外郎売りとは? わかりやすく解説

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ういろう‐うり〔ウイラウ‐〕【外郎売り】

読み方:ういろううり

【一】外郎1売り歩く商人

【二】歌舞伎十八番の一。享保3年1718江戸森田座の「若緑勢曽我(わかみどりいきおいそが)」で2世市川団十郎初演。外郎売りが妙薬由来効能雄弁述べるもので、のち「助六」に吸収された。

外郎売りの画像

外郎売り

作者室町京之介

収載図書ことばの国
出版社筑摩書房
刊行年月1995.10
シリーズ名新・ちくま文学


外郎売

(外郎売り から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 08:18 UTC 版)

外郎売(ういろううり)は、享保3年1月2日(1718年2月1日)、江戸森田座(守田座)において『若緑勢曾我』(わかみどりいきおいそが)の中で二代目市川團十郎によって初演された、「ういろう」の由来、薬効を早口言葉で演じるせりふ芸である。もともとは歌舞伎の劇中で演じられる趣向のひとつであり、歌舞伎十八番に選定された天保3年(1832年)以降、「助六」の劇中で演じられるのが通例となり、せりふ芸から長唄を交えながら演じられるように変化していく。その後、大正11年(1922年)に初めて単独で上演され、昭和55年(1980年)の十代目市川海老蔵による上演以降は、本来のせりふ芸としての色彩が強い形で単独にて演じられている。また俳優アナウンサー声優の練習材料として優れたものであると評価されており、練習教材として広く用いられている。


注釈

  1. ^ 「外郎売」以外に他の演目の中に組み込まれるような形で演じられていたものには「」、「押戻」などがある[9]
  2. ^ 例えば「暫」は、上演されるたびに新作が制作されていた[19]
  3. ^ 八代目市川新之助は、令和4年(2022年)11月、市川新之助としての初舞台で「外郎売」を演じた[28]
  4. ^ せりふ芸としてではなく、長唄を交えながら「外郎売」が演じられるようになった正確な時期は不明である[35]
  5. ^ 市川三升は没後に十代目市川團十郎を追贈された[41]
  6. ^ その他、二代目市川段四郎が「象引」、二代目市川左團次が「不動」、「毛抜」、「関羽」、「鳴神」を復活させている[38]
  7. ^ 『花江都歌舞妓年代記』は、失われつつあった歌舞伎のせりふ芸を後世に伝えるべく編纂された作品であると考えられている[47]
  8. ^ 昭和55年(1980年)5月以降の「外郎売」上演で用いられる野口達二の台本では、大薩摩節が用いられている[49][50]
  9. ^ 十二代市川團十郎は、平成18年(2006年)5月の歌舞伎座での白血病療養後の復活公演の演目として「外郎売」を演じた[51]

出典

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  81. ^ 外郎売の口上研究会”. 外郎売の口上研究会. 2024年1月7日閲覧。





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