土の中の彼女の小さな犬
中国行きのスロウ・ボート
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『中国行きのスロウ・ボート』(ちゅうごくいきのスロウ・ボート)は、村上春樹の処女短編小説集。
注釈
- ^ 「僕」が第三の中国人と出会うことになる喫茶店での記述。「僕は(中略)コーヒーを注文し、買ったばかりの小説のページを繰っていた」[5]とあるが、雑誌掲載時は「ジョン・ル・カレの新しい小説」と明記されていた。
- ^ 村上はその後「中国行きのスロウ・ボート」の歌詞をすべて訳している[7]。
- ^ 当時『海』の編集部員であった安原顯。安原は2003年に亡くなるが、死後「生原稿流出問題」で一躍知られることになる。その顛末は村上のエッセイ「ある編集者の生と死――安原顯氏のこと」に詳しい。
- ^ 改変点は多岐にわたるが、特に後半の大晦日のパーティーの場面でそれは目立つ。例えばホステス役との会話は『村上春樹全作品』版ではすべて削除されている。
- ^ 『村上春樹全作品』版では、「かもしか」(傍点付き)は「鹿」に変更されている。
- ^ 『羊をめぐる冒険』では、主人公の「僕」とガール・フレンドが次のような会話を交わしている。「ああいう人ばかりが住んでいる場所があるんだよ。そこでは乳牛がやっとこを探しまわってるんだ」「なんだか『峠の我が家』みたいね」[15]
- ^ 占いに関して言えば、村上はエッセイで次のように回想している。「昔々、僕にもずいぶん暇な時代があった。あまりにも暇だったので、一人でカード占いの研究を始めた。専門書を買って読み込んでみたけど、あまりしっくり来なかったので、自分なりの簡単なシステムをこしらえ、まわりの友だちを相手に試してみた」[29]
- ^ 村上は自身のウェブサイトで次のように述べている。「僕は昔の蒲郡ホテルに冬場泊まって、牡蠣のフルコースを食べるのが好きでした。最初から最後まで牡蠣が出てくるんです。おいしかったな。けっこう値段も高くて、当時の僕としてはかなりの贅沢でした」[30]
出典
- ^ 中国行きのスロウ・ボート|単行本|中央公論新社
- ^ 最初の共作は『TODAY』1981年7月号に掲載された「鏡の中の夕焼け」である(『象工場のハッピーエンド』CBS・ソニー出版、1983年12月所収)。
- ^ 安西水丸「村上春樹さんについてのいろいろ」 『群像日本の作家 26 村上春樹』小学館、1997年5月所収。
- ^ どの「水丸さん装丁本」がお気に入りですか? (2015年2月26日) - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
- ^ 『中国行きのスロウ・ボート』中公文庫、旧版、32頁。
- ^ a b 『村上春樹全作品 1979~1989』第3巻、講談社、付録「自作を語る」。
- ^ 『村上ソングズ』中央公論新社、2007年12月。
- ^ 『文藝春秋』2006年4月号所収。村上春樹「ある編集者の生と死――安原顯氏のこと」。
- ^ 村上春樹「ある編集者の生と死――安原顯氏のこと」 『文藝春秋』2006年4月号所収。
- ^ 『村上春樹全作品 1979~1989』第3巻、付録「自作を語る」。
- ^ 書き直してみたい作品はありますか? (2015年3月8日) - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
- ^ 『少年カフカ』新潮社、2003年6月、297頁。
- ^ FICTION A POOR-AUNT STORY BY HARUKI MURAKAMI. December 3, 2001The New Yorker
- ^ FICTION NEW YORK MINING DISASTER BY HARUKI MURAKAMI. January 11, 1999The New Yorker
- ^ 『羊をめぐる冒険』上巻、講談社文庫、旧版、242頁。
- ^ 『村上春樹全作品 1979〜1989』収録版は、傍点や間投詞などがいくつか取り除かれている。
- ^ ジェイ・ルービン『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』新潮社、2006年9月、畔柳和代訳、417頁。
- ^ 村上春樹、安西水丸共著『スメルジャコフ対織田信長家臣団』朝日新聞社、2001年4月、読者&村上春樹フォーラム421。
- ^ 『村上春樹全作品 1979〜1989』第3巻、講談社、付録「自作を語る」。
- ^ 高橋丁未子・編『HAPPY JACK 鼠の心 ―村上春樹の研究読本』北宋社、1984年1月、25頁。
- ^ 内田樹の研究室 2005年7月
- ^ 内田樹は2007年9月に『村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)を著した。これは村上春樹をひたすら絶賛するという本で、2010年には増補版も出版された。
- ^ 小川洋子『博士の本棚』新潮社、2007年7月、273頁 「『中国行きのスロウ・ボート』を開きたくなる時」。
- ^ 河出書房新社 編『市川準』河出書房新社、2009年、110頁。ISBN 978-4-309-01907-9。
- ^ 安西水丸『イラストレーション緊急増刊 安西水丸 青空の下』玄光社、2014年8月、24頁、34頁。
- ^ 湯川豊、小山鉄郎共著『村上春樹を読む午後』文藝春秋、2014年11月、201頁。
- ^ 村上春樹、安西水丸共著『夢のサーフシティー』、朝日新聞社、1998年7月、読者&村上春樹フォーラム91。
- ^ 『村上春樹全作品 1979〜1989』第3巻、講談社、1990年9月20日。付録「自作を語る」。
- ^ 『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』マガジンハウス、2012年7月、90頁。
- ^ 牡蠣をお勧めします (2015年2月13日) - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
- ^ 『村上春樹全作品 1979〜1989』第3巻、付録「自作を語る」。
土の中の彼女の小さな犬
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「中国行きのスロウ・ボート」の記事における「土の中の彼女の小さな犬」の解説
『すばる』1982年11月号に掲載された。 村上は本作についてこう述べている。「僕はその当時、ここに出てくるのと同じような占いに凝っていた。夜中に神経を集中して相手の気配をたぐりよせていくと、ずるずるいろんなことが出てきた。全然知らない相手でも自分でも驚くほどよく当たった。」 舞台になったホテルは、愛知県の蒲郡ホテル(1934年竣工)をイメージして書かれたものだという。なお蒲郡ホテルは経営母体が変わるたびに名前を変え、2012年3月以降は「蒲郡クラシックホテル」となった。 1988年、本作を原作とする日本映画『森の向う側』が、野村恵一監督、きたやまおさむ主演で製作された。
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