太政官布告・太政官達とは? わかりやすく解説

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太政官布告・太政官達

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/01 09:29 UTC 版)

太政官布告(だじょうかんふこく)・太政官達(だじょうかんたっし)とは、ともに太政官によって公布された明治時代初期の法令の形式である。


  1. ^ ただし、1869年の版籍奉還以前にに対して出された指示は全て「太政官達」である。これは、幕藩体制においては、藩(藩主)が自己の所領内の版(土地)と籍(人民)を支配する唯一の公権力であり、公儀江戸幕府→明治政府)は藩に対しては命令を出来てもそこに属する藩士(陪臣)・領民に対して直接命令できる権限を有していなかったため。諸藩に命令を強制できるだけの直属の軍事力もなかった(戊辰戦争官軍は全て諸藩連合軍)ため、当時の太政官は緩やかな「太政官達」の形式で藩に要請し、その内容を藩が改めて自己の藩士・領民に対して下命する形式を取った。版籍奉還によって明治政府は初めて諸藩の藩士・領民に対して法令を直接下せる権限を得た。
  2. ^ 芦部信喜『憲法学Ⅰ 憲法総論』99頁以下
  3. ^ もっとも、この説明に対しては、布告に先立き明治5年11月5日付けで市川斎宮による建白書が政府に提出されているところ、その暦法の提案内容は、神武天皇即位紀元年数が100で割れる年を閏年とするが400で割りきれない年は平年とするものであった(この暦法では、グレゴリオ暦と異なり、西暦1900年は閏年になるのに対し、神武天皇即位紀元2600年である西暦1940年が平年となる。)ことから、政府はグレゴリオ暦の置閏法を正確に把握していなかったのではなく、特別の平年をいつにすべきかの議論を先延ばししたのではないかとの指摘がある(青木信仰 『時と暦』東京大学出版会、1982年9月、p.30頁。ISBN 4-13-002026-9 
  4. ^ 2023年1月23日閲覧
  5. ^ 手塚豊明治六年太政官布告第六十五号の効力 −最高裁判所判決に対する一異見−」『法学研究』37巻1号、3頁、1964年https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763993903232 
  6. ^ 勲章従軍記章制定の件等の一部を改正する政令(平成14年政令第277号)による改正(2003年5月1日施行)までは「勲章従軍記章制定ノ件」
  7. ^ 野中俊彦ほか『憲法II 〔第4版〕』(有斐閣)202頁〔高橋和之〕、宮沢俊義著・芦部信喜補訂『全訂 日本国憲法』(日本評論社)137頁参照。
  8. ^ 東京地判平成14年8月27日判決(平成9年(ワ)第16684号)など
  9. ^ 判例検索システム、2017年3月12日閲覧。
  10. ^ 海底電信線保護萬國聯合條約 (PDF)
  11. ^ 法務大臣官房司法法制調査部編集による『現行日本法規』でも、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律により失効した法令として扱われている。


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太政官布告・太政官達

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:38 UTC 版)

法令」の記事における「太政官布告・太政官達」の解説

1868年政体書によって設置され内閣制度創設されるまで存続していた最高官庁である太政官制定していた法形式である。一般国民拘束する内容を持つものを太政官布告とし、官庁限り心得太政官達としていたが、必ずしもその区別守られていたとはいえなかった。太政官制度が廃止された後も、後に制定され法令矛盾しない限りその効力有し大日本帝国憲法施行後もこれに抵触しない限りでなお従前効力有しまた、日本国憲法施行後大日本帝国憲法下法律又は勅令としての効力認められたものは、現憲法に違反しない限り効力有する太政官布告第何号というのは制定時には付されておらず後日編纂された法令全書において番号付された。

※この「太政官布告・太政官達」の解説は、「法令」の解説の一部です。
「太政官布告・太政官達」を含む「法令」の記事については、「法令」の概要を参照ください。

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