山形和美とは? わかりやすく解説

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山形和美

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/13 01:40 UTC 版)

山形 和美(やまがた かずみ、男性、1934年3月19日 - 2019年5月21日)は、日本の文学研究者翻訳家筑波大学名誉教授。専門は、近代イギリス文学、日本・欧米比較文学及び文学理論、日本近代キリスト教文学。

娘はフルート奏者の山形由美[1]

経歴

1957年西南学院大学文学部卒業、1959年東京教育大学大学院文学研究科(英文学専攻)修士課程修了、博士課程中途退学。1959年西南学院大学短期大学部助手、1960年同大学文学部専任講師、1963年専修大学法学部専任講師、1967年助教授、教授、1973年フェリス女学院大学文学部助教授、教授、1979年筑波大学現代語・現代文化学系教授、文芸言語研究科教授、1997年定年退官、名誉教授、清泉女子大学文学部教授。のち恵泉女学園大学人文学部教授、鶴見大学文学部教授、聖学院大学アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科教授。

1994年「グレアム・グリーンの文学世界 - 異国からの旅人」で筑波大学文学博士文部省の在外研修制度により1984年から1年間イギリスのケンブリッジ大学ウルフソン・コレッジに在籍し研究に従事した。オリンピア学士院会員(ヴィチェンツァ、イタリア、1976 - 現在)、日本英文学会理事、日本キリスト教文学会を創設し、会長、日本T・S・エリオット協会役員を経て、日本C・S・ルイス協会、日本グレアム・グリーン協会会長。

2013年、瑞宝中綬章受章[2][3]

2019年5月21日、肺炎のため栃木県那須塩原市の病院で死去。85歳没[4]

著書

  • 『岩のつぶやき - 現代キリスト教徒文学論』(笠間書院) 1973.12
  • 『G・グリーン - 呪縛と幻視』(冬樹社) 1977.10
  • 『現代文学の軌跡 - 想像力と変容』(中教出版) 1980.1
  • 『開かれた言葉 - 文学空間の亀裂』(彩流社) 1992.4
  • 『グレアム・グリーンの文学世界 - 異国からの旅人』 (研究社出版) 1993.12
  • 『日本文学の形相 - ロゴスとポイエマ』(彩流社) 1994.3
  • 『言語空間の崇高性 - ロゴスへの意志』(彩流社) 1999.8
  • 『G・ K・チェスタトン』(清水書院) 2000.12
  • 『文学の境界域 - 情と知の対峙』(彩流社) 2002.2
  • メドゥーサからムーサへ 文学批評の布置』(彩流社) 2004.3
  • 「山形和美全集」全14巻(彩流社, オンデマンド版) 2008.10:日本キリスト教文学会特別賞受賞(2009.5)
    第1卷『岩のつぶやき』
    第2卷『T・S・エリオット(一)』
    第3卷『T・S・エリオット(二)』
    第4卷『グレアム・グリーン(一)グレアム・グリーンの文学世界』
    第5卷『グレアム・グリーン(二)グレアム・グリーンの文学世界』
    第6卷『グレアム・グリーン(三)グリーンの単行論集』
    第7卷『シルキン』と『チェスタトン』
    第8卷『C・S・ルイス(一)』
    第9卷『C・S・ルイス(二)』
    第10卷『現代批評の況位』
    第11卷『文学の衰退と再生』
    第12卷『現代日本文学』
    第13卷『文学 - その内と外』
    第14卷『講演集』
  • 『グレアム・グリーン入門 特異な人間性と迫力に満ちた文学世界』(彩流社) 2010.12

共編著

  • 『小説の語り』(岡本靖正, 岩元巌共編、朝日出版社) 1974
  • 『小説の時間』(岩元巌, 岡本靖正共編、朝日出版社) 1975
  • 『小説の空間』(岡本靖正, 岩元巌共編、朝日出版社) 1976
  • 『C・S・ルイスの世界』(こびあん書房) 1983.12
  • 『英語名句事典』(大修館書店) 1986.9
  • 『G・K・チェスタトンの世界』[改訂版](研究社出版) 1986.9
  • 『新しきミューズ - キリスト教文学の可能性』(新教出版社) 1987.5
  • 『C・S・ルイス「ナルニア国年代記」読本』(竹野一雄共編、国研出版) 1988.9
  • 『昭和文学60場面集 - 小説空間を読む - 居住編』(鈴村和成共編著、中教出版) 1990.3
  • 『聖なるものと想像力』上・下(彩流社) 1994.3
  • 『キリスト教文学事典』(教文館) 1994.7
  • 『愛のモチーフ - イギリス文学の風景』(彩流社) 1995.12
  • 『差異と同一化 - ポストコロニアル文学試論集』(研究社出版) 1997.3
  • 遠藤周作 - その文学世界』(国研出版) 1997.12
  • 夏目漱石事典』(平岡敏夫, 影山恒男共編、勉誠出版) 2000.2
  • 『キリスト教辞典』(岩波書店) 2002.6
  • 『グレアム・グリーン文学事典』(彩流社) 2004.9:第4回日本キリスト教文学会賞[研究・評論部門]受賞(2005.5)

