国鉄キハ07形気動車とは? わかりやすく解説

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国鉄キハ07形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 06:37 UTC 版)

国鉄キハ07形気動車(こくてつキハ07がたきどうしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1951年に再生改造した一般形気動車(ディーゼル動車)である[1]。旧形式名はキハ42500形(2代目)で、1957年の称号改正でキハ07形に改称された。


注釈

  1. ^ 当形式が製造された時代の時点での気動車は普通列車用しか製造されていないが、同書によれば「一般形機械式ディーゼル動車」に分類されている。ただしこれは制式に分類したわけではない。
  2. ^ 車体長18m、定員120人、荷物室付き。新造段階では日本最大の機械式気動車。
  3. ^ 同書においては、1930年代末期の西成線における42000形運用を担当した宮原機関区の区長・磯田寅二の著作『ガソリン動車の故障手当』(大教社 1940年)における42000形の故障記録とその対策を引用し、重通勤路線の西成線で厳しい省燃費運転を伴っての連結運用を強いられた42000形が露呈した、数々の脆弱さ・欠陥面を厳しく指摘している。
  4. ^ 私鉄では江若鉄道で、夏期の水泳客輸送時等に常用されていた。
  5. ^ 当時の客車は12t長軸を採用。車輪はスポーク車輪を採用したが、動軸についてはスポークに亀裂が入るという問題が発生したことからプレート車輪へと変更された。
  6. ^ 当時の一般的な19 - 20m級電車が最低でもMT15(1時間定格出力100kW(約133PS))クラスの主電動機を4基装架していたのに対し、気動車はエンジン技術の不足から、当時最大級のキハ42000でもエンジンの連続定格出力はわずか150PSに過ぎなかった。低抵抗なコロ軸受軽量台車の採用はこのような機関の非力さを補うためで、国鉄・私鉄を問わず同時期の気動車の多くに共通した必然的措置であった。なお、坂上・原田(2005)p43、p55によれば、鉄道省ガソリンカーのローラーベアリングは、36900形のTR26時点ではアメリカ・ティムケン社の原型を日本精工・東洋ベアリングで国産化させた単列テーパー式であったが、TR29ではより整備しやすいSKF原型の複列テーパー式に変わったとする。
  7. ^ ボンベ充填には数時間を要し、ガス会社専用線への車両回送やガスボンベ輸送専用貨車の手配などの手間も無視できないものであった。
  8. ^ 縦型6気筒、連続定格出力75PS。
  9. ^ ただし、燃料タンクが推進軸の真横に配置されていたため、推進軸のジョイントが外れてタンクを破る事態を起こした事実があり、設計上の配慮は不足していたといえる。坂上・原田(2005)p138以降の事故検証および同書p159以降の総括では、この事故を含めて42000形は総合的に技術力や配慮不足の著しい欠陥車であったと指弾する。また42000形は当時の国鉄旅客車には珍しく鋼板張り屋根を用いていたため、鋼製車でも屋根は鉄骨木造・防水布張りが一般的だった他の車両のように、横転車の屋根部分を緊急破壊して旅客救出を図る策も採り難かった。
  10. ^ 同通達によれば、41314は事故5日前の9月9日に甲修繕を終えて大宮工場を出場したばかりであった。
  11. ^ 引用元の典拠は、大谷武雄「ディーゼル動車の空気調速機はどうして車軸折損に役立つか」(『機関車工学』Vol.10 No.2 1956年2月)による。
  12. ^ 一般に気動車は、運用中常時回転している走行用エンジンでベルト駆動される空気圧縮機や発電機で所要の圧縮空気や低圧電源を賄う。気動車がエンジン停止状態で牽引されている場合でも、自動ブレーキ用圧縮空気は牽引する動力車から供給できるが、車内照明や尾灯の電源は得られなくなり、車軸発電機装備などの対策が必要になる。

出典

  1. ^ 交友社 日本国有鉄道工作局・車両設計事務所『100年の国鉄車両(3)』 p.431[注釈 1]
  2. ^ a b c d e f g h i j 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.8
  3. ^ 坂上茂樹・原田鋼『ある鉄道事故の構図』(2005)p67-[注釈 3]
  4. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.9
  5. ^ a b 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.10
  6. ^ a b c d e f g 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.13
  7. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』(RM Re-Library 4)、ネコ・パブリッシング、2022年(RM LIBRARY 1・2 復刻版、原著1999年)、p.19
  8. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.36
  9. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.38
  10. ^ a b 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.43
  11. ^ 快速ガソリンカー試運転『大阪毎日新聞』昭和10年6月19日夕刊(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p423 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  12. ^ 坂上・原田(2005)p56-57
  13. ^ a b 岡田健太郎『撫順電鉄 撫順鉱業集団運輸部 -満鉄ジテとその一族-』2017年
  14. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.30
  15. ^ a b 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.35
  16. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.40
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.40
  18. ^ 坂上茂樹「1930~・60年代前半における本邦鉄道車軸とその折損事故について(2/2)」(大阪市立大学経済学部『経済学雑誌』117-2 2016年9月)p73にて引用された、1955年11月1日付の国鉄工作局長による全国国鉄工場長向け通達・工修第1355号「歯車式気動車の動輪の検査について」に基づく[注釈 10]
  19. ^ 坂上茂樹「戦前・戦時期の国産中・大型自動車用機関について(2)」(大阪市立大学『経済学雑誌』111(4) 2011年3月)p29・表3に準拠[注釈 11]
  20. ^ 本項は坂上・前掲論文p29-30による。
  21. ^ a b 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.56
  22. ^ a b c 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.79
  23. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.76
  24. ^ a b 滝田光雄「国鉄ガスタービン動車開発の経緯と今後の計画」『鉄道ピクトリアル』第266号、電気車研究会、1972年6月、4 - 7頁。 
  25. ^ a b 小林正治「わが国ガスタービン動車開発の経過」『鉄道ピクトリアル』第266号、電気車研究会、1972年6月、7 - 11頁。 
  26. ^ 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.82
  27. ^ a b c d e f g h i j k l 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.86
  28. ^ 羽幌炭砿にまつわる話シリーズ10「羽幌炭砿鉄道のディーゼルカー」 鈴木商店記念館、2023年3月21日閲覧
  29. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.88
  30. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.91
  31. ^ a b c d e f g h i j k l 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.94
  32. ^ a b c d e f g h i j k l 岡田誠一『キハ07ものがたり』2022年(原著2002年)、p.95
  33. ^ 文化審議会答申 (国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定)について | 文化庁”. www.bunka.go.jp. 2021年10月26日閲覧。
  34. ^ 令和4年3月22日文部科学省告示第38号。
  35. ^ 山陰鉄道研究会編「備前の里に消えた列車たち」自費出版、1991年6月20日発行、p.96






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