慶長遣欧使節関係資料とは? わかりやすく解説

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慶長遣欧使節関係資料

主名称: 慶長遣欧使節関係資料
指定番号 1
枝番 0
指定年月日 2001.06.22(平成13.06.22)
国宝重文区分 国宝
部門種別 歴史資料
ト書
員数 47
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 本件は、仙台市博物館保管係る慶長遣欧使節関係資料で、昭和四十一年六月十一日付をもって一括して重要文化財指定されている。慶長遣欧使節は、慶長年間仙台城主・伊達政宗だてまさむね】(一五六七-一六三六)がローマ教皇のもとに家臣支倉常長はせくらつねなが】(一五一-一二二)ら一行派遣した使節のことで、一括して現存するこれらの関係資料は、いずれも慶長遣欧使節に際して将来されたものである
 ローマ市公民権証書は、羊皮紙ようひし】に著色で上辺および左右に七つ紋章向かって左上端支倉常長、その右隣はローマ市紋章である。)を配し本文金泥ラテン語である。
 冒頭には支倉常長(フィリップ・フランシスコ支倉六右衛門、Philippo Francisco Faxcvra Rocvyemon)にローマ市公民権賦与し貴族列する旨の提議記され文末には一六一五十一月二十日年記Anno ab vrbe condita MMCCCLXVI et ab orbe redempto MDCXV,XII kal〔endae〕Decembris)を有している。ローマ市役所文書の「ローマ市決議録」等によれば証書同行随員等にも賦与されたことがうかがえるが、現存するのはこの常長宛の一通のみである。
 羊皮紙記され外交文書事例としては、すでに国宝指定されているポルトガル国印度副王信書【いんどふくおうしんしょ】(昭和三十六月二十二日付国宝指定)が知られるが、この信書とともにローマ市公民権証書現存稀な羊皮紙記され発給経緯等明らかな原本として、貴重である。
 肖像画は、支倉常長像とローマ教皇パウロ五世像の二面現存する中でも常長像は当地制作され油彩画【ゆさいが】で、邦人を像主として描いた最古例としても注目される画面のほぼ中央部見え折り畳んだ跡や横折れなどの痕跡は、往時キリシタン弾圧歴史的経緯伝えるものである
 聖画【せいが】、聖具【せいぐ】類は、都合一九点を存している。銅版油彩画ロザリオ聖母像一点は、この種の聖画としては整ったものであり、常長像と同様に画面にはキリシタン弾圧経緯伝え亀裂確認される。聖具類には、司祭侍者ミサ着用するビロード製の祭服木製絹糸製の十字架修道院などで修行際し、自らの身を打つのに使用された麻製のディスチプリナ、殉教者聖人遺物収める容器である真鍮【しんちゆう】・鼈甲べっこう】製のレリカリオなど一八点を存している。
 馬具染織類は、都合二五点を存している。馬具には、木製革張り木製の鞍、真鍮製と鉄製の鐙【あぶみ】、轡【くつわ】、四方手【しおで】など、染織類にはマントおよびズボン壁掛などがあり、併せて短剣印章などがある。
 以上のように本件伝来経緯明らかなもので、史上著名な慶長遣欧使節歴史事象具体的に証左する関係資料として他に比類するものはなく、わが国キリシタン研究史および日欧交渉研究上等にその価値極めて高い。
国宝のほかの用語一覧
書跡・典籍:  馮子振墨蹟  馮子振墨蹟  黄帝内経明堂巻第一
歴史資料:  慶長遣欧使節関係資料  琉球国王尚家関係資料
絵画:  五重塔初重壁画  平家納経



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