国軸の会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/10/05 18:22 UTC 版)
 会長の長島昭久 | |
| 略称 | 長島グループ→旧長島グループ |
|---|---|
| 設立 | 2014年2月 |
| 設立者 | 長島昭久 |
| 種類 | 民進党のグループ |
会員数 | 民進党所属国会議員 |
| 会長 | 長島昭久 |
| 事務局長 | 鷲尾英一郎 |
| 関連組織 | 国益を考える会 |
国軸の会（こくじくのかい）は、旧民進党のグループ。通称、旧長島グループ。党内少数派の保守系グループであり、10名ほど所属していた[1]。
概要
2014年2月、長島昭久が会長となり、民主党内保守系のグループとして発足した[2]。「国軸の会」の名称は、長島らが2013年夏に奈良県吉野町で合宿した際、金峯山寺の山号にも用いられる「国軸」が「熊野・吉野・平城京を結ぶライン」を表し、「神武天皇即位」「壬申の乱」「建武の中興」の舞台となってきたことを教わり[3]、「国の軸を定める」との思いを込めて命名した[2] 。国内政策に対する意見は自由民主党と異なるが安全保障分野に関しては、日米同盟を基軸とした自衛隊の強化で一致していた[1]。
沿革
長島昭久は自らに近い議員らと2010年8月に吉野山に合宿して桜本坊、吉水神社を訪問するなどしてきたが[4]、2014年2月にこれを「国軸の会」として長島グループ化した[2]。7月22日から26日にかけて国軸の会のメンバー（長島、鷲尾英一郎、大野元裕、安井美沙子、市村浩一郎、北神圭朗、大石宗）でアメリカ合衆国を訪問し、国務省でダニエル・ラッセル国務次官補、ジェームス・ズムワルト次官補代理、マーク・ナッパー日本部長らと会談を行った[5][6]。12月の第47回衆議院議員総選挙後に行われた2015年1月の代表選では、野党再編派の立場から国軸の会として細野豪志を支持したが[7][8]、細野は岡田克也に敗れた。8月24日には長島・細野・馬淵澄夫らの3グループで合同勉強会を開き、安全保障関連法案の対案提出を目指す動きを見せた[9][10]。
2016年3月の民進党結党後、4月の衆院京都3区補選に泉健太が立候補して衆議院議員を自動失職したのに伴い、メンバーである北神が繰り上げ当選した[11][12]。9月の代表選では、長島の擁立を目指したものの推薦人を確保できず断念し[13]、国軸の会として前原誠司の支持に回ったが[14]、前原は蓮舫に敗れた。9月20日から22日にかけて研修会のために台湾を訪問し、蔡英文総統、李登輝元総統、蘇嘉全立法院長らと会談を行った[15][16]。
2017年4月、会長の長島が民進党からの離党を表明して除籍された[17]。長島は離党会見で、国軸の会のメンバーで長島に同調して離党する議員はいないとしたうえで、党外の人間になる以上国軸の会の今後については党内のメンバーに任せるが、超党派の勉強会などで連携していきたいとした[18]。長島はその後自らを会長とする超党派の勉強会「外交・安全保障戦略を考える会」を発足させた[19]。
9月の代表選では、8月16日に自誓会（旧細野グループ）との合同会議を開き、国軸の会として前原を支持する方針を確認した[20][21][22][23]。9月に小池百合子東京都知事が希望の党を結成すると、長島は結党メンバーとなった[24][25][26][27]。10月の第48回衆議院議員総選挙では、9月28日の民進党両院議員総会で希望の党への合流方針が了承されたことを受けてメンバーも希望の党から出馬することとなったが、事務局長を務めた鷲尾は公示日の10月10日に離党届を提出して無所属で出馬、当選し[28]、11月2日に離党届が受理された[29]。一方、民進党合流後のメンバーである青柳は10月8日に旧立憲民主党への参加を表明し、選挙区で初当選している。
2018年5月には希望の党が解党し、無所属となった長島は7月に臨時国会に向けて保守系新会派（後に「未来日本」として結成）への参加を無所属議員らに呼び掛けた[30]。しかし、鷲尾は自身のblogで、自身と長島とでは無所属となった経緯が全く異なるとし、長島からの新会派や新党結成への呼び掛けには応じない意向を示した[31]。
その後鷲尾は2019年3月に、長島は6月に自由民主党に入党した[32][33]。
所属していた国会議員一覧
衆議院議員
- 立憲民主党
- 無所属
参議院議員
元衆議院議員
- 無所属
元参議院議員
- 日本維新の会
- 無所属
その他
- 自由民主党
脚注
注釈
- ^ 2017年4月に民進党除籍。その後の所属は希望の党→無所属→自由民主党（無派閥→二階派）。
- ^ 2017年11月に民進党離党。その後の所属は無所属→自由民主党（二階派）。
- ^ 2017年10月に民進党離党。グループ離脱後の所属は直諫の会。
- ^ 無所属議員時代に参加。2017年9月の希望の党の結党に参加。旧国民民主党を経て、2020年9月の合流に参加。グループ解散後の所属は一清会・直諫の会。
- ^ 非議員時代に参加。2017年10月に希望の党に合流。2018年より旧立憲民主党の公認内定を受ける。グループ解散後の所属は無派閥→直諫の会。
- ^ 2014年6月に民主党離党。その後の所属は日本維新の会。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2018年5月に国民民主党に参加するが、2020年9月の解党に伴う合流新党に不参加（立憲民主党会派には残留。）。2021年11月に院内会派有志の会を設立。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2018年5月に国民民主党に不参加。2021年11月に院内会派有志の会を設立。
- ^ グループ解散後の所属は民社協会。
- ^ 政界引退後も解散までグループに参加。
- ^ 2018年5月に国民民主党に参加するが、同年10月に離党。2019年4月に長崎県議会議員選挙に立候補し当選。2023年4月に佐世保市長選挙に立候補し当選。
- ^ 2019年7月に国民民主党を離党。現在埼玉県知事。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2018年5月に国民民主党に不参加。その後の所属は無所属→れいわ新選組→無所属。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2019年4月の高知県議会議員選挙に当選。
出典
- ^ a b “右派の長島氏｢ついに民進党離脱｣の舞台裏 | 国内政治”. 東洋経済オンライン (2017年4月11日). 2019年12月7日閲覧。
- ^ a b c “政治の現場 野党再編 （3）民主第3世代に派閥色”. 読売新聞. (2014年8月8日)
- ^ a b c d e “鈴木棟一の風雲永田町5370 民進党長島派「国軸の会」の心意気”. 夕刊フジ. (2016年5月17日)
