、2000年より春に日本グランプリが鈴鹿で、秋にパシフィックグランプリがもてぎで開催されるようになった。この2000年の日本グランプリでは地元日本勢が125ccが1位宇井陽一、2位上田昇、3位東雅雄、250ccが1位加藤大治郎、2位宇川徹、3位中野真矢、500ccが1位阿部典史、3位岡田忠之と、表彰台計9ポジションのうち8ポジションを独占する快挙を成し遂げている。特に250ccは3人が絡み合うようにチェッカーを受け、1位から3位までがわずか0秒231(4位のオリビエ・ジャックは約15秒離されている)という大会史に残る大接戦であった。

しかし2003大会で、MotoGPクラスで加藤大治郎の死亡事故や、アレックス・バロスマルコ・メランドリが大怪我を負う事故が相次いだことから鈴鹿サーキットの安全性が問われ、2004年以降の同サーキットでの開催が中止、ツインリンクもてぎでの開催が日本グランプリとなっている。なお現状鈴鹿サーキットがMotoGPセーフティー・コミッション(この2003年の事故を契機として、MotoGP参加ライダーを中心に構成された安全委員会)の求める項目を満たすにはスペース的な問題で実現がかなり困難である上、この年にFIMのグレードA認定が取り消され、グレードB認定サーキットとなった為(MotoGPの開催にはFIMグレードA認定が必要。2011年現在日本でグレードA認定を受けているサーキットはツインリンクもてぎのみである)鈴鹿サーキットでの日本GP開催は現状ほぼ不可能な状況であるといえる。

2010年大会は、当初の予定では4月23日 - 25日に第2戦として開催予定だったが、アイスランドエイヤフィヤットラヨークトルの噴火によって大規模な空路封鎖が発生し、ライダーやチーム関係者の移動が困難になったため、10月1日 - 3日に開催が延期された[1]

2011年の大会は4月22日 - 24日に第3戦として開催予定だったが、東日本大震災の影響で9月30日 - 10月2日に延期された[2]福島第一原発事故による放射線の影響を警戒するライダーが多く一時は開催が不安視されたが[3]FIMがイタリアの第三者機関に委託した調査の結果、放射能の危険は無視できる程度であると報告され[4]、最終的にはほぼ全てのライダーが参戦し無事開催された。

2020年の大会は新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、ドルナ社は欧州開催に集中するため主催者は中止を決断。2021年も新型コロナウイルスを理由として、2年続いての開催中止となった[5]。なお2022年3月にツインリンクもてぎは「モビリティリゾートもてぎ」に名称が変更された[6]ため、結果的に「ツインリンクもてぎ」での日本グランプリ開催は2019年大会が最後となった。

2022年大会は台風接近により一時開催が危ぶまれた[7]ものの、「モビリティリゾートもてぎ」初の日本グランプリとして3年ぶりに開催され、Moto2クラスの小椋藍が日本人ライダーとして16年ぶりの母国優勝を飾った[8][注釈 1]

