常時商用方式
別名:常時商用給電方式
【英】standby type UPS
常時商用方式とは、無停電電源装置(UPS)の電源方式の1つで、通常時は入力された交流電源をバッテリーに供給し、電源異常の際にはバッテリーからの出力に切り替え、インバーターを経由して電気を送る方式のことである。
常時商用方式では、電源が正常な時はインバーターを使用しないため、消費電力が小さく、効率も良い。しかし、入力電圧の変動がそのまま出力されてしまうため、出力電圧の精度が悪くなることもある。また、電源が正常な場合はインバーター回路は動作せず、電源異常が発生した場合に稼動するが、この切り替えに約4~10msec程度の時間がかかってしまう。つまり、この間の電源供給が途切れることになる(瞬断)。現在のコンピュータでは、この程度の瞬断でデータが落ちることなどはないように設計されているが、ミッションクリティカルなシステムにおいては、安定性のある常時インバーター方式のUPSが採用されることが多い。
UPSの電源方式には「常時インバーター方式」と呼ばれる方式もある。常時商用方式のUPSは、常時インバーター方式のものと比べて安価であるため、特に企業内のクライアントやSOHO、あるいは、家庭などで利用されることが多い。
常時商用給電方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 08:57 UTC 版)
オフラインスタンバイ方式ともいう。商用電源が正常なときは商用電源を負荷に供給しながら、商用電源を整流器で直流に変換し、二次電池を充電する方式である。商用電源が停止または周波数が乱れたとき、商用電源を切り離しインバータから機器に供給する。常時インバータ給電方式と比較して、商用電源が正常なときはインバータが動作しないか無負荷になり、損失が小さくなる利点がある。その反面、商用電源停止時の切り替え変動がやや大きくなる欠点がある。 このことから、電圧低下や電力波形の乱れがある程度許される需要機器に用いられることが多い。比較的安価であり、商用電源停止時に電源補償時間内に負荷機器を停止する装置と組み合わせて、端末機器用に分散配置されることも多い。 なお、常時商用給電方式でのインバータの動作形態には、インバータが無負荷で運転・待機しているホットスタンバイ、商用電源供給中はインバータが停止しているコールドスタンバイの2種類がある。 具体的な回路構成としては、以下の方法などがある。 スタンバイパワーシステム(SPS) 商用電源が停止、または周波数が乱れたとき、素早く商用電源からインバータ供給に切り替える。この目的から半導体スイッチが使われることが多い。 トライポートUPS 2入力・1出力のトライポート変圧器を利用して、供給元の電源を切り替える方式をとる。2つの入力間は絶縁されている。 系統連携型 二次電池接続用として、充電用コンバータとインバータを兼用した回路を使用する。常時は商用電源から充電用コンバータとして二次電池に充電し、異常時にインバータ動作に切り替え、商用電源と同期・連携を図りながら供給する。
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