妖怪アパートの幽雅な日常とは?

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妖怪アパートの幽雅な日常

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/03/05 16:31 UTC 版)

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妖怪アパートの幽雅な日常』(ようかいアパートのゆうがなにちじょう)は、香月日輪によるライトノベル作品。講談社YA!ENTERTAINMENTから刊行されている。2004年、第51回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。略称は「妖アパ」。番外編として『妖怪アパートの幽雅な食卓 るり子さんのお料理日記』も刊行されている。

世界観は香月曰く『地獄堂霊界通信』とリンクしているという。本作の舞台と地理的に近いらしく、上院町・イラズの森・森住神社などの名称が度々登場する。

目次

ストーリー

主人公・稲葉夕士が親戚の元から独立したくて高校入学と同時に始めた下宿生活。ところがそこは、妖怪たちが暮らす妖怪アパートだった。自分の今までの常識が通じない場所で、夕士はさまざまなことを学んでいく。

登場人物

妖怪アパートの住人

稲葉夕士(いなば ゆうし)
主人公。中学1年のときに両親を交通事故で亡くし、中学校3年間は伯父の家で過ごしたが、伯父一家とはあまり折り合いがよくなく、高校進学を機に学生で一人暮らしを決断。ところが、学生寮が火事で全焼してしまい、「前田不動産」で格安アパート「寿荘」を借りるが、それが「妖怪アパート」だった。アパートでは202号室に住んでいる。一度「普通の世界に戻る」という理由でアパートを去ったが、「普通とは何か」をよく考えた末に再び戻ってくる。
当初はアパートの住人たちによって常識を破壊され続けていたが、時が経つにつれてさまざまなことを吸収してゆく。本人も高校卒業後は公務員か県職員になるつもりだったが、のちに大学進学を決意する。
完結編では、古本屋と一緒に海外旅行をした後、世界的に有名な小説家になる。
古本屋
常に世界各地を歩き回っていて、たまに得体の知れないものを拾ってくることもある。
『下町不思議町物語』にも登場する。
一色黎明(いっしき れいめい)
102号室。有名な詩人童話作家。夕士曰く「子供のラクガキのような顔」。性別は男性だが一人称は「アタシ」で、オネエ言葉で話す。
その耽美でグロテスクな作風と文体から一部に偏執狂的なファンを持ち、熱狂的なファンの1人に刺されそうになった事がある。
久賀秋音(くが あきね)
鷹ノ台の高校に通う女子高生。昼間は高校に通い夜は人間・妖怪両方を診る「月野木病院」で丁稚奉公として働く、除霊師の卵。
両親共に霊感を持つ家系で、小学生の時に「久賀流心錬術」という精神修行道場の門下生になり、裏で霊能力者の修行を積む。「久賀秋音」は小学6年生の時に才能を認められた際に貰った偽名であり、本名ではない(本名「鈴木まゆこ」)。夕士が「プチ」の主となったことから、彼の霊力トレーニングを手助けする。性格は明るく朗らかだが、時折長谷の様なシビアさを見せる事も。かなりの大食いで、毎巻ごとにその大食漢っぷりを披露している。
後に霊能力プロの除霊師を目指して四国で修行をし、アパートを去った。現在は介護福祉士となって月野木病院で勤務している。
深瀬明(ふかせ あきら)
103号室。外見は暴走族の頭(ヘッド)にしか見えない、流離のヤンキー画家。
相当な場数を潜っている事を窺わせるほど喧嘩が強く、本人も好戦的。性格は頼れる兄貴分といった感じだが、第3巻では「救えないものは、救えない」とバッサリ切り捨てるリアリストな一面を覗かせた。パフォーマンスとしてたまに個展で暴れるらしく、それを楽しみにするファンもいる。「シガー」という名の愛犬を飼ってる。
龍(りゅう)
203号室。長身痩躯で長髪、黒ずくめの美男子という出で立ちだが、年齢不詳。
かなりの力を持った霊能力者で、彼がアパートにやってくると妖怪たちも襟を正すような存在感の持ち主。秋音にとっての憧れの君。普段は温厚だが、自分の力で困難を乗り越えようとしない人間には力を貸さないという、冷たい面も持つ。
読者からは『地獄堂霊界通信』の蒼龍と同一人物という声もある。

長谷家

長谷泉貴(はせ みずき)
夕士の唯一無二の友人。中学を卒業するとき、別れの挨拶として夕士と殴り合いをした。
容姿端麗、頭脳明晰(夕士曰く「よくて東大、悪くても東大」らしい)で、進学先でも生徒会の一員たる優等生として知られるが、いつの日にか父親の重役を勤めている会社を乗っ取ろうと画策する野心家で、陰では地元の不良どもを束ねて着々と準備を進めている。合気道が得意。一流のビジネスマンである父親から、さまざまなこと(酒、女、帝王学…など)を教え込まれている。週末や長期の休みにはバイクでアパートにやってくることも多く、そのたびにドンペリキャビアといった高価な品々を持ちこみ、古本屋らとともに大宴会を開く。クリに懐かれており、長谷自身もクリを溺愛している。高校卒業の後、東大へ進学する。
最終巻では、父親の跡を継ぐのではなく、仲間を集めて会社を興し、社長に納まっている。

