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少年雑誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/05/17 18:41 UTC 版)

少年雑誌(しょうねんざっし)とは、少年層を読者に想定した総合雑誌のことである。

目次

概要

少年雑誌はかつては他の年代層向けの雑誌同様に、文化的な記事も見られた一方で読み物や絵物語が中心で漫画も載せていた。しかし現在では活字媒体は読書離れにも絡んで敬遠されるため、漫画が主体となっている雑誌が中心である。よりおだやかな表現で低年齢読者向けの雑誌は児童雑誌(じどうざっし)と呼ばれることが多い。

少年雑誌は明治時代から存在し、大正から昭和にかけて『少年倶楽部』・『日本少年』が人気を得た。更に興隆を見たのは戦後復興期から高度経済成長期にかけてのようである。

第二次世界大戦前後に発展した貸本業向けの赤本漫画で育った多くの漫画家が作品を提供した。高度経済成長期より次第に児童・少年らが経済的に豊かになる中で、月刊誌は月極めの小遣いから多くを割いて繰り返し読まれるために一話完結の、週刊誌は安価で読み終わったら捨てるか友人の間で貸し借りされるなどして続きもののストーリー漫画が好まれる傾向へと分化していった。

戦後復興期から1960年代の初めまで講談社の『ぼくら』・『少年クラブ』、集英社の『幼年ブック(『日の丸』)』・『おもしろブック(『少年ブック』)』、光文社の『少年』、少年画報社の『少年画報』、秋田書店の『漫画王(『まんが王』)』・『冒険王』、『漫画少年』等が相次いで発刊され、小学生に大人気を博した少年雑誌は子供達にとって漫画雑誌というだけでなく、世界の情報の発信源であった。

1960年代から子供達の興味がテレビに移項すると、1959年に創刊された『週刊少年サンデー』や『週刊少年マガジン』のような漫画主体の週刊雑誌が中心となっていく。

一方小学校低・中学年を対象とした『コロコロコミック』などの月刊誌も創刊された。熱心な科学少年にとっては誠文堂新光社の『子供の科学』が定番であるがマイナーな位置に留まっている。

また少年と表記しているが実際は大人も読んでおり、青年雑誌より少年雑誌のほうが好きな大人も少なくない。友達親子を望む若い母親は密かに『週刊少年ジャンプ』を愛読しており、息子に少年キャラクターの名前(多くはラブコメディの主人公)をつける場合も少なくない。その一方で中学生高校生は青年誌などに移行することが多い。

ある雑誌が少年層を読者に想定しているかどうかは、漢字の振り仮名ルビ)が教育漢字(学習漢字)にまで付けられているかどうかが判断の目安となる。教育漢字にルビが付いていれば、概ね小学生以下が主な対象読者に含まれると見てよい。

内容の変化

当初より少年雑誌は少年が好むであろう冒険活劇を主体とした作品が多く、またサイエンス・フィクション(SF)調の作品も好まれている。読者層のかっこいいものへの憧れや遊び方を反映して、古くは日本軍を主体とした軍事物戦記物、日本が豊かになるにつれてスポーツ選手自動車テレビゲームなどを特集や漫画などの形でとりあげてきた。

テーマ的には努力根性友情といった物が見られたが、過剰にその要素が謳われる作品も多く見られた。そのため1990年代より青少年層からそれらのテーマに対して「暑苦しい」・「わざとらしい」・「ご都合主義的だ」とする反動的な拒否感も見られ、根性に関しては根性論の否定が起こった一方、当時の社会風潮とも言われたさめたムードの中でしばしば揶揄の対象ともなっているが、人気作品の中には相変わらずそのような物が多い。

近年では多発する動物虐待凶悪犯罪事件への警戒から、出版側でも自主規制でそのような描写を作者側に避けるよう指示する傾向も見られる。一部では憎むべきキャラクター(→勧善懲悪)を演出するためによりあざとい残虐描写を取り入れる作品も見られ、また現代では希薄と成った「」というテーマを挙げる作品もあるがその描写が保護者層などに問題視されるという現象も見られる。

現代では高度なメッセージ性を含む文学調の作品も掲載される一方、いわゆる「緩い」展開の漫画も見られ、多様化は留まるところを知らない。少年雑誌に限ったことではないが現代の漫画家は一種の制作プロダクション状態にあり、多数のアシスタントを擁するのが一般的である。安定した作品供給が求められている事や、緻密な描写の作品が好まれる傾向もあって漫画作品の制作風景は従来の職人芸・芸術的な活動から分業生産体制に移行している。その一端にはおたく市場の拡大にも伴い、同人誌活動をしていた側からの人員調達が容易となった社会背景の変化も関連付けられるといえる。

