慣習国際法
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慣習国際法(かんしゅうこくさいほう)、または国際慣習法とは、国際法の法源のひとつである[1][2]。国際法の法源としては慣習国際法のほかに条約があり、またこれらに加えて国際司法裁判所(以下ICJ)はICJ規程第38条第1項(c)に定められる法の一般原則も国際法の法源に含まれるとする見解が有力である[3]。基本的に批准などの手続きを行った国だけに適用される条約と違い、国際慣習法はすべての国々に普遍的に適用される[2][4]。国際法においては重要な規則が現代においても慣習法の形で定められている[4]。
- ^ a b 「国際慣習法」、『国際法辞典』、96-97頁。
- ^ a b 小寺, 岩沢 & 森田 2006, pp. 33-36。
- ^ 「国際法の法源」、『国際法辞典』、122-123頁。
- ^ a b c d e f g h i 杉原 et al. 2008, pp. 14-17。
- ^ a b c d e f g h i j 山本 2003, pp. 53-57。
- ^ (杉原 et al. 2008, pp. 14-17)における北海大陸棚事件ICJ判決の日本語訳を引用。ICJ Reports 1969, pp.38-39, para.63. "by their very nature, must have equal force for all members of the international community, and cannot therefore be the subject of any right of unilateral exclusion exercisable at will by any one of them in its own favour."
- ^ a b 山本 2003, pp. 29-30。
- ^ (杉原 et al. 2008, pp. 14-17)におけるローチュス号事件PCIJ判決の日本語訳を引用。PCIJ Series A, No.10, p.28."for only if such abstention were based on their being conscious of having a duty to abstain would it be possible to speak of an international custom."
- 1 慣習国際法とは
- 2 慣習国際法の概要
- 3 参考文献
慣習国際法
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詳細は「慣習国際法」を参照 慣習国際法は、不文ではあるが、条約と同等の効力を有する法源である。もっとも、不文であるため、それぞれの慣習国際法がいつ成立したのかを一般的にいうことは難しいが、もはや慣習国際法として成立したとされれば、国際法として国家を拘束する。 その成立には、「法的確信(羅: opinio juris)」を伴う「一般慣行」が必要である。「一般慣行」が必要とされるため、長い年月をかけて多くの国が実践するようになったことによって成立したものがある一方、「大陸棚への国家の権利」のように発表からわずか20年足らずで成立したとされるものなど、その成立は様々である。国際司法裁判所は1969年の「北海大陸棚事件」判決において、ある条約の規則が一般法になっているための必要な要素について、「たとえ相当な期間の経過がなくとも」(even without the passage of any considerable period of time)、「非常に広範で代表的な参加」(a very widespread and representative participation)があれば十分であるとし、また、「たとえ短くとも、当該期間内において、特別の影響を受ける利害関係をもつ国々を含む、国家の慣行(State practice)が、広範でかつ実質上一様で(both extensive and virtually uniform)あったこと」を挙げた(I.C.J.Reports 1969, pp.42-43, paras.73-74; 皆川洸『国際法判例集』391頁)。 「一貫した反対国」(persistent objector) 、すなわち、ある慣習法が生成過程にあるときに常にそれに反対していた国家、への当該慣習法の拘束力については、学説上、議論がある。国際司法裁判所は、1951年の「漁業事件」(イギリス対ノルウェー)判決において、領海10マイル規則に対して、ノルウェーがその沿岸においてその規則を適用するあらゆる試みに反対の表明を常に行っていた([la Norvège] s'étant toujours élevée contre toute tentative de l'appliquer)ので、10マイル規則はノルウェーに対抗できない (inopposable) と判示した (C.J.I.Recueil 1951, p.131) 。 慣習法のみが一般国際法 (general international law) を形成する、という従来の理論に関して、小森光夫は疑問を提示し、慣習法の一般国際法化の際のその形成と適用について、それぞれ問題点を示している。すなわち、形成に関しては、慣習の一般化において、全ての国家の参加が必要とされずに、欧米諸国など影響力のある限られた数の国家の事実上の慣行のみでそれが認定されてきた点を挙げる。また、適用に関して、すでに一般化したとされる慣習法に、新独立国が自動的に拘束されるとする理論について、それが一貫した反対国と比べて差別的である点を挙げる。そうして、一般国際法の存在を慣習法に集約させて論じることを止め、別個に一般法秩序の条件の理論化を確立すべきだと主張する。
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