翻訳

  • 『随筆選』(G・K・チェスタトン評論社) 1967.4
  • 『新しい文芸批評の方法』(C・S・ルイス、評論社) 1969.6
  • T・S・エリオット』(S・ハイマン、共訳、大修館書店) 1974.2
  • 『秘義の発生 - 物語解釈をめぐって』(フランク・カーモード、ヨルダン社) 1982.4
  • 『色とりどりの国』(G・K・チェスタトン、尾崎安共訳、教文館) 1987.7
  • 『誰がモーセを殺したか - 現代文学理論におけるラビ的解釈の出現』(ハンデルマン、法政大学出版局) 1987.10:第25回日本翻訳文化賞受賞
  • 『古代ギリシア人』(M・I・フィンレー、法政大学出版局) 1989.3
  • 『聖書の文学』(L・ライケン、監訳、すぐ書房) 1990.7
  • 『聖なる真理の破壊 - 旧約から現代にいたる文学と信』(ハロルド・ブルーム、法政大学出版局) 1990.11
  • 『始まりの現象 - 意図と方法』(エドワード・サイード、小林昌夫共訳、法政大学出版局) 1992.2
  • 『重大なる疑問 - 懐疑的省察録』(E・シャルガフ、監訳、法政大学出版局) 1992.7
  • 『読みの快楽』(R・オールター、共訳、法政大学出版局) 1994.10
  • 『英語迷信・俗信事典』(オウピー他、監訳、大修館書店) 1994.7
  • 『トム&ヴィヴ - 詩人の妻』(マイケル・ヘイスティングズ、彩流社) 1995.4
  • 『世界・テキスト・批評家』(サイード、法政大学出版局) 1995.7
  • ヨブ記 I』(マシュー・ヘンリー、すぐ書房) 1995.12
  • 『理論の意味作用』(テリー・イーグルトン、法政大学出版局) 1997.9
  • 『C・S・ルイス著作集 第4巻』(すぐ書房) 1997.2
  • ロマン主義のレトリック』(ポール・ド・マン、岩坪友子共訳、法政大学出版局) 1998.3
  • 『グレアム・グリーン伝 - 内なる人間』上・下(マイクル・シェルデン、早川書房) 1998.9
  • 『C・S・ルイス文学案内事典』(W・フーパー、監訳、小野功生ほか訳、彩流社) 1998.9
  • 『キリスト教名句名言事典』(小塩節, 濱崎史朗共編訳、教文館) 1998.1
  • 『ニュー・ミメーシス - シェイクスピアと現実描写』(A・D・ナトール、山下孝子共訳、法政大学出版局) 1999.9
  • 『力に満ちた言葉』(ノースロップ・フライ、法政大学出版局) 2001.7:第1回日本キリスト教文学会賞[翻訳部門]受賞(2002,5)
  • 『シェイクスピアと聖書』(S・マークス、日本基督教団出版局) 2001.9
  • 『廃棄された宇宙像 - 中世・ルネッサンスへのプロレゴーメナ』(C・S・ルイス、監訳、小野功生, 永田康昭訳、八坂書房) 2003.4
  • 象徴主義の文学運動 完訳』(アーサー・シモンズ、平凡社ライブラリー) 2006.3
  • 『T・S・エリオット』(クレイグ・レイン、彩流社) 2008.5
  • 『神学と文学』(T・R・ライト、聖学院大学出版会) 2009.7
  • 『オリンピア劇場への誘い』(レーモ・スキアー、ヴォアカデミア・オリンピカ、ヴィチェンツァ、イタリア) 2010
  • 『グレアム・グリーンと第三の女』(ウィリアム・キャッシュ、彩流社) 2010.4
  • 『マリア・クロス 現代カトリック系作家の想像力作用のパターン』(ドナト・オドンネル、彩流社) 2011.12
  • 『なぜ書くか − エリザベス・ボウエン / グレアム・グリーン / V・S・プリチェットの往復書簡集 −』(彩流社) 2012.12

脚注

  1. ^ 林望『イギリスは愉快だ』(平凡社、1991)158p
  2. ^ 「秋の叙勲」『読売新聞』2013年11月3日朝刊
  3. ^ 平成25年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 21 (2013年11月3日). 2015年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月1日閲覧。
  4. ^ “筑波大名誉教授の山形和美氏死去、85歳”. 時事通信社. (2019年8月1日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2019080100615&g=obt 2019年8月1日閲覧。 



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