天災は忘れた頃にやって来るとは? わかりやすく解説

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天災は忘れた頃にやってくる

読み方:てんさいはわすれたころにやってくる
別表記:天災は忘れた頃にやって来る

人心災害対する気の緩み戒める言葉

大規模な自然災害長大な時間感覚空けながらも周期的に繰り返し発生する、人は災害直面した当初恐れおののいて天災対す意識新たにするが、長い年月を経るうちに災害恐ろしさ忘れ先人教訓蔑ろしてしまいがちである、そのような油断しきった頃に再び大規模な自然災害やってくるのである

この「天災は忘れた頃にやってくる」という一文は、寺田寅彦発言として広く認知されているが、正確な典拠詳らかになっておらず、したがって言葉真意厳密にいえば不明である。今日では災害備え災害教育重要性端的に述べた明言としてよく言及される

天災(てんさい)は忘(わす)れた頃(ころ)にやって来(く)る

読み方:てんさいはわすれたころにやってくる

天災は、災害悲惨さ忘れたころに、再び起こるものである高知市内の寺田寅彦旧居跡に建てられた碑に刻まれている文章


天災は忘れた頃にやってくる

(天災は忘れた頃にやって来る から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 22:31 UTC 版)

天災は忘れた頃にやってくる(てんさいはわすれたころにやってくる)とは、自然災害はその被害を忘れたときに再び起こるものだという戒め[1]。「天災は忘れられたる頃来る[2]」、「天災は忘れた頃来る[3]」、「天災は忘れられた頃に来る[4]」などとも記述される。また、上記の「天災」の箇所は「災害」と書かれることもある[5]。科学者で随筆家の寺田寅彦による言葉[6]


注釈

  1. ^ 中谷自身は、後述の随筆「天災は忘れた頃来る」において、"たしか東京日日新聞だったかに頼まれて『天災』という短文を書いたことがある"と記しているが、東京日日新聞というのは中谷の記憶違いだと推定される。
  2. ^ たとえば、サンデー毎日 74巻5号(1995) pp.109-110の記事タイトル「大地震フラッシュバック 「天災は忘れたころにやって来る」--過去の教訓は生かされたのか?」など。
  3. ^ たとえば、『港湾学術交流会年報』46巻(2012) pp.2-9の甘竹勝郎による論文タイトル「天災は忘れたころにやってくる:三陸大船渡からの警鐘」など。
  4. ^ ただし、これについては強い反論もある。そもそも比較対象であろう1970年代、1980年代にあっても、三原山噴火を始めとして天変地異的災害はしばしば発生している。「爆弾低気圧」「ゲリラ豪雨」といった事象は、降雨レーダー(アメダス)の高解像度化等で察知できるようになり、また携帯電話網の普及により災害情報の発信の迅速化が行われた結果、周知が迅速かつ広範囲になっただけのことで、特別近年に起こり始めた、頻繁になったものであるように言うのはナンセンスだとする意見もある。例えば、洞爺丸事故飛騨川バス転落事故などは、近年の気象観測技術があれば防げていたものである。

出典

  1. ^ 『日本国語大辞典第2版』(2001) p.788
  2. ^ 高知市観光振興課. “寺田寅彦記念館”. 2018年2月26日閲覧。
  3. ^ a b c d 中谷(1988) p.270
  4. ^ a b 初山(2017) p.9
  5. ^ a b 初山(2017) p.10
  6. ^ 『事典日本の科学者』(2014) p.530 など
  7. ^ a b 藤岡(1942) p.35
  8. ^ 松尾(1999) pp.51-52
  9. ^ 中谷(2014) pp.19-20
  10. ^ 松尾(1999) p.52
  11. ^ 寺田(2011) p.60
  12. ^ 寺田(2011) p.63
  13. ^ 初山(2017) p.6
  14. ^ 寺田(2011) p.72
  15. ^ 初山(2017) pp.8-9
  16. ^ 朝日新聞 1938年7月9日 第7面
  17. ^ a b c d e 中谷(1988) p.271
  18. ^ 赤塚(1953) p.59
  19. ^ 初山(2017) p.7
  20. ^ 水防碑”. 大阪市浪速区. 2018年3月7日閲覧。
  21. ^ 過去の災害を忘れないために〜大和川の「水防碑」・「堤防安泰祈願の碑」〜”. 大阪市住吉区. 2018年3月7日閲覧。
  22. ^ a b 津村(2012) p.33
  23. ^ 初山(2017) pp.1-2
  24. ^ 大辞林第3版(2006) p.1749
  25. ^ 鈴木(2003) p.220
  26. ^ 池内編(2006) p.xv
  27. ^ a b 三好(2012) p.58
  28. ^ a b 池内編(2006) p.206
  29. ^ 岩崎(1992) p.81
  30. ^ 初山(2017) pp.2-5
  31. ^ 初山(2017) pp.7,11
  32. ^ 初山(2017) pp.10-11
  33. ^ 今村(1949) p.197。旧字、旧かなは現代表記とした。
  34. ^ 鈴木(2003) p.217
  35. ^ 中谷(1988) pp.271-272
  36. ^ a b 強靭化コラム① 災害は、忘れるまもなくやってくる 藤井聡、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会。2014年11月20日配信、2020年5月9日閲覧
  37. ^ a b もうひとつの学芸員室-天災は忘れる間もなくやってくる 2005年10月14日掲載、くすりの博物館。2020年5月8日閲覧
  38. ^ a b かわら版 No.1194 『天災は忘れる間もなくやってくる』 2019年10月15日掲載、野田佳彦。2020年5月8日閲覧
  39. ^ 寺田寅彦忌 「天災は忘れた頃にやって来る」昭和初期から「忘れる前にやって来る」令和へ Yahoo!ニュース(饒村曜)2019年12月31日配信、2020年5月8日閲覧
  40. ^ 寺田寅彦忌、天災は忘れないうちにやってきた平成30年 Yahoo!ニュース(饒村曜)2018年12月31日配信、2020年5月8日閲覧
  41. ^ 天災は忘れる前にやってくる 鳥飼否宇/著 光文社、2020年5月8日閲覧


「天災は忘れた頃にやってくる」の続きの解説一覧

天災は忘れた頃にやって来る

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:12 UTC 版)

成句

天災てんさいわすれたころやってくる

  1. 地震台風などの自然災害は、その被害恐ろしさ忘れたときに、再び起こるものだという戒め。しばしば物理学者寺田寅彦言葉とされる災害は忘れた頃にやってくるとも。

「天災は忘れた頃にやって来る」の例文・使い方・用例・文例

  • 天災は忘れた頃にやって来る
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