まんせいがいしょうせい‐のうしょう〔マンセイグワイシヤウセイナウシヤウ〕【慢性外傷性脳症】
慢性外傷性脳症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 16:08 UTC 版)
慢性外傷性脳症(まんせいがいしょうせいのうしょう、chronic traumatic encephalopathy; CTE)とは、頭部への衝撃から生じる脳震盪などの脳への反復する傷害が原因となり、脳変性による認知症に似た症状を持つ進行性の脳症をきたす神経変性疾患[1]。最初にボクサーで見出されたことから俗にパンチドランカー(和製英語)と呼ばれており、他にもパンチドランク症候群(punch-drunk syndrome)、拳闘家痴呆(dementia pugilistica; DP)、慢性ボクサー脳症、外傷性ボクサー脳症、慢性ボクシング外傷性脳損傷などの別称がある。しかしこの疾患は、アメリカンフットボール、アイスホッケー、サッカー[2]、プロレスリング、野球[3]、剣道[4]などの接触の多いスポーツ(コンタクトスポーツ)の多くでみられているほか、脳震盪を繰り返した兵士にもみられている。
- ^ McKee AC, and others. J Neuropathol Exp Neurol. Jul 2009; 68(7): 709–735. doi: 10.1097/NEN.0b013e3181a9d503
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- ^ “引退選手4,000人超参加の脳震とう訴訟、聴聞会開催”. アメフトNewsJapan (2013年4月9日). 2013年6月26日閲覧。
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- ^ Plaintiffs/Former Wrestlers – WWE Concussion Lawsuit
- ^ The Most Notable WWF/WWE Lawsuits (1990 - 2018) - wrestlingscout
- ^ “続 アメリカ医療の光と影 第261回 米スポーツ界を震撼させる変性脳疾患(1)”. 医学界新聞. 2024年3月5日閲覧。
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- ^ “Quitting Time”. SI.com (2002年6月3日). 2013年6月26日閲覧。
- ^ “ホーンが現役引退、パッキャオ破った元WBOウエルター級王者”. AFPBB News (2023年7月3日). 2023年7月4日閲覧。
- ^ “LIVING LEGEND MICKY WARD IS DEALING WITH CTE SYMPTOMS”. RING (2020年2月14日). 2020年2月22日閲覧。
- ^ “朴正煕大統領、大木金太郎に「反則禁止令」出していた”. 朝鮮日報 (2005年9月21日). 2011年2月23日閲覧。
- ^ Curse of Stampede Wrestling? - SLAM! Sports
- ^ Examining Injury Risk of Daniel Bryan's Diving Headbutt - Bleacher Report
慢性外傷性脳症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 08:44 UTC 版)
脳震盪に至らないレベルの衝撃であっても、繰り返し頭部への打撃を受け続けることによって脳組織にタウ蛋白が蓄積し、認知症を発症することがある。剣道についてもリスクが指摘されており、実際に剣道家が発症した症例についても報告がなされている。 また、剣道の防具は、衝撃のピークを和らげるものの、頭部に伝達されるエネルギーを減少させてはいないことが示されており、面をつけていても脳への悪影響が避けられないおそれがあることが指摘されている。
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慢性外傷性脳症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 05:05 UTC 版)
「アーロン・ヘルナンデス」の記事における「慢性外傷性脳症」の解説
ヘルナンデスには慢性外傷性脳症(CTE)の兆候が見られたため、家族は死後、ヘルナンデスの脳を医学的調査のために提供した。ボストン大学CTEセンターのセンター長のアン・マッキー(Ann McKee)は2017年11月9日、医学学会で調査の結果を発表した。ヘルナンデスの脳はステージ3のCTEを患っており、著しい前頭葉の損傷が見られた。このレベルのCTEはこれまで46歳以下の患者には見つかっていないほどのものであり、またこれほど深刻なCTEは一般に意思決定、暴力衝動の抑制を困難にするものだ、とマッキーは説明した。
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