忠犬ハチ公とは? わかりやすく解説

ちゅうけん‐はちこう【忠犬ハチ公】

読み方:ちゅうけんはちこう

東京帝大教授上野英三郎飼い犬ハチのこと。主人死後渋谷駅前でその帰り待ち続けたという。昭和初期美談として話題になった

忠犬ハチ公の画像

忠犬ハチ公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 07:33 UTC 版)

忠犬ハチ公(ちゅうけんハチこう)は、日本忠犬大正末期から昭和初期にかけて、東京市渋谷駅まで飼い主の帰りを出迎えに行き、飼い主の死去後も約10年にわたって通い続けて飼い主の帰りを待ったという逸話で知られる。


注釈

  1. ^ 生年月日には、「大正12年12月16日」説もある。
  2. ^ 斉藤宅は、元国連事務次長明石康の母親の実家である。
  3. ^ 山梨日日新聞』昭和57年1月9日 甲斐犬物語8ハチ公1 教科書には「いつも決まった時間に主人を迎えに行く」とあるが、当時の上野は大学教授だったので、出勤も帰宅も不規則だった。そのころ高橋も渋谷駅を利用していた。しかし、ハチは主人の出勤、帰宅に関係ない時間帯に駅前をぶらぶらしていた。高橋は「ハチ公が駅のまわりをぶらぶらしているのを見て、駅員が勝手に解釈したのではないだろうか」と言う。
    『山梨日日新聞』1982年1月10日 甲斐犬物語9ハチ公2 高橋者「あまり騒ぐと秋田犬を飼う人におこられるので!」と注釈をつけ「忠犬ハチ公の話はデッチ上げたものだと思う」と結論づける。「ハチ公の話は戦争中、盛んに、“忠義”という言葉が乱用され、ハチ公もその忠義宣伝のために利用された」と分析する。

出典

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忠犬ハチ公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 22:27 UTC 版)

秋田犬」の記事における「忠犬ハチ公」の解説

忠犬ハチ公が縁で、秋田県大館市ハチ出生地)、東京都渋谷区ハチ暮らした街)、三重県津市飼主の上野英三郎出身地)、山形県鶴岡市逸話広めきっかけとなった斎藤弘吉出身地)で自治体間の交流がある。

※この「忠犬ハチ公」の解説は、「秋田犬」の解説の一部です。
「忠犬ハチ公」を含む「秋田犬」の記事については、「秋田犬」の概要を参照ください。

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