安部 幸明
東京音楽学校(現東京芸大)チェロ専攻卒業後、研究科にてプリングスハイムに作曲を師事。ヨーロッパ近代の和声法を徹底的に学ぶ。また同時期、山田耕筰らとローゼンストックに指揮法を師事。その後、日本現代作曲連盟での発表を中心に作曲活動を始める。戦後48年、平尾貴四男、高田三郎らと「地人会」を結成し、室内楽作品を発表。日本現代音楽協会委員長、エリザベト音楽短期大学教授、京都市立芸術大学音楽学部学部長を歴任した。作風は簡潔で明快。調性のない音楽を好まず、旋律の美しさと明瞭な形式を重視する。日本人作曲家としては珍しく、弦楽四重奏曲を多数創作。その数は15曲にのぼる。ヴァインガルトナ賞、毎日音楽文部省芸術選奨、芸術祭奨励賞など受賞。教え子には作曲家小山清茂、演奏家北川暁子らがいる。
安部幸明
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安部 幸明 | |
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生誕 | 1911年9月1日 |
出身地 | 日本 広島県広島市 |
死没 | 2006年12月28日(95歳没) |
学歴 | 東京音楽学校 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | 作曲家 |
安部 幸明(あべ こうめい、1911年9月1日 - 2006年12月28日)は日本の作曲家。
経歴
広島県広島市の軍人の家庭に生まれる。中学のころから音楽に興味を持ち始め、1929年(昭和4年)に東京音楽学校に入学してチェロを専攻。チェロをハインリヒ・ヴェルクマイスターに師事するも、やがてプリングスハイムに作曲を、ローゼンストックに指揮を学ぶ。1936年(昭和11年)新興作曲家連盟に参加[1]。同年末服部正が創設したコンセール・ポピュレール(後の青年日本交響楽団)に、チェロ奏者として参加している[2]。1939年に「チェロ協奏曲」でワインガルトナー賞一等賞を獲得し[3]、深井史郎・山田一雄・小倉朗らと同人「プロメテ」を設立。
終戦で除隊後も旺盛な作曲活動を続け平尾貴四男や高田三郎らで「地人会」を結成。伝統的な作風の新古典主義的な作曲家の1人であった。2つの交響曲と15の弦楽四重奏曲をはじめ、多くの室内楽曲や歌曲などを書いた。また、教授を務めた京都市立芸術大学、エリザベト音楽大学ほかで指導にあたり多くの後進を育てた。広島交響楽団の常任指揮者を務めるなど、広島の音楽界の草分けとしても知られた。1958年に芸術選奨文部大臣賞受賞、1960年に芸術祭 (文化庁)奨励賞受賞、1985年に勲三等瑞宝章受章。2006年12月28日午前9時、心不全のため東京都練馬区の老人ホームで死去。95歳。死後、従四位に叙された。
主要作品
管弦楽曲
- オーケストラのための主題と変奏曲(1936年)
- オーケストラのための小組曲(1936年)
- チェロ協奏曲(1937年)―ワインガルトナー賞1等賞受賞
- ピアノとオーケストラのためのパストラール(1945年)
- 喜遊曲―アルトサキソフォーンとオーケストラのための(1960年)
- 交響曲第1番(1957年) Symphony
- 交響曲第2番(1960年)
- オーケストラのためのセレナーデ(1963年)
- シンフォニエッタ (1964年) Sinfonietta
- 弦楽合奏のためのピッコラ・シンフォニア(1985年) Piccola sinfonia
吹奏楽曲
- 南十字星下を行く(1942年)
- 行進曲「あふれる元気」 March "Virgo! it's wonderful"
室内楽曲
- 弦楽四重奏曲第1番(1935年)
- 弦楽四重奏曲第2番(1936年)
- 弦楽四重奏曲第3番(1939年)
- フルートとピアノのためのソナタ第1番(1942年) Sonata no. 1 for flute and piano
- クラリネット五重奏曲(1942年)
- 弦楽四重奏曲第4番(1943年)
- 弦楽四重奏曲第5番(1946年)
- 弦楽四重奏曲第6番(1948年)
- フルートとピアノのためのソナタ第2番(1949年)
- 弦楽四重奏曲第7番(1950年)
- アルトサクソホーンとピアノのための嬉遊曲(1951年) Divertimento for alto saxophone & piano
- 弦楽四重奏曲第8番(1952年)
- 9楽器のための喜遊曲(1954年)
- 弦楽四重奏曲第9番(1955年)
- 六重奏曲(1964年)
- 弦楽四重奏曲第10番(1979年)
- 弦楽四重奏曲第11番(1983年)
- 弦楽四重奏曲第12番(1989年)
- 弦楽四重奏曲第13番 - 紛失
- 弦楽四重奏曲第14番(1991年)
- 弦楽四重奏曲第15番(1993年)
独奏曲
- こどものための3つのソナチネ(1972年) 3 sonatinas for children
- やさしいこどものピアノ曲集「夢の世界」(1986年) Easy piano pieces for children "Dreamland"
独唱曲
()内の人物は作詩。
合唱曲
校歌
- 広島市立舟入高等学校校歌
- 東京都立武蔵丘高等学校校歌
- 京都市立洛北中学校校歌
- 呉市立阿賀中学校校歌
その他
- 皇宮警察歌(白岩晃)
脚注
「安部 幸明」の例文・使い方・用例・文例
- 上海日本領事館気付け安部太郎殿
- 最近の暴動以降、治安部隊は強化されている
- 1925年にアドルフ・ヒットラーのための個人的な護衛として設立されたナチス・ドイツにおける治安部隊
- 海上警備隊という治安部隊
- 国家政治保安部という,ソ連のかつての秘密警察
- 自民党の安部晋(しん)三(ぞう)幹事長は,総選挙に勝つという党の決意を述べた。
- 長崎海上保安部の職員が交代でこの灯台で働いていた。
- ミャンマーの日本大使館によると,長井さんはヤンゴンで抗議者を鎮圧しようとする治安部隊の兵士によって射殺された。
- 2005年に安部さんのグループは現在の日本記録49.172キロを樹立した。
- 直木賞は朝井リョウさん(23)の小説「何(なに)者(もの)」と安部龍(りゅう)太(た)郎(ろう)さん(57)の「等(とう)伯(はく)」に贈られた。
- 安部さんにとっても今回が2度目の候補指名だった。
- 英国の情報局保安部MI5はモルデカイに絵画を取り戻す手助けを依頼する。
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