条東商業高校

田代(たしろ)
夕士のクラスメート。夕士が「姦し娘」と呼ぶ3人組の1人。垣内、桜庭からは「タァコ」と呼ばれる。
入学したての頃はそれほど仲良くもなかったが、交通事故に遭い重傷を負った彼女を夕士がヒーリングで助けたことがきっかけか、何かと接点が生まれる。女子のわりにサバサバしていて付き合いやすい性格。夕士と同じ英会話部所属。BLまがいのことが好きで、夕士と千晶のことをダーリン、ハニーと命名したのも彼女。千晶の熱烈なファンで、学内のイベントで千晶が歌を歌ったりする際には、その様子をぬかりなくDVDに収める。かなりの情報通で、千晶の情報でさえやすやすと入手してしまうその手腕には周囲も驚かされる。三年生に進級した際に生徒会副会長になった。
垣内(かきうち)
夕士のクラスメート。夕士が「姦し娘」と呼ぶ3人組の1人。3人の中では比較的短気で、怒りっぽい。
桜庭(さくらば)
夕士のクラスメート。夕士が「姦し娘」と呼ぶ3人組の1人。田代や垣内からは「桜」と呼ばれる。スタイルの良い巨乳。
3人の中では一番おっとりしているが、第5巻で千晶の生徒に対する喝の真意を見抜き、千晶に対して憤慨するクラスメートを諭した。
神谷(かみや)
夕士たちの先輩。才色兼備の生徒会長。裏で「兄貴」と呼ばれ、学内では絶大な権力を持つ。
千晶直巳(ちあき なおみ)
簿記の教師。3年C組の担任として、休職した早坂敏三の後任でやってくる。
「どうして歌手にならなかったのか」と夕士に問われる程の天才的な歌唱力を持ち、そのルックスの良さゆえに女子生徒から絶大な人気を誇る。喫煙者。生まれつき血が薄く、貧血を起こすこともしばしば。教師になる前は、会員制クラブのオーナーをしていた。いろいろな事件をまるでドラマのように乗り越えるなど、かなりの苦労人と思われる。交通事故で右腕を失い、教師を辞めて会員制クラブで歌手デビューする。
青木春香(あおき はるか)
千晶と時を同じくして条東商にやってきた英語教師。聖書を愛読するクリスチャン
男子が歓声を上げるほどの美人だが、相手のことをよく見ず、自分の考えに沿ってしか行動しない。そのため「両親を亡くした不憫な子」と一方的に思われている夕士から何かと反感を買う。校内での喫煙や生徒との接し方をめぐり、千晶とはいさかいが絶えない。
早坂敏三(はやさか としぞう)
千晶の前の担任。持病の悪化のために休職した。田代からは「トシゾーちゃん」と呼ばれていた。

妖怪

大家
妖怪アパートの大家。卵鬼神がモデルで、巨大なタマゴのようなずんぐりとしたつるつるの身体に小さなだけ付いている。「部屋代」と書かれた大きな帳面を持っている。夕士が家賃を滞納して居留守を使ったときには、ドア下のすき間から強引に中に入ろうとした。
佐藤
様々な会社を転々としながら働いている妖怪。現在はソワール化粧品という会社で働いている。働いてる間は妻子がいることにしている。
山田
庭いじりが趣味の妖怪。
山の神「大神」に使える霊獣の1匹。着物を纏った狼の獣人の様な姿で、身長は170cm以上。
母親に虐待され死んだクリと、クリの母親の怨霊からクリを守ろうとしたシロが、大神の聖域に駆け込んだ際にクリとシロに出会う。その当時自らの子供を亡くしたばかりだった茜は、既に母親の妄執に憑かれ聖域を汚した罪で消されてしまう筈だったクリとシロを見逃してくれるよう大神に嘆願し、彼等を聖域からより遠のかせる事で我儘を許された。その後はクリの母親代わりとなり、彼女自身もクリを心底愛している。
クリの母親の怨霊がクリを狙って現れる時に限って妖怪アパートを訪れ、母親の怨霊を迎撃している。
又十郎
熊野の山奥の「隠れ里」の住人で、一つ目の巨大な山男。たまに妖怪アパートに山の幸を届けてくれる。