1970年前後に永井豪らの作品中にあった性的な内容を含む描写が大きな議論を呼んだが、1980年代頃からの水着アイドルグラビア掲載(→グラビアアイドル)、1990年代よりは更に性的描写を含む作品の増大といった傾向も見られる。この性的描写増大傾向では従来少年雑誌向けの作品に収まらなくなったものが分化して、性的興奮を目的とする青年漫画雑誌の発達といった傾向も生んでいるようである。

広告媒体として

戦後の少年雑誌・少女雑誌の発達に伴って通信販売広告も頻繁にこれら雑誌の紙面を飾ったが、特に少年雑誌では少年層向けの玩具類やサプリメントコンプレックス産業)といった業者が、その膨大な発行部数にも絡んで、高度経済成長期以降に大きく発展している。ただこれら通信販売ではいかがわしい・効果が不確かな・危険な物品を販売する業者も後を絶たず、1980年代より社会問題化した有害玩具の多くはこの通販業者の出した広告経由で、年齢も定かではない客に向けて販売された。これに関してはしばしば教育関係者にも問題視する向きもあり、保護者の中には漫画を読みふける以上に少年雑誌にそのような広告が載っていることをもって嫌う人も見られる。

その一方でメディアミックスタイアップ作品は1980年代よりしばしば出るようになったが、1990年代より活発化して様々な商品を売り込むための作品群や広告が紙上を飾る傾向も強い。その一方でアニメ市場の活性化にも伴い、少年雑誌上で人気投票が行われてこの人気投票上位作品が連続的にテレビアニメ作品として放映されるようになり、少年雑誌とテレビメディアやOVA作品、加えて関連する製品を販売する玩具メーカーとの繋がりは密接化している。

2000年代では、このような漫画作品・アニメ作品・玩具メーカーの連携に加え、コンピュータゲームでも漫画作品に端を発するキャラクターゲームの宣伝活動の一種として、少年雑誌上で大掛かりな特集記事を組むことが、当たり前の販売戦略となっている。この辺りにはドラゴンクエストシリーズ1986年~)に源流を見出すことができる。この作品は、キャラクターデザインを漫画家の鳥山明が担当したことに関連し、鳥山作品を主に掲載していた週刊少年ジャンプ誌上に制作途中から頻繁にタイアップ特集記事が掲載されたこともあり、発売日当日には玩具店やゲームソフト販売店の前に長い列ができるなどして、爆発的なヒットを記録した。

またグラビア掲載では古くは一定の認知度があるアイドルの写真を販売促進のための付録として扱っていたようだが、1980年代より積極的に新人アイドルも掲載するようになった事から、芸能事務所の商品であるアイドルの社会的認知度増大の活動の一端としてこのグラビアページを活用する傾向も見られ、かつてはアイドル雑誌が担っていた紙媒体でのアイドル宣伝活動をこの少年雑誌に振り分ける傾向も見られる。

日本の主な少年雑誌

週刊少年雑誌

児童向け雑誌

関連項目


少年 (雑誌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/11/17 13:20 UTC 版)

少年』(しょうねん)は、光文社発行の月刊少年漫画雑誌1946年昭和21年)11月に創刊、1968年(昭和43年)3月に休刊

歴史

創刊当初は戦前の『少年倶楽部』等の流れを汲み、A5判の読物中心の編集であった。その中で江戸川乱歩作の読物として「怪人二十面相」を始めとした少年探偵団シリーズが連載され、怪人二十面相と闘う「明智小五郎」や助手の小林少年の話が喝采を浴びた。

しかし、『少年画報』、『冒険王』などといった後発の少年雑誌が漫画絵物語を中心とした編集で急成長を遂げると、同誌も漫画に力を入れるようになり、1952年手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』の連載が開始され、1954年1月号からは他誌に追随しサイズがB5判に拡大される。

昭和30年代(1955年~)に入ると横山光輝の『鉄人28号』、堀江卓の『矢車剣之助』で弾みをつけ、さらに30年代の後半には白土三平の『サスケ』、関谷ひさしの『ストップ!にいちゃん』、藤子不二雄Aの『忍者ハットリくん』といった人気漫画作品を次々と生み出し、少年雑誌No.1のポジションを『少年画報』から奪い取った。また、同誌は付録にも力を入れ、別冊付録としての小冊誌(漫画)が何冊も付いた他、様々な小物が付録として付けられる時もあった。

このように一世を風靡した少年月刊誌のひとつであったが、昭和40年代(1965年~)に入るとテレビと少年週刊誌の台頭によって月刊誌のポジションが急速に奪われ、売れ行きが伸び悩むようになり、ついに1968年3月号限りで休刊を余儀なくされた。

復刻

光文社文庫から、『「少年」傑作集』として掲載作品(漫画・絵物語・口絵など)の一部を抜粋したシリーズが刊行された。作品だけでなく、本文広告なども当時のものが掲載されている。全6巻。

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