ちゅう‐しょう〔チウシヤウ〕【抽象】
抽象
【英】:ABSTRACTION
語源はラテン語のアブストラヘレ。対象の構成要素のうち、或るものを他から切り離して、ひき出すこと。絵画や彫刻においても、対象の本質的要素を選び出して描写する点において、多かれ少なかれ抽象の作用が含まれるが、美術上この概念が特別な意義を持つようになったのは、1908年にヴォーリンガーが「抽象と感情移入」において、芸術の根本衝動のひとつとして抽象衝動をあげ、これによって原始民族や東方の諸民族の非抽写的な美術を正当に評価しようとしたことと、1910年にカンディンスキーが、初めて対象的事物を描かない絵画を発表し、1912年には「芸術における精神的なもの」において絵画への道のひとつの極として純粋抽象を論じたことに始まる。これ以降、外的対象的世界を描写しない作品が次々と現われ、非具象(ノン・フィギュラティフ)、絶対、非対象、非再現などと呼ばれたが、最も一般的な呼称として抽象が普及した。また、抽象の出現により、それに対抗して再現的な表現を総括するために具象の概念が使われるようになった。
抽象化
(抽象 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/27 17:33 UTC 版)
抽象化(ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法である[1]。反対に、ある要素を特に抜き出して、これを切り捨てる意味もあり、この用法については捨象(しゃしょう)という[1]。従って、抽象と捨象は盾の両面といえる。
- ^ a b 「抽象」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014年、Britannica Japan。
抽象
「抽象」の例文・使い方・用例・文例
- 正義に関する抽象的論議
- 抽象画
- 抽象派の画家
- 彼の抽象彫刻に魅力を感じなかった
- 抽象概念
- 抽象的観念
- 私は抽象画家です。
- 「―osity」は語尾が「―ous」の形容詞から作られる抽象名詞の語尾。
- 批評家はこれまでに述べた特徴づけはすべて非常に抽象的であると反論するかもしれない。
- 彼女は抽象画に対して強い偏見を持っている。
- 彼らは抽象的な推論に興味を持っている。
- 彼の考え方は具体的でも抽象的でもなかった。
- 彼の考えは具体的でも抽象的でもなかった。
- 彼の演説は抽象的なので私には理解できない。
- 抽象的な芸術には理解しにくいものがある。
- 抽象芸術は感じるものだ。
- 抽象芸術が万人の好みに合うとは限らない。
- 善良さは抽象的、親切な行為は具体的である。
- 幸福の観念はきわめて抽象的だ。
- 現代抽象画、特にモンドリアンが理解し難い。
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