実験用中型放送衛星「ゆり」とは? わかりやすく解説

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ゆり

分類:人工衛星


名称:実験用中型放送衛星「ゆり」/Medium-scale Broadcasting Satellite for Experimental Purpose(BS)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関会社:郵政省電波研究所
打ち上げ年月日:1978年4月8日
運用停止年月日:1982年1月
打ち上げ国名機関:アメリカ(ETR)/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げロケット:デルタ2914型
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:1978039A

ゆりは、家庭衛星からのテレビ電波直接受信する直接放送衛星システムのための実験衛星です。将来放送需要対処するために、郵政省電波研究所(現 通信総合研究所)などによって各種実験おこなわれました。
しかし、1979年6月には3台搭載したテレビ中継用のマイクロ波進行波管(TWT)のうち、B系統が断たれ予備R系統に切り換えられましたが、その後1980年5月にはR系統、6月にはA系統が断たれました。原因は、いずれもTWT高圧電源部の放電です。電源部モジュール絶縁材不適当亀裂生じ、これに沿って高電圧放電生じたのです。そのため、これ以降伝播実験管制開発実験などがおこなわれました。そして、1982年1月燃料消費しつくし、運用終了しました

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
箱型本体に、翼のような展開型太陽電池パドルと、楕円アンテナ取り付けられた形をしています。大きさは約130cm ×130cm × 300cmで、重量は約350kg(静止軌道初期)です。
主要ミッション機器としては、放送用中継器(2チャンネル出力100ワット)に予備用TWTA1式、放送用アンテナ1基を搭載してます。姿勢制御は3軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム)で、設計寿命3年でした。

2.どんな目的使用されるの?
衛星通じて家庭テレビ電波を送る衛星放送システム技術的条件確立や、衛星放送システム制御運用技術確立のための実験、そして衛星からの電波受信効果確認実験目的として開発されました。

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
静止軌道投入後1978年7月20日から郵政省電波研究所中心として衛星放送各種実験おこなわれ数々成果もたらしました1980年6月搭載中継器送信機停止によって、以後伝播実験管制開発実験などがおこなわれましたが、1982年1月燃料をすべて消費し運用終了しました

4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
ゆり2号a/2号b、ゆり3号a/3号bのほか、補完衛星としてゆりN3号があります

5.どのように地球を回るの?
高度約36,000km、傾斜角0度、周期24時間東経110度の静止衛星軌道です。

参考文献:大林辰蔵監修日本宇宙科学19522001」(東京書籍)、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」(三田出版会)




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