山口信夫とは? わかりやすく解説

山口信夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 08:20 UTC 版)

山口 信夫(やまぐち のぶお、1924年12月23日 - 2010年9月14日)は、日本実業家。第17代日本商工会議所会頭、元旭化成代表取締役会長・代表取締役名誉会長。2007年旭日大綬章

来歴・人物

広島県甲奴郡総領町(現・庄原市)出身。1942年広島高等師範学校附属中学(現広島大学附属高校)卒業、1943年陸軍予科士官学校卒業を経て、1945年6月陸軍士官学校(58期)を首席で卒業し、少尉として平壌へ出征。ソ連タタール共和国での抑留生活を経験した。

復員後の1952年東京商科大学 (旧制)(現・一橋大学)卒業、同年旭化成入社。同社の「中興の祖」宮崎輝元社長の右腕となり、1974年住宅事業部長に就任し赤字部門からグループ内で最も利益を上げる部門に転換させた。

常務、副社長を経て1992年、宮崎会長が現職のまま死去すると代表取締役会長に就任。グループ内の多くの事業を再編成、同社を日本一の総合化学会社に躍進させ、世界でも12位にランクされた(2000年)。弓倉礼一、山本一元蛭田史郎、藤原健嗣といった歴代社長人事を決定するなど、宮崎亡き後の絶対権力者として長年君臨した[1]

また、宮崎が種を蒔いたといわれる、総花的に活動を行っていた社内スポーツ部を陸上競技部、柔道部、バレーボール部の三つのみに集中した。この三つの部は日本有数の強豪チームに育ち、多くのオリンピックメダリストや選手、指導者を輩出した。

2001年から外務省顧問、2004年から読売新聞グループ本社監査役。その他積水化学工業取締役、東京商工会議所副会頭、アサヒビール取締役、日本テレビ放送網取締役などを歴任。2001年7月12日、日本商工会議所会頭に就任した。

他に株式会社旭リサーチセンター代表取締役会長、財団法人日本本容器包装リサイクル協会理事長、21世紀臨調特別顧問、中小企業庁中小企業政策審議会会長、日本銀行参与、財団法人財務会計基準機構評議員、日本経済団体連合会常任理事、日本産業デザイン振興会(グッドデザイン賞)会長、地上デジタル推進会議議長、全日本実業柔道連盟会長、アサヒビール取締役、財団法人国民精神研修財団理事長、全国防衛協会連合会会長、東京都防衛協会会長、21世紀臨調特別顧問、同台経済懇話会副代表幹事、住宅生産団体連合会会長他、多くの役職を務めていた。

巨人を応援する財界人の団体「燦燦会」の会長を2007年から務めた。2007年石原慎太郎東京都知事の三選目の選挙において参謀を務めた。2007年11月日本商工会議所名誉会頭、2008年10月、民営化された株式会社商工組合中央金庫取締役就任[2]。2008年10月から財団法人国民政治協会第9代会長。

2010年9月14日、心不全の為東京都中央区の病院で死去[3]。85歳没。2011年度3億8400万円の役員報酬が支払われた。叙正三位[4]

略歴

  • 1924年12月 広島県生まれ
  • 1945年 陸軍士官学校卒業(首席)
  • 1952年 東京商科大学 (旧制)(現・一橋大学)卒業、旭化成入社
  • 1992年4月 旭化成株式会社代表取締役会長
  • 2001年7月 日本商工会議所会頭、外務省顧問
  • 2007年11月 日本商工会議所名誉会頭
  • 2008年10月 株式会社商工組合中央金庫取締役
  • 2010年4月 旭化成株式会社代表取締役会長退任、同社代表取締役名誉会長
  • 2010年9月 死去

関係書籍

  • 『人間山口信夫―信じた道を曲げず』(綱淵昭三著、中央公論新社、2007/8、ISBN 978-4120038471

脚注

  1. ^ 「旭化成、「死ぬまでトップ君臨」経営に決別 」2014/1/27 7:00日本経済新聞
  2. ^ 「商工中金、民営化後の新体制発表 - ビジネス」 asahi.com(朝日新聞社)、2008年8月6日。[リンク切れ]
  3. ^ 日商前会頭:山口信夫氏が死去 産経新聞 2010年9月14日閲覧 Archived 2010年9月18日, at the Wayback Machine.
  4. ^ 『官報』第5684号、平成22年10月18日
先代
宮崎輝
旭化成会長
1992年 - 2010年
次代
伊藤一郎
先代
稲葉興作
日本商工会議所会頭
第17代:2001年 - 2007年
次代
岡村正
先代
稲葉興作
国民精神研修財団理事長
第9代:2002年 - 2007年
次代
岡村正
先代
稲葉興作
東京都共同募金会会長
第9代:2001年 - 2007年
次代
岡村正




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