国鉄キハ04形気動車とは? わかりやすく解説

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国鉄キハ04形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/01 07:50 UTC 版)

国鉄キハ04形気動車(こくてつキハ04がたきどうしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した、一般形機械式ディーゼル動車である[1]


注釈

  1. ^ 当形式が製造された時代の時点での気動車は普通列車用しか製造されていないが、同書によれば「一般形機械式ディーゼル動車」に分類されている。ただしこれは制式に分類したものではない
  2. ^ 縦型直列6気筒サイドバルブ式ガソリンエンジン、排気量12.74リットル。最大出力150 PS/2,000 rpm ボア/ストローク 130×160mm 総重量750kg
  3. ^ 現、ドレッサー社 (Dresser Inc.) ウォーケシャエンジンディビジョン(ドレッサーウォーケシャ、Dresser Waukesha)。
  4. ^ 縦型6気筒ガソリンエンジン、排気量11.1リットル。最大出力は120 PS/1,600 rpm. 元々はトラクター用として開発されたもの。
  5. ^ 坂上(2010)p136-137において引用された1943年文献の図表「鉄道省ガソリン動車部分品の寿命」では、鉄道省ガソリン動車の部品のうち、シリンダブロック(気筒ブロック)の寿命は10年で、その間に6回もの削正(ボーリング加工による再生)を受けるとされ、摩耗程度の激しさが伺われる。同図表ではエンジン、変速機ほかの駆動系機器、排気系・冷却系の機器類や部材がのべ56項目列記されているが、それら部品の寿命は後年の同種機器に比し概して(時に極度に)短い[8]
  6. ^ チョークと二重ベンチュリー、真空式加速ポンプを備えており、当時のアップドラフト式としては比較的進んだ機能を持つモデルであった。
  7. ^ アップドラフト式キャブレターは1930年代以前の古いサイドバルブガソリンエンジンで多く使われた方式で、キャブレター本体から混合気を上昇させて吸気マニホールドに送り込む。キャブレター本体内の燃料油面が安定するため基本的にトラブルが起きにくいメリットはあるが、反面、効率や応答性に難がある。このため、安全対策を要するがより効率や応答性に優れたダウンドラフト式(混合気を下降供給)、サイドドラフト式(混合気を水平に供給)に取って代わられた。アップドラフト式キャブレターでダウンドラフト式同等の加速力を得るためには、アップドラフト式の混合比設定をより濃くしてやる必要があり、ダウンドラフト式に比して燃費・始動性で劣る[12]
  8. ^ 高品質製品の最優先供給先である軍用航空機向けでさえ充分な品質を維持できず、エンジン故障の主因の一つとなるような状況であった。
  9. ^ 縦型6気筒、排気量12.74リットル、連続定格出力100 PS/1,300 rpm, 渦流室式
  10. ^ 縦型6気筒、排気量14.6リットル、連続定格出力100 PS/1,300 rpm, 直噴式
  11. ^ 1948年12月にGMF13形エンジン搭載の41000形を使用して木原線で行われたガソリンと天然ガスの燃料性能比較試験では、天然ガス燃料車はガソリン車の85%程度の性能を見積もられていたが、試験結果では75%程度に留まったという[18]。前記報告では、天然ガス燃料は出力でガソリンに劣る一方、キャブレターでの気化を要するガソリンよりも空気との混合が良好で冬季始動が容易、完全燃焼しやすく、点火プラグやエンジンオイルの寿命が長くなるといった優劣、ガスと空気の混合装置(ガソリンエンジンにおけるキャブレターに相当する装置)調整の課題が挙げられている。
  12. ^ 千葉県在住の鉄道愛好家である白土貞夫による「千葉鉄道管理局における天然ガスカーの盛衰」[19]では1950年前後当時、ガスカーの故障続出のために代行として8620形蒸気機関車牽引の木造客車2~3両編成が運転される光景が見られたことや、中川浩一が1952年に「Romance Car」誌20~22号で「房総をめぐって」と題した探訪記事でのレポートで「東金線列車の41200形2両編成のうち1両がクラッチを切ってトレーラーになっていた」と記録していること、さらに中川が1952年6月に東金線で撮影したキハ41204とキサハ41800のトレーラー牽引2両編成写真をも挙げて、稼働車両不足に悩んでいた現地の実態を記述している。
  13. ^ 縦型6気筒、排気量10.85リットル、連続定格出力75 PS/1,200rpm.
  14. ^ 縦型8気筒、連続定格出力150 PS.
  15. ^ 縦型6気筒、連続定格出力110 PS.
  16. ^ 縦型6気筒、連続定格出力100 PS/1,700 rpm.
  17. ^ DA55→58のパワーアップは、排気量10.85Lのまま、ヘッド・ピストン交換による圧縮比15.4→17.5への増大と、燃料噴射タイミングおよび噴射ノズルの口径拡大変更によるチューニングとで実施されていたため、土台となるエンジンブロック部分等を流用して既存のDA55を強化改造できた[22]
  18. ^ 1928年(昭和3年)にバス用として開発。最大入力200 PS. 神戸製鋼所のほかクルップドイツ)、シュコダチェコ)、レイランド、VSG(イギリス)、サウラー(スイス)、スパイサー、ツインディスク(アメリカ)が製作権を得て製造し、バス・気動車用として広く使われた。なお、この試作変速機は合計4基が製造され、2基は鉄道省に、1基は試作工兵機材(装甲作業機丙型)用として陸軍技術本部に、残る1基は研究用として東京帝国大学に納入されたと伝えられている。
  19. ^ 以上の車軸折損問題と対策は、坂上(2016b), p. 71-74による。
  20. ^ キハ04形が旭川機関区2両、北見機関区7両の合計9両、キハ05形が池田機関区19両、長万部機関区4両の合計23両、キハ06形が苫小牧機関支区の4両。ほかに戦前開発の機械式気動車としては、名寄機関区にキハ07形10両が集中配置されていた[28]