式鬼

フール
小(プチ)ヒエロゾイコンの案内人。番号は0でタイトルは愚者(フール)。動作がいちいち大袈裟で、言動がインチキくさい。
ジン
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている万能の精霊。番号はIでタイトルは魔術師。万能だが、非力。登場当初は夕士の「金」という願いに対し500円を出して力を使い切ったが、第5巻では夕士の命令により彼の部屋にある不老不死の霊薬「アムリタ」がわずか一滴入ったビンを出し、千晶の命を救う活躍をした。
ジルフェ
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれているの精霊。番号はIIでタイトルは女教皇
メロア
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれているの精霊。番号はIIIでタイトルは女帝
ヒポグリフ
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている戦馬。番号はVIIでタイトルは戦車。誇り高い為気難しく、乗られることを嫌がる。
コクマー
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている知識。番号はIXでタイトルは隠者耄碌している。
ノルン
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれているスクルド、ザンディ、ウルズの3人の運命女神。番号はXでタイトルは運命の輪。三人で力を合わせなければならないのに、いつもケンカしている。
ゴイエレメス
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている石造りの人形。番号はXIでタイトルは。1分間しか力を使えない。
ケット・シー
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれているの一族の者。番号はXIIでタイトルは吊された男。法螺吹き。
タナトス
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている大天使眷属。番号はXIIIでタイトルは死神。幽霊であるクリに向かって3日後に死ぬと言い放ち(クリはすでに死んでいる)、周囲を白けさせた。修行をしていないため、大した死相は読めない。
ケロベロス
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている地獄の人食い。番号はXVタイトルは悪魔。まだ子犬で、フール曰く育つのには200年くらいかかる。
イタカ
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれているの精霊。番号はXVIでタイトルは。雷を落とすことができる。
ブロンディーズ
小(プチ)ヒエロゾイコンに封じ込まれている神鳴。番号はXXでタイトルは審判。夕士が窮地に立たされたときなどに役立っている。

幽霊

クリ
母親に虐待されて死んだ男の子の赤ん坊の。虐待されていた頃の後遺症で、喋る事や笑う事が出来ない。生まれてからも出生届が出されず名前すらも付けて貰えなかった為、「目がクリクリしてるから」という理由で黎明に「クリ」と名付けられた。
母親の妄執に縛られている為に成仏できないでいたが最終巻にて遂に妄執が消え、龍の計らいで彼の親戚の子に生まれ変わる。
シロ
犬の幽霊。生前は虐待されていたクリにどこからか食べ物を持ってきて与えるなど、クリの世話をしていた。その為、いつもクリと一緒にいる。
最終巻ではクリと共に龍の親戚の子供(双子の兄弟)に生まれ変わる。
まり子
妖怪託児所で働く幽霊。美人でスタイルがよく、そのプロポーションは夕士曰く「ボン・キュ・ボン」。
女というものを捨てていて、現在はまるっきり中身は親父。「女湯より広いから」という理由で、男湯に平気で裸で入ってくる。生前は成金の家の娘で、自らを甘やかす両親の元我儘放題で半端ない遊び人に育った。大人になってからは幾人もの男と付き合い堕胎を繰り返してきたが、ある時心底惚れた男性と出会い、彼との結婚を決意する。しかし堕胎を繰り返してきた事で身体に負担がかかっていた為、出産の際に胎児もろとも死去。それ以来「母親」というものに強い憧れを抱いている。
るり子
妖怪アパートの賄い。生前はホステスで、いつか小料理屋を開くのが夢だった。つきまとっていた客にバラバラに殺されたため、手首だけの姿。
彼女が作る料理はとてもおいしく、夕士の一部のクラスメートからも絶賛されている(もちろん、作ったのが誰かは知らない)。
鈴木
アパートを掃除してくれているおばさん。
華子
玄関で「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を言うだけの幽霊。季節によって着ている着物の柄が変わる。
貞子(仮)
風呂やトイレなど水周りが好きで、その辺りによく出没する。「貞子」は夕士が勝手に付けた呼び名。

用語

寿荘
妖怪アパートの正式名称。
魔道書
精霊あるいは妖魔を魔術で持って封じた魔法の本。そのマスターは封じ込まれた精霊あるいは妖魔を自由に使役できる。
小(プチ)ヒエロゾイコン
ヒエロゾイコンを真似て作られた魔道書。大アルカナになぞらえて二十二匹の式を封印している。作中では主に「プチ」と呼称。 
霊能力者
条東商業高校
夕士の通っている学校。女子生徒の割合が異常に高い。

既刊一覧

  • 妖怪アパートの幽雅な日常1 - 2003年10月刊。ISBN:4-06-212066-6
  • 妖怪アパートの幽雅な日常2 - 2004年3月刊。ISBN:4-06-212312-6
  • 妖怪アパートの幽雅な日常3 - 2004年10月刊。ISBN:4-06-212587-0
  • 妖怪アパートの幽雅な日常4 - 2005年8月刊。ISBN:4-06-269359-3
  • 妖怪アパートの幽雅な日常5 - 2006年3月刊。ISBN:4-06-269364-X
  • 妖怪アパートの幽雅な日常6 - 2007年3月刊。ISBN:978-4-06-269379-0
  • 妖怪アパートの幽雅な日常7 - 2007年10月刊。ISBN:978-4-06-269388-2
  • 妖怪アパートの幽雅な日常8 - 2008年1月刊。ISBN:4-06-269390-5
  • 妖怪アパートの幽雅な日常9 - 2008年10月刊。ISBN:978-4-06-269402-5
  • 妖怪アパートの幽雅な日常10 - 2009年3月刊。ISBN:978-4-06-269412-4




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