【懲罰大隊】(ちょうばつだいたい)
Punishment Battalion.
- 軍規や命令に違反するなどして懲罰を受けた者が配属された部隊。または、それに類似する部隊の総称。
一般的には後者の意味が定着しており、部隊が師団規模であろうが中隊規模であろうが「懲罰大隊」と表現することが多い。
この種の部隊に配属された隊員は、軍法会議などで階級及び武器を剥奪された上、戦死者の死体処理や地雷撤去など、軍隊においてさえもキツイ・キタナイ・キケンな雑作業を命ぜられ、また、その他にも死亡率が高く人気のない部署に配置させられたり、非常時には真っ先に敵の矢面に立たされるなど、文字通り懲罰的で過酷な作業が待っている。
第二次世界大戦時にドイツ軍とソ連軍で編成されたことで有名だが、特にソ連では、横一列になって地雷原に突入させ、その身を以って地雷を処理させたり、戦車相手に短機関銃と手榴弾だけで戦わせるなど、懲罰の度を越えてむしろ凄惨を極めたと言っても過言ではない。
なお、現在では公式に懲罰大隊という部隊は編成されていない。
- 1.から転じて、誰もやりたがらない作業や部署に回される羽目になった時に言うセリフ。
「けっ! 俺だけ懲罰大隊かよ!」
懲罰部隊
(懲罰大隊 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 06:22 UTC 版)
懲罰部隊(ちょうばつぶたい、英語:penal military unit)とは、軍隊の中で、脱走兵などの軍規違反者を集めて編成した特別な部隊のことである。広い意味では軍規違反者に限らず、一般の刑法犯罪者を動員した囚人部隊も含まれる。埋葬のような不快な任務や地雷処理などの危険な任務を与えられることが多い。第二次世界大戦期のドイツ国(ナチス・ドイツ)やソビエト連邦に存在した。国や制度の違いから、懲罰大隊、執行猶予部隊などとも呼ばれる。
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- ^ ポリャーン(2008)、91-92頁。
- ^ Lebed(1997):1937年、ソ連軍の将校だったLebed将軍の父親は、労働収容所での5年間の懲役刑を言い渡されていた。罪状は、5分間の遅刻2回である。
- ^ Krivosheev(1997)
- ^ Lebed(1997):"My father [then serving in a penal battalion] never shirked his duty...But there was a catch - in order to be transferred from the penal battalion to a regular unit, you had to shed your blood, to redeem yourself. But after the Finnish War, wisdom won out, and he was assigned to a line unit."
- ^ Toppe(1998), p. 28: ソ連の懲罰大隊の「罠の弾き役」としての地雷原処理への使用は、ソ連側とドイツ側双方の記録に残っている。例えば1942年12月28日、ケルチに展開したドイツ軍は、ソ連軍の1個懲罰大隊が地雷原に突入してきたのを目撃している。これは続くソ連軍本隊の突撃路を開くために行われたもので、懲罰大隊の損害は極めて大きかったという。
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- ^ オルガ・ロマノワの2022年8月25日のTelegramによると、モルドヴィア共和国のウダルニ村にある刑務所に服役中の囚人たちは、個人口座からルガンスク人民共和国に一人500ルーブルの寄付をするよう求める文書に署名を強いられたという。500ルーブルは囚人にとっては一ヶ月の半分もしくは全額の収入で、大金であるとロマノワは述べている。
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