心のモジュール性とは? わかりやすく解説

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心のモジュール性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 19:15 UTC 版)

心のモジュール性(こころのモジュールせい、:Modularity of mind)とは、が特定の機能を果たすために個別の生得的な構造を基盤に持ち、それぞれが進化的に発達したという概念を指す。この概念の支持者はノーム・チョムスキー普遍文法生成文法が最初にこの概念を示唆したと考えている。チョムスキーの言語に関する解明は、言語がの中の「言語獲得装置」に由来することを示唆している。この装置は自律的で言語の急速な学習に専門化された「モジュール」であると仮定された。




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心のモジュール性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/04 09:24 UTC 版)

進化心理学」の記事における「心のモジュール性」の解説

詳細は「心のモジュール性」を参照 ジェリー・フォーダーが心のモジュール性を提唱すると、進化心理学者はこれを支持した。そしてフォーダーが想定した上のモジュール仮定した。これを大量モジュール仮説Massive Modular HypothesisMMH)と呼ぶ。モジュールどのように存在するか、高次認知プロセスモジュール化されているのか、モジュール同士がどれだけ独立しているかなど詳細に合意がない。以下の説明レダ・コスミデスジョン・トゥービーらの想定するモジュールである。モジュール通常領域特異的、あるいは内容特異的システムなどと呼ばれる。より高次認知能力や、極端な行動主義想定されていた汎用学習装置領域一般的システムなどと呼ばれる領域一般的 情報処理装置領域一般的であっても同時に専門的機能を持つことがあり得る。それは多くモジュール作用することができる。古典的条件付けオペラント条件付け適例提供する伝統的な視点では、時間的空間的な連続性学習装置刻みつけられる考えたが、適応主義アプローチでは条件付け引き起こすメカニズム野生効率的に採餌するために機能特化されていると考える。報酬の量は餌を探し回る状況によって異なるために、上手く設計され装置程度違い敏感なくてはならず、採餌率の変化気付なければならない領域特異的 領域制限され装置内容与えられることができる。例え人間の顔認識モジュール幼児両親の顔を見分けるのに役立つが、植物認識するのには役に立たないこのような内容(や傾向)を含んだ専門領域は、内容のない推論システムよりも急速な学習を可能とする。 大量モジュール仮説では顔、感情、場所、動物ヘビ、体の部位果物と野菜植物、血などを即座に判別する認識モジュールがあると考える。また認知的発達研究はいくつかの専門化された推論モジュール存在することを示唆する例えば素心理学、素生物学、素物理学、数の概念などである。自閉症前頭葉損傷した人は他者の心を推論するのが上手くないが、他の物理的推論能力おおむね平常である。コスミデスらは人間多目的柔軟な思考行動は、多数進化的な専門システムを含む認知構造の上成り立つと考えるが、ポール・ロジンのような他の人々は各モジュール相互作用一般認知能力だと考える。

※この「心のモジュール性」の解説は、「進化心理学」の解説の一部です。
「心のモジュール性」を含む「進化心理学」の記事については、「進化心理学」の概要を参照ください。


心のモジュール性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 14:30 UTC 版)

生得論」の記事における「心のモジュール性」の解説

生得論ジェリー・フォーダーノーム・チョムスキースティーブン・ピンカー業績と関係が深い。特にピンカーは、人間には生まれながらにして認知モジュール特定の神経構造持ち遺伝的専門化された精神能力)があり、それによって学習し特定のスキル例え言語)を獲得できる主張した例えば、子供話し言葉自然に覚えるが、読み書きそれなりの訓練が必要である。『人間本性考える』の中でピンカーは、これを人間言語獲得専門化された器官持っている証拠だとした。 モジュール性証拠としてあげられるのは他の脳機能保ったままの失読症存在、顔認知機能障害自閉症児の心の理論欠如などである。FOXP2遺伝子変異重大な言語障害もたらす事が判明しており、DNA配列解読されている。この遺伝子はしばし言語遺伝子呼ばれる(しかしFOXP2それだけ言語能力をすべてコードしているわけではない)。さらにピンカー食べ物好み道徳関わる感情道具の使用などもモジュール化されていると考えている。 心のモジュール性をどの機能にどの程度どのような形で認めるかは認知科学者の間でも議論がある。コネクショニストは全く認めていない。ピンカー進化心理学レダ・コスミデスジョン・トゥービー多数モジュール認めるが、進化心理学の間でも意見一致がない。フォーダー自身ピンカーやコスミデスらの「多数モジュール説」に批判的である。発達心理学者パトリシア・グリーンフィールドは生まれたばかりはモジュール整っておらず、二歳頃にならない完成しない主張している。アネット・カーミロフ=スミス経験学習モジュール形成影響与えると考えている。また彼女の視点ではモジュールは一体となって働くことが可能であり、それが一般知能構成している。

※この「心のモジュール性」の解説は、「生得論」の解説の一部です。
「心のモジュール性」を含む「生得論」の記事については、「生得論」の概要を参照ください。

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