- ^ nagashima21のツイート（21705776445）
- ^ 『後援会報誌「長島フォーラム21」』（プレスリリース）長島昭久後援会、2015年3月31日。
- ^ a b 長島昭久オフィシャルブログ「2014年7月22-26日 訪米」より（2014-07-22閲覧）
- ^ 長島昭久 (2014年12月28日). “激しい選挙戦を振り返って”. ハフィントンポスト
- ^ “民主代表選、国会議員票は3氏に分散…読売調査”. 読売新聞. (2015年1月11日). オリジナルの2015年1月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “民主：新党も視野に 細野、長島、馬淵3派が連携強化確認”. 毎日新聞. (2015年7月20日). オリジナルの2015年7月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ “民主3グループが初の合同勉強会”. 日本経済新聞. (2015年8月24日)
- ^ “衆議院 北神圭朗氏が繰り上げ当選”. NHK. (2016年4月20日). オリジナルの2016年4月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b aki.nagashima21の投稿（971741609548285） - Facebook
- ^ “民進 長島氏 代表選立候補断念を表明”. NHK. (2016年8月30日). オリジナルの2016年8月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ “蓮舫、前原氏が激突＝玉木氏も出馬目指す－民進代表選、2日告示”. 時事通信. (2016年9月1日). オリジナルの2016年9月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ aki.nagashima21の投稿（1072283439494101） - Facebook
- ^ “日台の民進党が交流 蘇院長「妙な感覚」”. 産経新聞. 共同通信. (2016年9月22日). オリジナルの2016年10月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ “民進 長島氏除籍処分を決定 東京都議と市議7人離党へ”. NHK. (2017年4月25日). オリジナルの2017年4月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【長島昭久氏、民進離党会見詳報（2）】蓮舫代表の対共産党戦略「理解できない」と批判”. 産経新聞. (2017年4月10日). オリジナルの2017年4月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ “長島昭久氏が会長 維新主導の外交安保の勉強会発足へ”. 産経新聞. (2017年4月19日). オリジナルの2017年4月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ “民進 前原氏 選挙対策本部設置し協力呼びかけ”. NHK. (2017年8月16日). オリジナルの2017年8月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ “前原氏、選対事務所開き 執行部に距離置く30人超参加”. 朝日新聞. (2017年8月16日). オリジナルの2017年8月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【民進党代表選】「安倍政治を倒す気持ちあれば政権交代できる」前原誠司元外相が事務所開き 地方票に軸足”. 産経新聞. (2017年8月16日). オリジナルの2017年8月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ “議員票、前原氏リード＝枝野氏は地方票に照準―民進代表選”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年8月17日). オリジナルの2017年8月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “希望の党設立会見参加の国会議員”. 共同通信. (2017年9月27日)[リンク切れ]
- ^ “結党記者会見に参加した国会議員 希望の党”. 日本経済新聞. (2017年9月27日)
- ^ “「希望の党」参加議員【17衆院選】”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年9月27日)
- ^ “【希望の党】長島昭久衆院議員、中山恭子参院議員らが参加 設立会見出席の国会議員一覧”. 産経新聞. (2017年9月27日)
- ^ “民進県連の鷲尾代表が離党届”. 新潟日報. (2017年10月28日)
- ^ “菊田、鷲尾氏の離党受理＝民進”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月2日)
- ^ “旧希望結党メンバーの長島氏、保守系会派結成を呼びかけ”. 朝日新聞. (2018年7月29日) 2019年7月14日閲覧。
- ^ 自分自身の座標軸 - 鷲尾英一郎の日記
- ^ “鷲尾氏の自民入党を了承”. 日本経済新聞. (2019年3月22日) 2019年3月23日閲覧。
- ^ “自民・二階幹事長、長島昭久氏の入党届受理”. 産経新聞. (2019年6月26日)
- ^ 鷲尾英一郎 2017年8月23日[1]
- ^ 鷲尾英一郎 2017年2月4日 [2]
- ^ aki.nagashima21の投稿（991436037578842） - Facebook
- ^ a b 安井美沙子 2月1日[3]
- ^ 福嶋健一郎 2019年3月21日[4]
- ^ 長島昭久オフィシャルブログ「かねこ洋一（神奈川選挙区）街頭演説会＠長津田駅」より（2016-06-28閲覧）
- ^ 長島昭久オフィシャルブログ「大野もとひろ（埼玉選挙区）個人演説会＠春日部」より（2016-06-29閲覧）
- ^ nagashima21のツイート（703831134702940161）
| 執行部 |  | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 歴代代表 | |||||||||
| 派閥 | |||||||||
| 関連組織 |
| ||||||||
| 主要政策・理念 | |||||||||
| 前身政党 | |||||||||
| 分裂政党・会派 | |||||||||
| 後継政党 | |||||||||
| 関連項目 | |||||||||
- 国軸の会のページへのリンク
