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日本オペレーションズ・リサーチ学会日本オペレーションズ・リサーチ学会

寿命分布

読み方じゅみょうぶんぷ
【英】:lifetime distribution

概要

アイテム故障するまでの時間分布のこと. 特に, 寿命時間連続確率変数とし, その確率密度関数f(t) \, (t \geq 0) \, とするとき, 時刻 t\, ( \geq 0) \, における寿命分布(累積分布関数) F(t) \, は, \textstyle F(t) = \int_0^t f(x) {\rm d}x\, となる (F(0) = 0, F(\infty) = 1) \,. すなわち, 寿命分布 F(t) \, (t \geq 0) \,時刻 t\, までに故障する(時刻 t\,故障している)確率を表す. また, 時刻 t\, ( \geq 0) \, における信頼度R(t) \, とすると F(t) + R(t) = 1\, となる. 代表的なものとしてワイブル分布がある.

詳説

信頼性モデルで用いられている代表的3つの寿命分布 [1, 2, 3] について述べよう.

(i) 指数分布 (exponential distribution)


F(t) = 1 - {\rm e}^{-\lambda t} \ \ \ \ \ (t \ge 0,~ \lambda > 0) \,

r(t) = \lambda \,


故障率一定となるのは指数分布場合のみである. 故障率一定であることは故障しやすさ時間的変化しないということであるから, 無記憶性と同じ意味である. 当然, 偶発故障であることと指数分布同義である.

(ii) ガンマ分布 (gamma distribution)


f(t)= \frac{\lambda (\lambda t)^{n-1} {\rm e}^{-\lambda t}}{\Gamma(n)} \ \ \ \ \ (t \geq 0,\ \lambda>0,\ n>0) \,


ただし, \Gamma(n)\,次数n\,ガンマ関数である. 特に, n\,自然数(正整数)ならば, \Gamma(n) = (n-1)!\,~となり, 分布関数


F(t)=1-\sum_{i=0}^{n-1}{(\lambda t)^i\over i!}{\rm e}^{-\lambda t} \,


となる. もちろん, n=1\,のときは指数分布である. n\ge1\,ならば, ガンマ分布IFRとなり, 0<n\le1\,ならばDFRとなる.

(iii) ワイブル分布 (Weibull distribution)


F(t) = 1 - {\rm e}^{-\lambda t^m} \ \ \ \ \ (t\ge0,~ \lambda > 0,~ m > 0) \,

r(t) = \lambda m t^{m-1} \,


\lambda\,尺度パラメータ, m\,形状パラメータよばれる. m\ge1\,ならば, ワイブル分布IFRとなり, 0<m\le1\,ならばDFRとなる. 特にm=1\,のときは指数分布である. ワイブル分布寿命時間分布としてより用いられる. その理由パラメータが2つあり, いろいろな故障データ適合することである. 一方


\log_{\rm e} \log_{\rm e} \frac{1}{R(t)} = m \log_{\rm e} t + \log_{\rm e} \lambda \,


となるから, 縦軸\log_{\rm e} \log_{\rm e}[1/R(t)]\,関数目盛F(t)\,の値を, 横軸\log_{\rm e} t\,関数目盛t\,の値をとれば, t\,F(t)\,の関係は直線で示される. 故障データ関数方眼紙プロットして回帰直線引けば, パラメータ点推定, 区間推定, 信頼度などを求めることができる. この関数方眼紙ワイブル確率紙(Weibull probability paper)とよばれ, 市販されている. ワイブル確率紙は寿命分布がワイブル分布にしたがうかどうか判定や, もししたがう場合にはパラメータ推定, 信頼度推定などを求め簡便法として実用に供されている.

一般に, ほとんどのアイテムDFR初期故障期 (幼児期) , CFR偶発故障期 (青壮年期) を経て, IFR摩耗故障期 (老人期) になる. 人間の寿命についてもこのような変化をたどる. この故障率変化洋式浴槽似ているので浴槽曲線(bathtub curve)とよばれる. 保険数理においてはr(t)\,死力(force of motality)とよばれ, 保険, 年金保険料, 掛金算出根拠に用いられている.

さて, アイテムの寿命分布を F(t)\, とすれば, その平均MTTF (mean time to failure)


MTTF = \int_0^\infty t f(t) {\rm d}t = \int_0^\infty R(t) {\rm d}t \,


となる. 代表的な寿命分布として前出指数分布, あるいはガンマ分布, ワイブル分布などが代表的である. 一般的に, ロケットのように故障まで使うシステムは非修理システムよばれる. それに対して, アイテム動作故障そして修理繰り返す場合修理システムよばれる. 修理システムにおいては MTTFMTBF (mean time between failures) とよぶ.

修理システムにおいては, アイテム寿命時間分布 F(t)\, および修理時間 (repair time) 分布 G(t)\,導入する. G(t)\,平均MTTR (mean time to repair) とよばれる. そのとき, 定常アベイラビリティ


A = \frac{MTBF}{MTBF + MTTR} \,


となる. 定常アベイラビリティアイテム動作している平均時間の割合である. 一方, 瞬時アベイラビリティ A(t)\,時刻 t\,アイテム動作している確率を表し,


A = \lim_{t \to \infty} A(t) \,


となることも知られている.



参考文献

[1] R. E. Barlow and F. Proschan, Mathematical Theory of Reliability SIAM, Philadelphia, PA, 1996.

[2] R. E. Barlow and F. Proschan, Statistical Theory of Reliability and Life Testing, To Begin With, c/o Gordon Pledger, 1142 Hornell Drive, Silver Spring, MD 20904, 1981.

[3] 尾崎俊治, 『品質管理信頼性のための統計分布ハンドブック』, 日本規格協会, 1994.

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信頼性・保全性:  冗長性  取替え  回復技術  寿命分布  寿命推定  寿命検定  寿命試験





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