天野信景とは? わかりやすく解説

あまの‐さだかげ【天野信景】

読み方:あまのさだかげ

[1663〜1733]江戸中期国学者尾張藩士。随筆に「塩尻」がある。


あまのさだかげ 【天野信景】

江戸中期国学者。号は白華翁。尾張藩士。剃髪して阿弥文武兼備し博学知られた。『尾張風土記』を編纂。とくに随筆塩尻』は当時百科事典として有名。(一六六三~一七三三

天野信景

読み方あまの さだかげ

江戸中期国学者名古屋藩士。通称治部・残翁、字は子顕、剃髪して阿弥白華翁。渡会氏師事国典通ずる。享保18年(1733)歿、71才。

天野信景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/26 02:09 UTC 版)

 
天野信景
時代 江戸時代中期
生誕 1663年10月25日寛文3年9月25日
死没 1733年10月15日享保18年9月8日
別名 子顕(字)、権三郎、源蔵、治部、宮内(通称)、白華、問津亭、信阿弥陀、残翁、運甓斎、輟棹翁、凝寂堂(号)
霊名 信阿弥陀仏
墓所 愛知県名古屋市千種区幸川町の性高院
主君 徳川光友綱誠吉通五郎太継友
尾張藩
氏族 天野氏
父母 父:天野信幸[1]、母:滋野井冬晴の娘
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天野 信景(あまの さだかげ)は、江戸時代中期の国学者、尾張藩士。

概要

名古屋城南大津町に生まれる。生家の天野氏鎌倉時代の武将天野遠景の末裔と伝えられる。寛永元年(1624年)頃、山城国に住していた祖父孝信の代に尾張藩に仕え、次男であった父信幸は進物番・納戸を経て金奉行町奉行を歴任し、450石となっている。信景は父の歿後、貞享元年(1684年)に家督を継ぎ、寄合・鉄砲頭となる。享保8年(1723年)に病のため職を辞し、同15年(1730年)には剃髪して隠棲する。

業績

人となりは温厚にして博聞強記と伝えられる。特定の師はいなかったとされるが、国典は伊勢神道の再興者とされる度会延佳(わたらい のぶよし)から、仏典は養林寺七世・単誉上人一如から受けた。朱子学を基底に置き和漢の学を究め、さらに広く仏教博物天文地理風俗などにも通じ、著書は全千巻ともいわれる一大随筆集の『塩尻』(元禄10年(1697年)頃の起筆。歿年まで書き継がれた)をはじめ国史地誌文学など多岐に亘り、『国書総目録』に収載されている書目だけで145に及ぶ。

元禄11年(1698年)に藩主・綱誠の命によって『尾張風土記』の編纂事業が始まると、吉見幸和や真野時綱らとその任に当たった。この編纂作業は翌年の綱誠の死により中断(信景死後の宝暦2年(1752年)に『張州府志』として完成)されたが、この経験から実証学的な手法を身に付けたとされる。

それ以後、神道儒教・仏教への歴史的な批判や、『万葉集』や『源氏物語』の他、歌語・俗語などの言語学的検証、そして本草学・天文学といった広範な分野において、実証学的な見地から考察を加えている。

信景の実証的な指向は、その後の本居宣長伴信友河村秀根などに強い影響を与えたと考えられ、平田篤胤の『俗神道大意』・谷川士清の『倭訓栞』は信景の随筆『塩尻』に負うところが大きい。

また、南北朝時代末期の世良田氏の興亡を伝記とした『波合記』や南朝正統論に基づいた『改正続神皇正統記』も著している。

鸚鵡籠中記』の著者である朝日重章(文左衛門)と親交があり、信景は重章から兄事され、45歳で没した重章の臨終に立ち会った。

参考文献

  • 中根粛治・編『慶長以来諸家著述目録 和学家之部』(1893年、青山堂支店)[2]

脚注

  1. ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 52頁。
  2. ^ 関隆治・編『國学者著述綜覧』森北書店、1943年、178p頁。 



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