定時決定(ていじけってい)
定時決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 01:41 UTC 版)
毎年7月1日現在使用される事業所において、同日前3ヶ月間(その事業所に継続して使用された期間に限り、かつ報酬支払基礎日数が17日(4分の3要件を満たさない短時間労働者については11日。以下同じ)未満である月があるときはその月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額(報酬月額)に基づき、標準報酬月額等級表の等級区分によって定められる(第41条)。つまり、通常は4~6月に実際に支払われた賃金(何月分であるかではなく)を用いて算定する。 「報酬支払基礎日数」とは、月給制であれば通常は就業規則等に定める所定労働日数が「報酬支払基礎日数」となるが、欠勤日数に応じ給与が差し引かれる場合は、所定労働日数から当該欠勤日数を控除した日数となる。 3ヶ月とも報酬支払基礎日数が17日未満である場合や報酬を受けられなかった場合は、引き続き従前の報酬月額を用いる(従前の標準報酬月額のままとなる)。 定時決定の対象月に一時帰休が行われ通常より低額の休業手当が支払われた場合は、原則としてその休業手当をもって算定する。ただし、決定の際にすでに一時帰休の状態が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以降に受けるべき報酬をもって算定する。決定後に一時帰休が解消した場合は随時改定の対象となる。 介護休業期間中の場合は、休業開始直前の報酬月額を用いて算定する(休業開始直前の標準報酬月額のままとなる)。 短時間就労者については、4~6月の報酬支払基礎日数により、以下のようにする。3ヶ月間とも17日以上であれば、3ヶ月間の報酬月額の平均額をもとに決定する。 1ヶ月でも17日以上の月があれば、17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定する。 3ヶ月とも15日以上17日未満であれば、3ヶ月間の報酬月額の平均額をもとに決定する。 1ヶ月でも15日以上17日未満の月があれば、15日以上17日未満の月の報酬月額の平均額をもとに決定する。 3ヶ月とも15日未満であれば、従前の標準報酬月額で決定する。 6月1日から7月1日までの間に被保険者資格を取得した者、7月~9月に随時改定、育児休業等終了時改定、産前産後休業終了時改定を予定している者については、定時決定の対象としない。 この方法で算出することが著しく不当なときは、保険者等が報酬月額を算定する(保険者等算定)。具体的には次のとおりである。なお健康保険組合の場合は、保険者等算定の方法は規約に定めなければならない。4~6月に、3月分以前の給与の遅配・遡及昇給がありその差額を一括して受ける場合、その差額分を差し引いて算定する。 4~6月に、低額の休職給・ストライキによる賃金カットがあった場合、その月を除いて算定する。3月ともあった場合は、引き続き従前の報酬月額を用いる(従前の標準報酬月額のままとなる)。 4~6月の3月間の報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年7月~当年6月までの報酬の月平均額から算出した標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合で、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合、年間報酬の平均で算定する。 定時決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで有効である。事業主は、毎年7月1日現に使用する被保険者(定時決定の対象とされない者を除く)の報酬月額について、7月10日までに日本年金機構等(健康保険では、保険者が協会けんぽの場合は日本年金機構、健康保険組合の場合は当該健康保険組合。船員保険では日本年金機構。厚生年金では各実施機関。以下「機構等」と略す。)に届け出なければならない(規則第25条)。「算定基礎届」という。
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