歴代日本グランプリ優勝者

  • 地の色がピンク色の部分はノンタイトル
サーキット 50cc 125cc 250cc 350cc 結果
1962 鈴鹿 T.ロブ(ホンダ T.ロブ(ホンダ) J.レッドマン(ホンダ) J.レッドマン(ホンダ) 詳細
1963 鈴鹿 L.タベリ(ホンダ) F.ペリス(スズキ J.レッドマン(ホンダ) J.レッドマン(ホンダ) 詳細
1964 鈴鹿 R.ブライアンズホンダ E.デグナー(スズキ) J.レッドマン(ホンダ) J.レッドマン(ホンダ) 詳細
1965 鈴鹿 L.タベリ(ホンダ) H.アンダーソン(スズキ) M.ヘイルウッド(ホンダ) M.ヘイルウッド(MVアグスタ 詳細
1966 富士 片山義美(スズキ) B.アイビーヤマハ 長谷川弘(ヤマハ) P.リード(ヤマハ) 詳細
1967 富士 伊藤光夫(スズキ) B.アイビー(ヤマハ) R.ブライアンズ(ホンダ) M.ヘイルウッド(ホンダ) 詳細
サーキット 125cc 250cc 500cc 結果
1987 鈴鹿 小林大(ホンダ) ランディ・マモラ(ヤマハ) 詳細
1988 鈴鹿 アントン・マンク(ホンダ) ケビン・シュワンツ(スズキ) 詳細
1989 鈴鹿 エツィオ・ジャノーラ(ホンダ) ジョン・コシンスキー(ヤマハ) ケビン・シュワンツ(スズキ) 詳細
1990 鈴鹿 ハンス・スパーン(ホンダ) ルカ・カダローラ(ヤマハ) ウェイン・レイニー(ヤマハ) 詳細
1991 鈴鹿 上田昇(ホンダ) ルカ・カダローラ(ホンダ) ケビン・シュワンツ(スズキ) 詳細
1992 鈴鹿 ラルフ・ウォルドマン(ホンダ) ルカ・カダローラ(ホンダ) ミック・ドゥーハン(ホンダ) 詳細
1993 鈴鹿 ダーク・ラウディス(ホンダ) 原田哲也(ヤマハ) ウェイン・レイニー(ヤマハ) 詳細
1994 鈴鹿 辻村猛(ホンダ) 岡田忠之(ホンダ) ケビン・シュワンツ(スズキ) 詳細
1995 鈴鹿 青木治親(ホンダ) ラルフ・ウォルドマン(ホンダ) ダリル・ビーティー(スズキ) 詳細
1996 鈴鹿 徳留真紀アプリリア マックス・ビアッジ(アプリリア) 阿部典史(ヤマハ) 詳細
1997 鈴鹿 上田昇(ホンダ) 加藤大治郎(ホンダ) ミック・ドゥーハン(ホンダ) 詳細
1998 鈴鹿 坂田和人(アプリリア) 加藤大治郎(ホンダ) マックス・ビアッジ(ホンダ) 詳細
1999 もてぎ 東雅雄(ホンダ) 中野真矢(ヤマハ) ケニー・ロバーツ Jr.(スズキ) 詳細
2000 鈴鹿 宇井陽一デルビ 加藤大治郎(ホンダ) 阿部典史(ヤマハ) 詳細
2001 鈴鹿 東雅雄(ホンダ) 加藤大治郎(ホンダ) バレンティーノ・ロッシ(ホンダ) 詳細
サーキット 125cc 250cc MotoGP 結果
2002 鈴鹿 アルノー・ヴァンサン(アプリリア) 宮崎敦(ヤマハ) バレンティーノ・ロッシ(ホンダ) 詳細
2003 鈴鹿 ステファノ・ペルジーニ(アプリリア) マヌエル・ポジャーリ(アプリリア) バレンティーノ・ロッシ(ホンダ) 詳細
2004 Motegi アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ホンダ) ダニ・ペドロサ(ホンダ) 玉田誠(ホンダ) 詳細
2005 ミカ・カリオKTM 青山博一(ホンダ) ロリス・カピロッシドゥカティ 詳細
2006 ミカ・カリオ(KTM) 青山博一(KTM) ロリス・カピロッシ(ドゥカティ) 詳細
2007 マティア・パシーニ(アプリリア) ミカ・カリオ (KTM) ロリス・カピロッシ(ドゥカティ) 詳細
2008 ステファン・ブラドル(アプリリア) マルコ・シモンチェリ(ジレラ) バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ) 詳細
2009 アンドレア・イアンノーネ(アプリリア) アルバロ・バウティスタ(アプリリア) ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ) 詳細
サーキット 125cc Moto2 MotoGP 結果
2010 もてぎ マルク・マルケス(デルビ) トニ・エリアスモリワキ ケーシー・ストーナー(ドゥカティ) 詳細
2011 ヨハン・ザルコ(デルビ) アンドレア・イアンノーネ(スッター ダニ・ペドロサ(ホンダ) 詳細
サーキット Moto3 Moto2 MotoGP 結果
2012 もてぎ ダニー・ケント (KTM) マルク・マルケス(スッター) ダニ・ペドロサ(ホンダ) 詳細
2013 アレックス・マルケス (KTM) ポル・エスパルガロカレックス ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ) 詳細
2014 アレックス・マルケス(ホンダ) トーマス・ルティ(スッター) ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ) 詳細
2015 ニッコロ・アントネッリ(ホンダ) ヨハン・ザルコ(カレックス) ダニ・ペドロサ(ホンダ) 詳細
2016 エネア・バスティアニーニ(ホンダ) トーマス・ルティ(カレックス) マルク・マルケス(ホンダ) 詳細
2017 ロマーノ・フェナティ(ホンダ) アレックス・マルケス(カレックス) アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ) 詳細
2018 マルコ・ベッツェッキ(KTM) フランチェスコ・バニャイア(カレックス) マルク・マルケス(ホンダ) 詳細
2019 ロレンツォ・ダッラ・ポルタ(ホンダ) ルカ・マリーニ(カレックス) マルク・マルケス(ホンダ) 詳細
2022 イザン・ゲバーラ(ガスガス 小椋藍(カレックス) ジャック・ミラー(ドゥカティ) 詳細
2023 ジャウマ・マシア(ホンダ) ソムキアット・チャントラ(カレックス) ホルヘ・マルティン(ドゥカティ) 詳細

日本GPが開催されたサーキット

関連項目

注釈

  1. ^ 1968年から1986年までの日本グランプリ未開催期間を除いて、日本人ライダーの母国優勝がなかった期間として16年間は過去最長である。

脚注

  1. ^ MFJ MotoGP日本グランプリ開催延期について
  2. ^ “FIM Announcement: Grand Prix of Japan postponed”. motogp.com (Dorna Sports). (2011年3月15日). http://www.motogp.com/en/news/2011/Japan+GP+postponed 2011年3月15日閲覧。 
  3. ^ http://www.bikesportnews.com/news-detail.cfm?newstitle=Rossi-and-Lorenzo-unhappy-over-Motegi-MotoGP-round&newsid=389
  4. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Grand+Prix+of+Japan+Statement+from+the+FIM
  5. ^ “MotoGP日本GP、新型コロナの影響により2年連続で開催中止が決定”. auto sports Web. (2021年6月23日). https://www.as-web.jp/bike/711853?all 2022年8月8日閲覧。 
  6. ^ 人と自然とモビリティの共生をテーマに向き合い続けて25年 2022年3月1日、「モビリティリゾートもてぎ」として新たなステージへ”. ホンダモビリティランド株式会社. 2022年8月8日閲覧。
  7. ^ “3年ぶり開催のMotoGP日本GP、予選日悪天候にもかかわらず、3日間合計で5万7,482人の観客を動員”. motorsport.com. (2022年9月25日). https://jp.motorsport.com/motogp/news/motogp-2022-motegi-japanese-gp-spectetors/10374269/ 2022年10月2日閲覧。 
  8. ^ “16年ぶりの快挙。小椋藍が青山博一監督以来となる母国GPで優勝「チェッカーを受けた瞬間、ホッとした」/MotoGP第16戦日本GP”. auto sports Web. (2022年9月25日). https://www.as-web.jp/bike/864390?all 2022年10月2日閲覧。 

「日本グランプリ (ロードレース)」の例文・使い方・用例・文例

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