出典

  1. ^ 交友社 日本国有鉄道工作局・車両設計事務所『100年の国鉄車両(3)』 p.431[注釈 1]
  2. ^ a b 岡田誠一「キハ41000とその一族(上)」
  3. ^ 坂上茂樹・原田鋼『ある鉄道事故の構図』(2005)p42-43
  4. ^ a b c d e f 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.10
  5. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.19
  6. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.13
  7. ^ 坂上(2011), p. 2.
  8. ^ 坂上論文の原典は鉄道運転会(代表者武井明通)『機関車便覧』通文閣(1943年)p149掲載。
  9. ^ 坂上.原田(2005), p. 45-46.
  10. ^ 以上はUT-5解説とも坂上(2011), p. 3-4による。
  11. ^ 坂上.原田(2005), p. 46-47.
  12. ^ 坂上(2011), p. 5-7.
  13. ^ 坂上(2011), p. 16.
  14. ^ 坂上.原田(2005), p. 42-43.
  15. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.16
  16. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.18
  17. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.25
  18. ^ 吉田正一・諏訪間高明「気動車の天然ガス使用について」『交通技術』1950年6月号 p17-18、NDLJP:2248400
  19. ^ 鉄道ピクトリアル』177号 1965年11月 p27
  20. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.29
  21. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.34
  22. ^ 山田秀三「国鉄動車概観」『鉄道ピクトリアル』No.73 1957年8月号 p11-15中、第4表「機関諸元表」に基づく。
  23. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.36
  24. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.45
  25. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.49
  26. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.36
  27. ^ 『鉄道ピクトリアル』No.73 1957年8月号 p42-43
  28. ^ 以上は前述の鉄道ピクトリアルNo.73の表に基づく。
  29. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、pp.54-55
  30. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.57
  31. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.58
  32. ^ a b c d e 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.60
  33. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.61
  34. ^ a b c d e 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.63
  35. ^ a b c d e 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.66
  36. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.67
  37. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.70
  38. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.73
  39. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.72
  40. ^ a b 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.74
  41. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.75
  42. ^ a b c d e 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.78
  43. ^ 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.79
  44. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.82
  45. ^ a b c d e f 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.83
  46. ^ a b c d e f 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.85
  47. ^ a b c d 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.84
  48. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.86
  49. ^ a b c d e 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.88
  50. ^ a b c 岡田誠一『キハ41000とその一族』2022年(原著1999年)、p.90


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