壁ノ面影
読み方:かべのおもかげ
- 〔類聚名物考〕李婦人反魂香の故事歟。〔平兼盛集〕はやうなくなりにける人と諸共に逍〓せし所を、久しくなりて見て、うたたねのうつつに物の悲しきは昔の壁を見ればなりけり。〔後撰集〕九、源おほきが通ひ侍りけるを、後々はまからずなり侍りにければ、隣の壁の穴よりおほきをはつかに見てつかはし侍りける、まどろまぬ壁にも人を見つるかな、まさしからなん春の夜の夢。〔赤染衛門集〕四、入道殿おはしまさで後、御堂にまうでたるに、いとさびしく池の浮草しげかりしに、古への壁にだにこそありと聞け池にうつれる影も見えなん。〔後撰集〕二十、女のみまかりて後、住みける所の壁にかの侍りける時書きつけて侍りける手を見侍りて、兼輔朝臣、寝ぬ夢に昔の壁を見てしより、うつつに物ぞ悲しかりける。
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